DJ GEAR
Native Instruments、次世代DJソフトウェア「Traktor Pro 4」を発表…… ビルトイン・ドラム・マシン機能や、iZotope RXベースのステム分離機能を搭載
Native InstrumentsのDJソフトウェア、Traktorが約6年ぶりにメジャー・アップグレード。楽曲に同期できるビルトイン・ドラム・マシン機能(!)や、iZotope RX譲りのステム・セパレーション機能、iZotope Ozoneのマキシマイザー機能など、多くの新機能が盛り込まれたニュー・バージョン、「Traktor Pro 4(トラクター・プロ・フォー)」がデビューしました。
およそ四半世紀前、2000年に最初のバージョンがリリースされたTraktorは、パソコン用DJソフトウェアの先駆け的存在です。ターンテーブル&DJミキサーという伝統的なDJセットをベースにしながらも、ビート/キー検知、オートマチック・シンク、自動ゲイン・コントロールといったソフトウェアならではの機能を多数搭載。さまざまなタイプのハードウェア・コントローラーが提供されているのもTraktorの大きな特徴で、世界中の多くのDJたちに愛用されています。
本日リリースされた「Traktor Pro 4」では、前バージョンの基本機能/GUIはそのままに、先進的な機能が多数追加されました。まず、DJソフトウェアとしての基本性能を大きく向上させるのが、『Flexible Beatgrids』と名付けられた新機能。『Flexible Beatgrids』は、途中でテンポが変わる(あるいはテンポが揺れる)楽曲を高精度に同期させる機能で、ビート追従タイプのエフェクトもこれまで以上に正確にかけることが可能に。Native Instrumentsによれば、ジャズからディスコといったジャンルを跨いだDJプレイにも最適な機能とのことで、他のDJソフトウェアの同種の機能と異なり、オーディオの品質に影響を及ぼさない点もポイントとのことです。
そして「Traktor Pro 4」の目玉のフィーチャーと言えるのが、iZotopeのテクノロジーを取り入れた『Stem Separtion』と『Ozone Maximizer』という2つの機能。iZotope RXがベースになっている『Stem Separtion』は、ステレオ・ミックスの楽曲をドラム、ベース、上モノ、ボーカルに分離する機能で、これにより任意のパートだけを抜いてミックスすることが可能になります。分離した各ステムは波形で表示され、もちろん独立したフィルター/エフェクト処理にも対応。元になっているのはiZotope RXなので、非常に高い精度で分離できるのがポイントです。一方、『Ozone Maximizer』は、その名のとおりiZotone Ozoneのレベル・マキシマイザー機能。独自のインテリジェント・リリース・コントロールによって、不要な歪みを発生させることなく、音量/音圧を整えることが可能になっています。
もう1つ、「Traktor Pro 4」で追加されたのが、『Pattern Player』と名付けられた新機能。『Pattern Player』は、楽曲のテンポに合わせてリズム・パターンを鳴らすことができる“ビルトイン・ドラム・マシン機能”で、キックを足して楽曲の低域を補完したり、リズムの無い楽曲にドラムを足したりといったことが、Traktorだけで行えるようになります。代表的なドラム・マシンのサウンドはひととおり網羅されており、Rebekah、Luke Slater、Len Faki、Chris Liebing、Dubfireといったアーティストが制作したドラム・サウンドも多数収録。アイディア次第で、さまざまな使い方が考えられる新機能と言えそうです。
「Traktor Pro 4」のダウンロード販売は発表と同時に始まっており、フル・バージョンの価格は23,100円で、旧バージョンからのアップデート版の価格は11,600円。なお、これからTRAKTOR X1/TRAKTOR KONTROL S2/S3/S4/Z1といったハードウェアを購入した人には、「Traktor Pro 4」が無償で提供されるとのことなので、新規ユーザーはコントローラーを導入するのがお得な入手方法と言えるかもしれません。さらなる詳細は、メディア・インテグレーションのWebサイトをご覧ください。