SYNTH & MACHINE
コルグ、ハイブリッド音源を搭載した新世代ドラム・マシン、「drumlogue」を発表…… Sinevibes製バーチャル・アナログ・シンセ『Nano』も内蔵
コルグが新型ドラム・マシン、「drumlogue(ドラムローグ)」を発表。3タイプの音源を搭載、バーチャル・アナログ・シンセも内蔵した強力なドラム・マシンが間もなく発売になります。
伝統のアナログ音源を核に、最新のデジタル・テクノロジーを融合した新世代の電子楽器、コルグ“logue”シリーズ。これまで、minilogue(開発者インタビュー記事は、こちら)、monologue(開発者インタビュー記事は、こちら)、prologue(開発者インタビュー記事は、こちら)、minilogue xd(開発者インタビュー記事は、こちら)と多様なモデルがラインナップされ、いずれも世界中のミュージシャン/クリエイターから高く評価されています。本日発表された「drumlogue」は、『デジアナ・ハイブリッド』という“logue”シリーズのコンセプトを、ドラム・マシンとして昇華させた新機軸の製品。アナログ音源ならではの音色の深み/豊かさと、デジタル音源ならではの柔軟性/拡張性を兼ね備えた、コルグ渾身の新型ドラム・マシンです。
「drumlogue」の音源部は、アナログ(4パート)、PCM(6パート)、デジタル・マルチ・エンジン(1パート)の3タイプの音源で構成されます。キック、スネア、ロー・タム、ハイ・タムの4種類の音色を担うアナログ音源は、ARP 2600 MやMS-20 mini、ARP Odysseyを手がけたレジェンド技術者、池内順一氏が開発を担当したもので、豊かな倍音と厚みのあるローエンドが特徴。ディケイやチューンといった肝となるパラメーターには専用のノブが用意され、直感的に音色をエディットすることが可能になっています。6パートのPCM音源は、64種類(拡張時は128種類)のドラム・キットによって、ハイハットやリム・ショット、クラップなど様々な音色をカバー。パソコンとUSBで接続すれば、ユーザー・サンプルを読み込むこともできます。そして3つ目の音源、デジタル・マルチ・エンジンは、prologueやminilogue xdに搭載されている音源をさらに進化させたもので、VPM音源とノイズ・ジェネレーター、そしてプログラムを自由に読み込めるカスタム・スロットで構成。カスタム・スロット用のプログラムを開発するためのSDKは、『drumlogue SDK』として無償で提供され、出荷時にはあのSinevibesが開発したオリジナル・シンセ『Nano』がインストールされています。「drumlogue」エクスクルーシブの音源である『Nano』は、本格的な機能を備えたバーチャル・アナログ・タイプのシンセサイザー。サウンド・ソースとなる2基のオシレーターはリング・モジュレーション対応で、4ポール仕様のステートバリアブル・フィルターはソフト・クリッピング機能を備え、EGやマルチ・ウェーブフォームLFOなどモジュレーション・ソースも充実。もちろん、音階演奏に対応しているので、ベースやリードを『Nano』で鳴らすこともできます。
音源をドライブさせる内蔵シーケンサーは最大64ステップで、ステップごとの発音確率設定やランダマイゼーション、オルタネート・パターン、マイクロ・オフセット、トラックごとのグルーヴ・パターンといった機能を備えた強力なもの。『Chain』モードを使用すれば、64ステップ以上の長尺のパターンも簡単に作成でき、1つのパターンから様々なバリエーションを生み出せる『Loop』モードも備えています。そして「drumlogue」のシーケンサーの大きな特徴と言えるのが、操作性/視認性の良さで、右側にはOLEDディスプレイと4つのエンコーダー、各種スイッチを搭載。OLEDディスプレイには打ち込んだパターンがグラフィカルに表示され、素早くエディットすることが可能になっています。
もちろん「drumlogue」は、エフェクト・セクションも充実。センド・エフェクトとして使用できるディレイ/リバーブに加えて、サイドチェーン対応のマスター・エフェクトも搭載しています。さらにはprologueやminilogue xd同様、『drumlogue SDK』で開発されたオリジナル・エフェクトの読み込みにも対応。「drumlogue」はオーディオ入力を備えているため、スタンドアローンのエフェクターとして活用することもできます。
「drumlogue」の主な特徴は、以下のとおりです。
- アナログ音源とデジタル音源を融合したハイブリッド・ドラム・マシン
- アナログ音源:4パート(キック/スネア/ロー・タム/ハイ・タム)、PCM音源:6パート、デジタル・マルチ・エンジン:1パート
- ARP 2600 MやMS-20 mini、ARP Odysseyを手がけたレジェンド、池内順一氏が開発を担当したアナログ音源
- ユーザー・サンプルの読み込みにも対応したPCM音源。ユーザー・サンプルの読み込みは、USB接続したパソコンからドラッグ&ドロップで完了
- VPM音源/ノイズ・ジェネレーター/カスタム・スロットで構成されたデジタル・マルチ・エンジン
- Sinevibes製バーチャル・アナログ・シンセサイザー『Nano』を搭載
- 最大64ステップのシーケンサー。発音確率設定、ランダマイゼーション、オルタネート・パターン、マイクロ・オフセット、トラックごとのグルーヴ・パターンといった機能を搭載
- 長尺のパターンも簡単に作成できる『Chain』モードと様々なバリエーションを生み出せる『Loop』モード
- ディレイ/リバーブ/マスターの3種類のエフェクトを搭載。マスター・エフェクトはサイドチェーンにも対応
- 『drumlogue SDK』で開発されたオリジナル・エフェクトの読み込みにも対応
- 最大同時発音数11ボイス ※デジタル・マルチ・エンジンのシンセ・プログラム(『Nano』など)のポリフォニック使用状況により、実際の発音数は変化
- 最大128プログラム(パターンを含む)※工場出荷時は64プログラム
- 最大128ドラム・キット ※工場出荷時は64ドラム・キット
- 視認性に優れたOLEDディスプレイを搭載。シンプルかつ人間工学に基づいたユーザー・インターフェース
- ヘアライン仕上げの堅牢なアルミニウム製筐体。木製のサイド・パネルを装備
- ステレオ・オーディオ出力、アサイナブル・オーディオ出力(×4)、ヘッドフォン出力、オーディオ入力(3.5mm)、MIDI入力/出力(DIN)、シンク入力/出力(3.5mm)、USB A(各種MIDI機器との接続用)、USB B(パソコンなどホスト機器との接続用)の各端子を装備
そのサウンド/機能もさることながら、飾り気のない無骨なデザインも魅力のハイブリッド・ドラム・マシン「drumlogue」。国内発売は今秋の予定で、メーカー希望小売価格は93,500円(税込)となっています。さらなる詳細は、コルグのWebサイトをご覧ください。