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音の断片=グレインを空間でコントロールできる“3Dグラニュラー・シンセ”、Sound Particles「GrainDust」が登場…… 空間コントロール対応のシーケンサーも搭載
Sound Particlesが新作ソフト・シンセ、「GrainDust(グレインダスト)」を発表。グラニュラー・シンセサイザーと3Dエンジンを組み合わせることで、これまでにない音像感を持ったサウンドを生み出す、革新的なソフト・シンセの登場です。

Sound Particles「GrainDust」
ポルトガルのレイリアに拠点を置くSound Particlesは、2016年に設立されたソフトウェア・デベロッパーです。代表のヌーノ・フォンセカ(Nuno Fonseca)氏は、コンピューター・オーディオの博士号を持つ人物で、他のメーカーに先駆けて立体音響/イマーシブ対応のプラグインに注力。入力音の周波数分布に応じてパンニングを行うBrightness Panner、入力音の音量に応じてパンニングを行うEnergy Pannerといったユニークなプラグインは、世界中のイマーシブ・スタジオでスタンダードとなっています。また最近では、イマーシブ対応のソフト・シンセ、SkyDust 3Dをリリースして大きな話題になりました(ヌーノ・フォンセカ氏のインタビュー記事は、こちらに掲載されています)。

社名と同じ名前を冠した3D音響生成ソフトウェア、Sound Particles
そんなSound Particlesの最新作となる「GrainDust」は、サンプルを細かく切り刻んだ音の断片、“グレイン”を操作することで音色を作り出すグラニュラー・シンセサイザー。もちろんユーザー・サンプルをインポートできるほか、ファクトリー・サンプルも1,200種類以上付属し、グレインの生成スピード、密度、サイズ、ピッチ、再生方式といったパラメーターを細かく設定することができます。「GrainDust」は、このグラニュラー・エンジンを4基、完全に独立したレイヤーとして搭載。各グラニュラー・エンジンでは、最大25のグレインを生成することができるため、4基のレイヤー合わせて、最大100のグレインを同時に扱うことができます。

グラニュラー・エンジンのパラメーターは細かく設定することが可能
そして「GrainDust」の大きな特徴と言えるのが、Sound Particlesお得意の3Dエンジンが統合されている点。3Dエンジンは、ステレオをはじめ、5.1ch、7.1.4ch、Sony 360 Reality Audio、NHK 22.2ch、バイノーラル、Ambisonics(最大5次)など、さまざまな出力フォーマットに対応しており、グレインの生成ポイントや動きを“空間”でコントロールすることが可能になっています。グレインの動きを変調できる機能も充実しており、ワン・クリックで動きを与える動作モディファイアーや空間エンベロープ(!)、空間LFO(!)といった機能を搭載。グレインの位置や動作を設定したプリセットも多数用意されています。もちろん、一般的なシンセサイザーとしての機能もひととおり備えており、マルチモード・フィルターやマルチ・エフェクト、アルペジエーター、シーケンサーといった機能を搭載。シーケンサーは、ステップごとに最大128ポリフォニックと非常に強力で、フレーズの生成だけでなく空間コントロールにも対応しています。

さまざまな出力フォーマットに対応した3Dエンジンを搭載
「GrainDust」は、Mac/Windows対応で、VST/AU/AAXの各フォーマットをサポート。価格は44,880円で、現在イントロ・プライスの33,660円で販売されています。また、「GrainDust」のリリースに合わせて、3種類のソフト・シンセ(SkyDust 3D/MiniDust/GrainDust)を収録した「3Dust Collection」、11種類のプラグインを収録した「Spatial Music III」という新しいバンドル・パッケージも登場。両パッケージとも2025年10月31日まで特価で販売されており、価格は「3Dust Collection」が46,970円、「Spatial Music III」が94,402円となっています(価格はすべて税込)。さらなる詳細は、フォーミュラ・オーディオのWebサイトをご覧ください。
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