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ボーカル・トラックをまったく違う声質の歌声、楽器演奏に変換できるクラウド・プラグイン、Sonarworks「SoundID VoiceAI」の国内販売がスタート
2012年に創設されたラトビアのテック・カンパニー、Sonarworks。同社の音場補正ソフトウェア、SoundID Referenceは、世界中の名だたるスタジオに導入されており、その自然で正確なキャリブレーションは、多くのエンジニア/クリエイターから高く評価されています。
そんなSonarworksが今年5月にローンチした新サービスが、「SoundID VoiceAI(サウンドアイディー・ヴォイスエーアイ)」です。「SoundID VoiceAI」は、最先端のAI技術を駆使して、DAW上の単旋律の音声を、まったく別の音声に変換(トランスフォーム)するクラウド・サービス。「SoundID VoiceAI」を使用すれば、ボーカルを異なる声質の歌声に変換したり、メインのボーカルからコーラス・パートを生成したり、鼻歌をトランペットやヴァイオリンの演奏に変換したりといったことが可能になります。
「SoundID VoiceAI」の使用方法はとても簡単で、DAW上で任意のオーディオ・トラックに“SoundID VoiceAI”プラグインをインサートし、変換後の音声モデルを選択するだけ。変換後の音声モデルは、人間の声のモデルが23種類、ギターやヴァイオリンといった楽器モデルが21種類用意されています(音声モデルは今後、さらに追加される予定とのこと)。そしてDAWを再生すると、“SoundID VoiceAI”プラグインに入力された音声がクラウド・サーバーに送信され、選択された音声モデルに従って“別の音声”に変換されます(処理時間は、実時間の約2.5倍程度とのこと)。DAW上の音声がクラウド・サーバーに送信されるということで、プライバシーが気になるという方もいると思いますが、業界標準の暗号化技術によって、完全にプライバシーは守られるとのこと。また、生成された“別の音声”は著作権フリーで、商用コンテンツであっても自由に使用できるとのことです。
「SoundID VoiceAI」は、従量課金制のクラウド・サービスとして提供されます(プラグイン自体は無料)。ユーザーは事前に「SoundID VoiceAI」で使用できるトークンを購入し、サービス利用料(音声変換料金)をトークンで支払うという仕組み。トークンは、『Small』(72,000トークン/3,800円)、『Medium』(180,000トークン/7,500円)、『Large』(360,000トークン/13,000円)という3種類のボリュームで販売されます。おおよその目安として、『Small』(72,000トークン)で約120分の音声変換、『Medium』(180,000トークン)で約300分の音声変換、『Large』(360,000トークン)で約600分の音声変換が実行できるとのこと。また、とりあえず試してみたいという人のために、7日間限定/9,000トークンのトライアル版も無償で提供されています(トライアル版でも約15分の音声変換が可能)。単旋律の音声を、まったく別の音声に変換きでる革新的なサービス、「SoundID VoiceAI」。さらなる詳細は、メディア・インテグレーションのWebサイトをご覧ください。