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Analogue Solutions、幻のEMS Synthi 100を彷彿とさせるコンソール型“メガ・シンセサイザー”、「Colossus」を発表
Analogue Solutionsが先月発表した新製品、「Colossus(コロッサス)」。先週末にイギリス・シェフィールドで開催されたシンセサイザー・イベント『SynthFest UK』で、初めて実機が披露されました。
“メガ・シンセサイザー”を謳う「Colossus」は、横幅1,700mm×奥行き700mm×高さ650mmのコンソール型筐体に身をまとった大型アナログ・シンセサイザー。一目見て誰もがEMS Synthi 100のクローンと思ってしまいますが、Analogue Solutionsによれば、デザイン面でのインスピレーションは受けたものの、内部回路は完全にオリジナルとのこと。回路的には、Polymath、Telemark、Vostokをはじめとする同社製シンセサイザーが元になっており、Analogue SolutionsはWebサイトで、“「Colossus」は強力なアナログ・ワークステーションを超えた存在で、これは芸術や建築、美しいスタジオ家具でもある”と紹介しています。
内部回路は100%アナログで、MIDIやUSBなどにも非対応。Analogue Solutionsによれば、“「Colossus」は70年代に(EMS Synthi 100を)羨望していた人向けの製品であり、変わった仕掛けの無い純粋なシンセサイザー”とのこと。操作面は、オシレーターやノイズ/ランダム・ジェネレーターを備えた『VCO Panel』、アナログのCRTオシロスコープを備えた『Scope Panel』、フィルターやスプリング・リバーブを備えた『Filter Panel』、64ステップ・シーケンサーを備えた『Sequencer Panel』、デジタル・シーケンサー内蔵のタッチ・キーボードを備えた『Touch Panel』、2面のCV/オーディオ・マトリクスを備えた『Matrices』、4面のミニ端子パッチ・パネルを備えた『Jack Socket Patch Panels』という7種類のパネルで構成。LFOの総数は16基、VCAの総数は12基と、かなり強力な仕様になっており、各モジュールの数やレイアウトなどは基本的にEMS Synthi 100を踏襲しているようです。
「Colossus」の主な特徴は、以下のとおりです。
- EMS Synthi 100にインスピレーションを受けてデザインされた大型シンセサイザー
- 100%アナログ回路。Polymath、Telemark、VostokといったAnalogue Solutions製シンセサイザーを元にしたオリジナル設計
- 横幅1,700mm×奥行き700mm×高さ650mmのコンソール型筐体を採用
- 『VCO Panel』、『Scope Panel』、『Filter Panel』、『Sequencer Panel』、『Touch Panel』、『Matrices』、『Jack Socket Patch Panels』という7種類のパネルで構成
- 12基のVCO/LFO。4種類の波形を搭載、パルス幅/シンク/サブ・オシレーター機能も装備
- オシレーターのノブには、高品質なバーニア・ダイアルを採用
- サンプル・アンド・ホールド・ジェネレーター
- ランダム・ボルテージ・ジェネレーター
- 2基のホワイト/ピンク・ノイズ・ジェネレーター
- 4基のマルチモード・フィルター(12dBのローパス/バンドパス/ハイパス)。それぞれ直列で接続されたVCAを装備
- 4基のローパス・フィルター(24dBのトランジスター・ラダー・フィルター)。それぞれ直列で接続されたVCAを装備
- 2基のアナログ機械式スプリング・リバーブ。それぞれ3基のスプリング・タンクを装備
- 2基のリング・モジュレーター
- 2基のボルテージ・スルー・ジェネレーター
- 4基のADSRエンベロープ。リピートおよびホールド/リピート機能も装備
- 『Scope Panel』に搭載された2基のLFO(『VCO Panel』のVCOとは独立した回路)
- 『Scope Panel』に搭載された 4基のVCA(フィルター内蔵のVCAとは独立した回路)
- 『Scope Panel』に搭載された 4基のASRエンベロープ
- マルチプル
- アナログCRTオシロスコープ
- 4基のバックライト付き大型シグナル・レベル・メーター
- 64ステップ/2×32ステップのアナログCV/Gateシーケンサー。クロック・ジェネレーターを内蔵、グライド/ジャンプ/リセット機能を装備
- 6chステレオ・オーディオ・ミキサー。レベル/パン/ミュート機能を装備
- 2基のジョイスティック・コントローラー
- 2基のタッチ・キーボード。デジタル・ノート・シーケンサー機能も装備
- 2面の業務機器品質のCV/オーディオ・ピン・マトリクス・パネル
- 4面のミニ端子パッチ・パネル。全回路の入出力を実装
「Colossus」は、Analogue Solutionsから直接販売され(ディーラー経由での販売は無し)、2020年初頭に出荷開始予定、税別の価格は25,000ポンド(現在の為替レートで、日本円で約330万円)となっています。他に梱包手数料が税別350ポンド程度かかり、各国への送料は500〜1,000ポンド程度が見込まれるとのこと。一般人がおいそれと手を出せる代物ではありませんが、約30台しか生産されなかった幻のEMS Synthi 100が新品で手に入ると思えば、納得できる価格設定と言えるのではないでしょうか。さらなる詳細は、Analogue SolutionsのWebサイトをご覧ください。