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Steinberg、「Cubase 9.5」を発表! 64bit処理のオーディオ・エンジンを採用、新シンセ「FLUX」を搭載するなど、大幅に進化!
SteinbergがCubaseの新バージョン、「Cubase 9.5」を発表! 本日22時より販売が開始されています。
すっかり年末恒例となったCubaseのバージョン・アップ。新しい「Cubase 9.5」は、バージョン・ナンバー的には“コンマ5”の変化ですが、大幅な機能強化が図られています。
64bit浮動小数点処理を採用、音質が大幅に向上
まず「Cubase 9.5」では、DAWの根幹であるオーディオ・エンジンが新開発のものに換装されました。新しいオーディオ・エンジンは従来の倍となる64bit精度の浮動小数点処理が採用され、これまで以上に繊細で透明感のあるサウンドを実現しています。
また、オーディオ・エンジンだけでなく、ムービーの再生を担うビデオ・エンジンも刷新。「Nuendo 8」に搭載されたApple QuickTimeに依存しない新しいビデオ・エンジンが採用され、将来的な新コーデックの追加にも対応しています。
遂に搭載された『ダイレクト・オフライン・プロセッシング』機能
「Nuendo 8」に実装され、プロの間で大変評価の高かった『ダイレクト・オフライン・プロセッシング』機能が、遂にCubaseにも搭載されました(Cubase Proのみ)。『ダイレクト・オフライン・プロセッシング』では、任意のプラグイン処理(複数のプラグインの組み合わせも可)を、選択したクリップに対して直接適用することが可能。これによりCPUパワーを気にすることなく、複雑な処理を素早く実行できるようになります。“オフライン・プロセッシング”と言っても、処理の履歴を確認することが可能で、アンドゥ/リドゥが利くのもポイント。リアルタイム処理のような感覚で使用することができます。
MIDIデータを瞬時にオーディオ化できる新しい『サンプラー・トラック』
「Cubase 9」で搭載されて好評の『サンプラー・トラック』も、「Cubase 9.5」では強化されています。「Cubase 9.5」では、インストゥルメント・トラック/MIDIトラック上のMIDIパートを下部のサンプラー・コントロールにドラッグするだけで、ソフト音源の出力をレンダリング(オーディオ化)することが可能に。オーディオ化によって様々な編集が可能になるだけでなく、CPUパワーの節約にもつながるため、これはかなり重宝する機能と言えるのではないでしょうか。新しい『サンプラー・トラック』には、異なる設定をA/B比較できる機能も追加されています。
重点的に強化されたオートメーション機能
「Cubase 9.5」では、オートメーション機能が重点的に強化されているのもポイントです。マウスを使ってイメージどおりのオートメーション・カーブを描くのは難しいものですが、「Cubase 9.5」では滑らかな立ち上がり/減衰のオートメーション・カーブを簡単に作成することが可能に。さらには『オートメーション・スケーリング・ツール』の使い勝手が改善され、オートメーション・データを直接選択することなく、上部のツマミを上下にドラッグするだけでデータ量を増減できるようになりました。また、オートメーション・マーカーを作ることなくデータを編集することができる新ツール『オートメーション・レンジ・ツール』も搭載。オーディオ・データを扱うような感覚で、オートメーション・データを編集することができます。
オリジナルのクリック・パターンを作成可能に
「Cubase 9.5」では、ユーザーからの要望が多かったというオリジナル・クリックの作成も可能になりました。新たに搭載された『クリック・パターン・エディタ』を使用すれば、パターンやアクセントの音量などを自由に設定したオリジナル・クリックを作成することが可能。オーディオ・ファイルを読み込んでクリック音として使用することも可能になっています。
より使いやすくなったユーザー・インターフェース
全体的なユーザー・インターフェースも、基本デザインはそのままに、より使いやすく改良されています。まず、ウィンドウ右側のゾーンには、『メディア・セクション』、『CR(Control Room)セクション』、『メーター・セクション』という3つのセクションが新たに追加されました(『CRセクション』と『メーター・セクション』は、Cubase Proのみ)。『メディア・セクション』では各種メディア・ファイルの試聴やインポート、『CRセクション』ではキューやモニター・ミックスへのアクセス、『メーター・セクション』ではマスター/ラウドネス・メーターの表示ができ、ウィンドウを切り替えることなく、様々な情報を確認することが可能になっています。また、『ズームに適応』という新しいグリッド・モードも搭載。このグリッド・モードを使用すると、プロジェクトのズーム・イン/ズーム・アウトにロケーターのスナップ・レベルが自動的に追従するようになります。
ウェーブテーブル・シンセ「FLUX」を搭載
ユーザー期待の新プラグインですが、今回の目玉はHALion Sonic SE用のシンセサイザー・ライブラリー「FLUX」(Cubase Pro/Cubase Artistのみ)。「FLUX」は独自の波形を70種類以上搭載したウェーブテーブル・シンセサイザーで、強力なフィルターと豊富なモジュレーション・ソースにより、あらゆるタイプの音色を作り出すことが可能。パッドやリード、ベース、SE的な音色など、即戦力となるプリセットも100種類収録されています。
また、Cubase標準のプラグインの中でも特に人気の高い「Tube Compressor」「Vintage Compressor」「Magneto」の3種類がリニューアルされました(Cubase Pro/Cubase Artistのみ)。いずれもユーザー・インターフェースが刷新され、より使いやすくなっています。
「Cubase 9.5」は、本日22時より販売が開始されています。主な製品の価格は以下のとおりです。
- Cubase Pro 9.5:オープン・プライス(市場想定売価:61,560円/税込)
- Cubase Artist 9.5 :オープン・プライス(市場想定売価:34,560円/税込)
- Cubase Elements 9.5 :オープン・プライス(市場想定売価:12,960円/税込)
- Cubase Pro 9 → 9.5 Update:7,560円(税込)
- Cubase Pro 8.5 → 9.5 Update:18,360円(税込)
- Cubase 7〜8 → 9.5 Update:23,760円(税込)
- Cubase 4〜6.5 → 9.5 Update:34,560円(税込)
- Cubase Artist 9 → 9.5 Update:6,480円(税込)
- Cubase Artist 8.5 → 9.5 Update:15,120円(税込)
- Cubase Artist 6〜8 → 9.5 Update:21,600円(税込)
なお、2017年10月18日以降にCubaseをアクティベートした方は無償バージョン・アップ対象になるとのこと。詳しくは、SteinbergのWebサイトをご覧ください。