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原音の明瞭度をキープできる画期的な“アンマスク・リバーブ”、iZotope「Aurora」がデビュー…… 画像編集のマスク処理のようなリバーブが登場
iZotopeが新作プラグイン、「Aurora(オーロラ)」を発表。原音の明瞭度をキープしたまま、残響音を付加できる画期的な“アンマスク・リバーブ”の登場です。
先月リリースされたサチュレーター・プラグイン Plasmaに次ぐ、iZotopeの新しいプラグイン・シリーズの第二弾がリリースされました。緑色のUIが特徴的な「Aurora」は、6種類のアルゴリズム(ホール/ルーム/チェンバー/プレート/アンビエンス/大聖堂)を搭載したアルゴリズミック・リバーブ。元になっているのは、高く評価されているExponential Audio製リバーブ・アルゴリズムで、濃密で没入感のある残響音を生成します。ウィンドウ左側には、『Reverb』『Pre-Delay』『Decay』『Width』『Tone』という5種類のリバーブ・パラメーターが用意され、詳細なエディットにも対応。50種類以上収録されているファクトリー・プリセットを元に、自分好みのサウンドを作ることもできます。
そして「Aurora」の大きな特徴と言えるのが、『Adaptive Unmasking(適応型アンマスキング)』というインテリジェントな機能です。「Aurora」は、入力音の周波数分布を常時解析することで、“原音と被る帯域”の残響音を抑制することが可能。このユニークなアンマスク処理によって、たとえ深くリバーブをかけても、原音の明瞭度をしっかり保つことができるのです。画像編集ソフトには、特定の部分のみを抽出して、それ以外の部分を表示しない“マスク処理”と呼ばれる機能が備わっていますが、その発想をリバーブに応用した機能と言っていいでしょう。
もちろん、この『Adaptive Unmasking』機能も細かく設定することができ、アンマスク処理の量(Unmask)、アンマスク処理のアタック・タイムとリリース・タイム(Attack/Release)、アンマスク処理のスレッショルド(Sensitivity)といったパラメーターを搭載。パラメーター設定時に、アンマスク処理の差分だけをモニターすることも可能で、『Adaptive Unmasking』機能が不要であればオフにすることもできます。
インサート・エフェクトで使用しても、原音が濁らない画期的なリバーブ・プラグイン、「Aurora」。税込販売価格は8,500円で、iZotope製品ユーザー向けのクロスグレード版も6,300円で用意されています。かなりおもしろいリバーブ・プラグインですので、気になった方はぜひチェックしてみてください。