Feature Image

SYNTH & MACHINE

植物や人間など、生体との接触で得られる“バイオフィードバック信号”で演奏する電子楽器、Instruō「Pocket SCÍON」が発売…… MIDIやOSC出力にも対応

スコットランドのモジュラー・メーカー Instruōが、新製品「Pocket SCÍON」をリリース。手のひらサイズの「Pocket SCÍON」は、植物や人間などの生体との接触で得られるバイオフィードバック信号を元に、サウンドやMIDIデータを生成するという大変ユニークな電子楽器です。

Instruō - Pocket SCÍON

“バイオフィードバック・インストゥルメント”、Instruō「Pocket SCÍON」

スコットランド・グラスゴーに拠点を置くInstruōは、サウンド・アーティストとして精力的に活動していたジェイソン・リム(Jason Lim)氏が2017年に立ち上げたモジュラー・メーカーです。独特のパネル・デザインが印象的なInstruōのEurorackモジュールは、オーガニックなサウンドと音楽的な設計が特徴で、伝統的なコンプレックス・オシレーターから多機能なグラニュラー・プロセッサー、インフルエンサーのDivKidと共同開発したLFOモジュール “øchd”など、多彩な製品をラインナップ。最近ではスタンドアローンで使用できるデスクトップ・シンセサイザー、“Seashell”をリリースして大きな注目を集めました。ちなみにジェイソン・リム氏は、かのQu-Bit Electronixの共同設立者の一人でもあります(Instruōについて興味のある人は、Perfect Circuitの『SIGNAL』に掲載されているジェイソン・リム氏のインタビュー記事をチェックしてみてください)。

Instruō - Pocket SCÍON

Instruōのジェイソン・リム(Jason Lim)氏(2017年の『SUPERBOOTH』にて)

そんなInstruōの最新作となる「Pocket SCÍON」は、植物や人間などの生体との接触で得られるバイオフィードバック信号を元に、サウンドやMIDIデータを生成する“バイオフィードバック・インストゥルメント”。同社は2017年に、バイオフィードバック信号からランダムCVを生成するEurorackモジュール “Scíon”をリリースしていますが、そのコンセプトを元にスタンドアローン・デバイスとして発展させた製品です。

単四電池3本で動作する「Pocket SCÍON」は、横幅70mm×高さ105mm×厚さ15mm/重量56.6グラムとコンパクト・軽量で、左側面にセンサー入力、パネル面の下部に静電容量方式のタッチ・パッドを装備。付属のセンサー・ケーブルを使って植物や菌類と接続したり、あるいは静電容量方式のタッチ・パッドを指で触れることで、内部のバイオフィードバック・センサーが反応し、パルス信号を生成します(このパルス信号は、RAWデータとしてそのまま出力することも可能)。センサー入力は3.5mmのミニ端子で、オーディオやCVでバイオフィードバック・センサーを反応させることも可能。マニュアルでは、ダミー・ケーブル(何も接続していないケーブル)をセンサー入力に接続して、端子部分に触れてバイオフィードバック・センサーを反応させる使い方も紹介されています。

そして「Pocket SCÍON」の大きなフィーチャーと言えるのが、バイオフィードバック・センサーで演奏できる4種類の音源が内蔵されている点。“Scíon”のヘヴィ・ユーザーである生態学者/音楽家のTarun Nayar氏とのコラボレーションで開発されたという内蔵音源は、1〜5音の範囲で同時発音数を設定でき、半音単位でピッチ・シフトすることも可能。この内蔵音源によって、「Pocket SCÍON」は単なるコントローラーではなく、スタンドアローンの“楽器”として機能するというわけです。

また、バイオフィードバック・センサーで内蔵音源を演奏するのではなく、MIDIデータとして3.5mmのTRS MIDI出力あるいはUSB端子から出力することも可能。出力できるMIDIデータは、最大5音のMIDIノート、ベロシティ、コントロール・チェンジで、5音のMIDIノートそれぞれにMIDIチャンネルを設定できるモードも用意されています。これらのMIDI機能については、専用のソフトウェアを使ってUSB接続したパソコン側から細かく設定することもでき、このソフトウェア経由でのOSCメッセージの出力にも対応。Cycling ’74 MaxやTouch Designerといったソフトウェアとの連携など、さまざまな使い方が考えられそうです。

