Feature Image

VIDEO SYNTH

アナログ映像のおもしろさをデジタルで実現した“バーチャル・アナログ”のビデオ・シンセ、Sleepy Circuits「Hypno」

アメリカのガレージ・メーカー Sleepy Circuitsが開発した「Hypno(ヒプノ)」は、手のひらサイズのコンパクトなビデオ・シンセサイザー。昨年の発表以来、海外のマニアの間で大きな話題になっている注目のガジェットです。

Sleepy Circuits - Hypno

Sleepy Circuits「Hypno」

このところ世界的に注目が集まっているビデオ・シンセサイザーですが(ビデオ・シンセサイザーについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください)、幅広い層にアピールしそうなニュー・カマーが登場しました。“Voltage Controlled Digital Video System”を標榜する「Hypno」は、アナログ・ビデオ・シンセサイザーのおもしろさをデジタル回路で実現した製品。少し前にクラウドファンディングが実施されたCritter & Guitariの新作 EYESYや、Erogenous TonesのStructureといった最近のビデオ・シンセサイザーは、いずれもOpenGLで映像を生成する今風な製品ですが、「Hypno」はLZX Industriesのビデオ・モジュラーに代表されるアナログ・ビデオ・シンセサイザーをデジタルで再現しているというのがポイントです。従って使用にあたって専門的な知識は不要で、ノブやスライダー、ボタンを感覚的に操作するだけで、オーガニックな映像を生成することが可能。たとえるなら、Nord Leadのような“バーチャル・アナログ”のビデオ・シンセサイザー、それが「Hypno」なのです。

Hypno」のコア・ユニットは、14HPのEurorackモジュールで、他のモジュールとともにモジュラーシンセとして使用できる設計になっています。また、専用のエンクロージャーとUSB電源アダプターが付属する“スタンドアローン・パック”も用意されており、こちらを購入すれば単体のビデオ・シンセサイザーとしての使用にも対応。もちろん“スタンドアローン・パック”のコア・ユニットも、エンクロージャーから取り外せば、Eurorackモジュールとして使用することができます。下部には7つのCV入力と2つのトリガー入力を備え、外部モジュールから主要パラメーターをモジュレートすることが可能。CV入力は、-5V〜5VのCVを受ける一般的な仕様なので、LZX Industriesのビデオ・モジュラーのようにアッテネートする必要はありません。

Sleepy Circuits - Hypno

Eurorackモジュールとして使用できるコア・ユニットと、単体で使用できるスタンドアローン・パックの2つの形態で販売される

ビデオ出力は、コンポジットとHDMIの両方を備え、接続されているモニターに合わせて最大1080pまでアップスケーリングされます。また、フロント・パネル右上に備わったUSB端子から、NDIで出力することもでき、ResolumeTouchDesignerといった対応ソフトウェアに直接映像をストリームすることも可能。このNDI出力は、コンポジット/HDMI出力と併用することができます。

Sleepy Circuits - Hypno

エンクロージャーの側面に備わったHDMI端子

先述のとおり、「Hypno」はアナログ・ビデオ・シンセサイザーと同じような手法で映像を生成します。映像の元になるのは、2基のビデオ・オシレーターで、まったく同じ仕様のものを左右に搭載。ビデオ・オシレーターは5つの波形(サイン/タンジェント/スクウェア/サークル/フラクタル・ノイズ)を選択でき、周波数、ローテーター(パターンの回転)、ポラライザー(パターンの変形)といったパラメーターをコントロールできます。2基のビデオ・オシレーターの出力は、HSVカラライザーで色付けされ、アンプ経由で出力。そして「Hypno」の映像生成の肝と言えるのが、出力をローテーターの前段に返すことができるフィードバック機能で、これによりパターンが複雑に織りなす映像を簡単に作り出せるようになっています。フィードバックは、通常のモード以外に、“hyper digital”や“Stable Glitch”といった特殊なモードを選択することもでき、「Hypno」を使いこなす上ではこの機能がポイントになりそうです。加えて秀逸なのが、セルフ・モジュレーション機能を備えている点。外部モジュレーション・ソースに頼らずに、各パラメーターをモジュレートすることができ、映像に動きを付けることが可能になっています。その他、パターンを複雑に変形できるフラクタル機能も搭載し、シンプルなようで実はかなり奥が深いビデオ・シンセサイザーに仕上げられていると言っていいでしょう。

