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LEWITT、自分の楽曲をさまざまな空間/ヘッドフォン/イヤフォンで“バーチャルに”再生できる、仮想音響空間プラグイン「Space Replicator」を発表
LEWITTが同社初となるDAW用プラグイン、「Space Replicator(スペース・レプリケーター)」を発表。「Space Replicator」は、自分の楽曲をスタジオやクラブ、カー・オーディオ、住宅のリビング、人気のヘッドフォン/イヤフォンなどで、“バーチャルに”再生できる画期的なプラグイン。通常価格15,950円のプラグインですが、13,200円のLCT 240 PROをはじめとするLEWITT製品を購入すれば、無償で入手することができます(つまりマイクを買った方がお得!)。
“仮想音響空間プラグイン”、LEWITT「Space Replicator」
昨年創立15周年を迎えたLEWITTは、音楽の都 オーストリア・ウィーンに拠点を置くマイクロフォン・メーカーです。CEOのローマン・パーション(Roman Perschon)氏は、あのAKGで長らく商品企画・販売を手がけてきた人物で、真空管とFETを共存させた新しいデザインのマイクロフォンを世に送り出すべく、2009年に自らのブランド=LEWITTを設立。レトロスペクティブではない未来志向の同社のマイクロフォンは、世界中のエンジニア/ミュージシャン/クリエイターから支持され、LCT 440 PUREやBEATKIT PROなど、多くのヒット商品を生み出しています。
昨年発売され、大きな話題になった“オート・フォーカス・マイク”、RAY
オーディオ・インターフェース CONNECTシリーズを発売するなど、このところ新しい展開を見せているLEWITTですが、遂にDAW用プラグイン市場にも参入してきました。本日リリースされた「Space Replicator」は、実在するスタジオ、クラブ、カー・オーディオ、住宅のリビング、人気のヘッドフォン/イヤフォンなどの響きをヘッドフォンで再現する、“仮想音響空間プラグイン”。プラグインと言っても、EQやリバーブのようなエフェクト・プラグインではなく、マスター・トラックにインサートして、自身の楽曲をさまざまな環境で“バーチャルに”再生し、その響きを確認(体験)するためのツールです。
さまざまな空間/ヘッドフォン/イヤフォンでの響きをバーチャルに再現できる
使い方は簡単で、DAW上でマスター・トラックの最後段にインサートし、モニターで使用するヘッドフォンのプロファイル(MDR-CD900など、600種類以上のプロファイルが付属)を選択するだけ。あとは『Spaces』タブに用意されている10種類の空間、あるいは『Headphones』タブに用意されている5種類のヘッドフォン/イヤフォンの中から任意のプリセットを選んで楽曲を再生すれば、さまざまな空間/ヘッドフォン/イヤフォンでの響きをバーチャルに確認することができます。
モニターで使用するヘッドフォンのプロファイルを選択。600種類以上のプロファイルが付属する
リリース・バージョンで用意されている『Spaces』プリセットは以下のとおりです。
- LEWITT Studio:LEWITT本社にあるメイン・スタジオ。68個の六角形型ディフューザーとアブソーバー、David Haigner製スピーカーが設置されています。
- LEWITT Studio B:LEWITT本社にあるミニマル・スタジオ。ミニマルなスタジオながら初期反射は最低限に抑えられ、サブ・ウーファーを組み合わせたニア・フィールド・スピーカーが設置されています。
- White Sea Studio:ミックスとマスタリング、両方の作業に対応したスタジオで、スピーカーはLennArt Audio Quasar Systemが設置されています。
- Vienna Synchron Stage A:世界的に有名なフィルム・スコアリング・スタジオで、上部のメニューから、ファーフィールド・スピーカーとミッドフィールド・スピーカーを選択することができます。
- Vienna Synchron Stage B:世界的に有名なフィルム・スコアリング・スタジオで、ミッド・フィールド・スピーカーが設置されています。
- Watergate Club:ナイト・クラブを再現するプリセットで、上部のメニューから、満員の状態のメイン・フロア/DJブース/満員の状態のDJブースを選択することができます。
- Car:車のカー・オーディオを再現するプリセットで、上部のメニューから、運転席/後部座席左側/後部座席右側を選択することができます。
- Living room:住宅のリビング・ルームを再現するプリセットで、上部のメニューから、音源を再生するデバイス(3種類のスマートフォンと2種類のノートPC)を選択することができます。
- TV room:住宅のテレビ・スペースを再現するプリセットで、上部のメニューから、テレビ内蔵のスピーカーかサウンドバーを選択することができます。
- Kichten:住宅のキッチンを再現するプリセットで、上部のメニューから、音源を再生するデバイス(2種類のBluetoothスピーカーとタブレット)を選択することができます。
リリース・バージョンに用意される10種類の空間
リリース・バージョンで用意されている『Headphones』プリセットは以下のとおりです。
- H-Max:おそらくApple AirPods Maxを再現するプリセット
- H-700:おそらくBose Noise Cancelling Headphones 700を再現するプリセット
- H-HXM5:おそらくSONY WH-1000XM5を再現するプリセット
- H-Pods Pro:おそらくApple AirPods Proを再現するプリセット
- H-Buds 2 Pro:おそらくSamsung Galaxy Buds2 Proを再現するプリセット
- Transparent:無色透明のプリセット
リリース・バージョンに用意される5種類のヘッドフォン/イヤフォン
さらに「Space Replicator」では、自分用のバイノーラル・プロファイルを作成して、利用することも可能になっています。バイノーラル・プロファイルというと、何だか難しそうですが、専用Webサイトからの指示に従って操作を行うだけで、10分程度で作成することが可能。自分用のバイノーラル・プロファイルを使用すれば、空間/ヘッドフォン/イヤフォンの響きをより高精度に再現することができます。
専用Webサイトで、自分用のバイノーラル・プロファイルを作成することも可能
「Space Replicator」は、Mac/Windows両対応で、VST3/AU/AAXの各フォーマットをサポート。単体での販売価格は15,950円ですが、冒頭で紹介したとおり、LEWITTのほとんどマイクロフォン/オーディオ・インターフェースを購入/登録したユーザーには無償で(!)提供されます。人気のコンデンサー・マイクロフォン、LCT 240 PROの販売価格は13,200円ですから、「Space Replicator」を単体で購入するのであれば、いっそのことマイクロフォンを買ってしまった方がいいと言えるでしょう。対象のマイクロフォン/オーディオ・インターフェースなど、さらなる詳細は国内代理店のメディア・インテグレーションのWebサイトをご覧ください。
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