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iZotope、Exponential Audio製歴代リバーブのサウンドを再現できるプレミアム・リバーブ、「Equinox」を発表…… Aurora/Cascadiaで好評のアンマスク機能も搭載
iZotopeが新作プラグイン、「Equinox(イクイノックス)」を発表。Exponential Audio製リバーブのサウンドを継承した、最上級の“プレミアム”リバーブ・プラグインが誕生しました。
iZotopeのフラッグシップ・リバーブ、「Equinox(イクイノックス)」
iZotopeがStratusやSymphonyで知られるExponential Audioを買収したのは2019年4月のこと。それから約6年、iZotopeの最新技術とExponential Audioのソフトウェア資産を融合したプラグインが満を持して登場しました。本日(2025年4月17日)、ダウンロード販売がスタートした「Equinox」は、音楽制作/レコーディングからオーディオ・ポストプロダクション、さらにはサウンド・デザインに至るまで、“音に残響を付加する”あらゆるニーズに対応するリバーブ・プラグイン。コンボリューション・リバーブではなく、伝統的なアルゴリズミック・リバーブで、5.1/7.1chサラウンドはもちろんのこと、最大9.1.6chのイマーシブ・フォーマットもサポートするプレミアム・リバーブです。
「Equinox」は、ゼロから開発されたプラグインではなく、世界中のエンジニア/クリエイターから高く評価されているStratus/Symphonyを元に開発されたリバーブ・プラグインです。iZotopeによれば、リアルで自然な残響を生み出すStratusのアルゴリズムと、クリエイティブで実験的な残響を生み出すSymphonyのアルゴリズムを統合するところから「Equinox」の開発はスタートしたとのこと。その結果、「Equinox」では両者のキャラクターが完全に保持されており、さらにはPhoenixやNIMBUS、R4といったExponential Audio製歴代リバーブのサウンドを再現することも可能になっています。
世界中のエンジニア/クリエイターから高く評価されているStratusとSymphony
Exponential Audio製リバーブのサウンドが継承されているだけでなく、魅力的な新機能も多数盛り込まれています。中でも最も強力なフィーチャーと言えるのが、Aurora/Cascadiaで好評の『Adaptive Unmasking(適応型アンマスキング)』機能の搭載。『Adaptive Unmasking』は、入力音の周波数分布を解析し、“原音と被る帯域”の残響音を抑制するインテリジェントな機能で、これによって深くリバーブをかけても、原音の明瞭度をしっかり保つことができます。画像編集ソフトには、特定の部分のみを抽出して、それ以外の部分を表示しない“マスク処理”と呼ばれる機能が備わっていますが、その発想をリバーブに応用した機能と言っていいでしょう。先述のとおり「Equinox」は、最大9.1.6chのマルチ・チャンネルに対応しているので(注:最大9.1.6ch対応はAvid Pro Toolsのみ。その他のDAWは最大7.1.2ch対応)、はたしてイマーシブ・ミックスで『Adaptive Unmasking』がどのように作用するのか、とても興味深いところです。
Aurora/Cascadiaで好評の『Adaptive Unmasking(適応型アンマスキング)』機能を搭載
アルゴリズミック・リバーブの大きな魅力は、ユーザー・サイドで細かくパラメーターを調整できる=オリジナルの残響を作り出せる点にあります。「Equinox」には多数のパラメーターが用意され、分かりやすいデザインのUIで、オリジナルの残響をじっくり作り上げることが可能。エフェクティブなサウンド・デザインにも対応し、無限ドローンを生成するフリーズ、広がり感を加えるコーラス、ゲート、テンポ同期(!)、テール・サプレッションといったクリエイティブ系パラメーターも充実。“リバーブのパラメーターなんか細かく調整したくない”という人のために、残響の明暗を素早く調整できるグローバル・トーン・コントロール(シンプルなティルトEQ)も用意されています。もちろん、Stratus/Symphony用のプリセットを含む1,250種類以上のファクトリー・プリセットが収録されており、複数のキーワードで検索できる強力なプリセット・ブラウザーも備わっています。
1,250種類以上のファクトリー・プリセットを収録
「Equinox」は、Mac(13.7.4以降/14.7.4以降/15.3.1以降)/Windows(10:22H2/11:24H2)に対応し、AAX/AU/VST3の各フォーマットをサポート(64bitのみ。VST2は非対応)。2025年4月30日23:59までのイントロ・プライスは、フル・バージョンが24,960円(通常:41,600円)、有料のiZotope/Exponential Audio製品ユーザー向けのクロスグレードが19,680円(通常:24,600円)、StratusあるいはSymphonyユーザー向けのクロスグレードが8,450円(通常:16,900円)、StratusとSymphony両方のユーザー向けのクロスグレードが6,800円(通常:8,500円)となっています。なお、「Equinox」のリリースに伴い、Everything Bundle/Music Production Suite/Post Production Suiteの各バンドルはバージョンが0.1上がり、「Equinox」が収録されるようになったとのこと。さらなる詳細は、メディア・インテグレーションのWebサイトをご覧ください。