パラメーター設定を保存できるプリセット機能や、USB経由でのMIDIコントロールにも対応したバーチャル・アナログのビデオ・シンセサイザー、「Hypno」。価格は、コア・ユニット(Eurorackモジュール)のみが600ドル、スタンドアローン・パックが625ドルとなっています。さらなる詳細は、Sleepy CircuitsのWebサイトをご覧ください。

IK Multimedia、新型フラッグシップ・モニター「iLoud Precision MKII」を発表…… ルーム補正機能は最新の『ARC X』へと進化、ツイーターもアップデート

植物や人間など、生体との接触で得られる“バイオフィードバック信号”で演奏する電子楽器、Instruō「Pocket SCÍON」が発売…… MIDIやOSC出力にも対応

AD

iZotope、「Ozone 12」を発表…… ミックス音源の各パートにEQがかけられる『Stem EQ』や、ダイナミクスを復元できる『Unlimiter』など、魔法のような新機能が多数追加

Ableton、Live 12.3のパブリック・ベータを公開…… 待望のステム分離機能が搭載、Spliceのライブラリーに直接アクセス可能に

ボス、歴代名機のサウンドをDSPによって再現する“Plugout FX”、「PX-1」を発表…… 専用アプリからモデルをインストールすることで、あらゆるストンプとして機能

Audiomoversの遠隔コラボ・ツール「LISTENTO」がV3へと進化…… 同時に送受信できるオーディオが最大128chに増加、トークバック/リッスンバックにも対応

メディア・インテグレーションが半期大決算セールをスタート…… 購入者全員にOzone 11 Elementsを進呈、レアなTE pocket operator modularの最終在庫も販売中

Apple Musicの楽曲にメモを記録できるアプリ、「Track Notes」が登場…… 楽曲の感想や引っかかりポイントを忘れずに残しておける便利ツール

teenage engineering、販売価格0ドル(つまり無償)のPCケース、「computer-2」を発表…… オンライン・ストアで注文受付中

カセットテープ型のテープ・カッター、サンスター文具「カセットテープカッター」が発売…… テープは2本セット可能、4色展開

iZotope、Catalystシリーズの最新作「FXEQ」を発表…… 特定の帯域のみにエフェクトをかけることができる、まったく新しい発想のマルチFXプラグインが登場

AD

ローランドとXLARGEがコラボレーション、TR-808モチーフのアパレル・コレクションが数量限定で販売

Five Gからオリジナルのモジュラーシンセ用フレームが登場…… ラックマウント用の耳も付属、販売価格9,800円

IK Multimedia、「Prism Reverb」を発表…… シネマティックな残響からシューゲイザー的なテクスチャーまで、さまざまな響きを生成できる次世代のシマー・リバーブ

Ableton Live 12 Suiteのクロスグレード版が49,800円で販売中…… 新規購入の約41%OFF、完全数量限定

Brainworx、“究極のディレイ・プラグイン”、「bx_pulsar」をリリース…… 5種類のアルゴリズムを搭載、ステップ・シーケンサーなどのクリエイティブ機能も充実

『Roland Store Tokyo』で“808 DAY”を記念したキャンペーンが開催…… SP-404MKIIの購入者には808デザインのフェイスプレートが進呈

Native Instruments、無償版のMassive X、「Massive X Player」を公開…… 音色をモーフィングできる強力なソフト・シンセが、誰でも無償で利用できるように

ICON