Instruō - Pocket SCÍON

バイオフィードバック・センサーで、ソフト・シンセなどの外部音源を演奏することも可能

Instruōらしいデザインも物欲をそそる“バイオフィードバック・インストゥルメント”、「Pocket SCÍON」。国内ではClockfaceが販売を開始しており、価格は25,900円(税込)となっています。さらなる詳細は、ClockfaceのWebサイトをご覧ください。

ギタリストのための“究極のバーチャル・スタジオ”、Universal Audio「Paradise Guitar Studio」がデビュー…… ギターの音づくりが完結するAll in Oneプラグイン

Waves、トラックの“躍動感”と“タイトさ”を自在にコントロールできるプラグイン、「Magma StressBox」の無償配布を開始…… 3日間限定

AD

Native Instruments、KOMPLETE 15新規版の50%OFFプロモをスタート…… Standard以上の購入者には36,900円相当のOzone 12 Standardを無償進呈

teenage engineering OP-XYがアップデート、強力なサンプル・スライサー機能が搭載…… 16万円引き(約37%OFF)のプロモも12月7日まで延長に

国内最大のモジュラーシンセの祭典、『Festival of Modular』が今週末と来週、東京と大阪で開催…… 今年は“アジア”をテーマに、中国・韓国・台湾のモジュラー使いが出演

待望の“ホーム・スタジオ対応”の小型サブ・ウーファー、IK Multimedia「iLoud Sub」が登場…… 他社スピーカーとの組み合わせでもシステム全体をDSP補正

最新のOzone 12/MPS8をお得にゲットできるNI/iZotopeのBlack Fridayセールがスタート…… Nectar 4 Elementsを含む16,200円相当のバンドルが無償で配布中

Universal AudioがBlack Fridayセールをスタート…… 50種類の中から10本選べる「UAD Mix Tape Pro」は16,335円、「Custom Plus」は同じ値段で選べるプラグインの数が倍に

ギターに直挿しで使える“TONEX内蔵”ヘッドフォン・アンプ、IK Multimedia「TONEX Plug」がデビュー…… USBオーディオIFとしても機能

teenage engineering、レゲエ/ダブに特化したビート・マシン「EP-40 riddim supertone」を発表…… “感圧式ダブ・サイレン”を実現するシンセ・エンジン、『supertone』も搭載

人気のプラグインを網羅したUniversal Audio「UAD Signature Edition」がV3にアップデート…… 5万円以下で63種類のプラグインを入手できるクロスグレード版も販売

AD

約2万円で45万円相当のプラグインが手に入るUniversal AudioのDAW、「LUNA Pro」2.0の国内販売が開始…… 付属のプラグインはVST/AU/AAX対応、“プラグイン・バンドル”としても魅力的なパッケージ

完全無償の“フリーDAW”、Universal Audio「LUNA」がv2.0にバージョン・アップ…… 待望のARA 2に対応、AI機能も大幅に強化

音の断片=グレインを空間でコントロールできる“3Dグラニュラー・シンセ”、Sound Particles「GrainDust」が登場…… 空間コントロール対応のシーケンサーも搭載

IK Multimedia、待望の“ヘッドフォン用ARC”、「ARC ON•EAR」を発表…… ヘッドフォンの音響特性/クセを補正し、正確で理想的なモニタリングを実現

teenage engineeringのフラッグシップ・シンセ、OP-XYが16万円引きの268,000円で購入できるプロモがスタート…… 数量限定

ローランド TR-1000 製品開発ストーリー 〜 開発者が語る、TR-808/TR-909のアナログ音源を継承した“究極のリズム・マシン”の誕生秘話

Native Instruments、リミックスやアレンジにも対応する“クリエイティブなDJシステム”、「Traktor MX2」を発表…… 分離したステムのリアルタイム・ミックスも可能

ICON