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革新的な『サンプリング・ロボット』によって、実在するピアノの個性をかつてないレベルで再現した超高品位ピアノ音源、IK Multimedia「Pianoverse」がデビュー
IK Multimediaが大型の新製品、「Pianoverse(ピアノヴァース)」を発表。革新的な『サンプリング・ロボット』を使用して開発されたという、IK Multimedia渾身の超高品位ピアノ音源の登場です。
IK Multimediaは本日(2023年9月28日)、「Pianoverse」と名付けられた新作音源を発売しました。「Pianoverse」は、ヤマハ CFIIIやBösendorfer 280VCといったアコースティック・ピアノの名器を、かつてないクオリティでサンプリングしたというピアノ音源。この製品のために世界各地から最高のコンディションのピアノが集められ、熟練の調律師によるチューニングを施した上で、時間をかけて丁寧にサンプリングされたとのことです。
しかし開発に着手してからすぐに、伝統的なサンプリングのやり方では、各ピアノが持つ個性を再現できないと感じたIK Multimediaは、人間に代わって鍵盤を打鍵するマシン=『サンプリング・ロボット』を開発。『サンプリング・ロボット』は、すべての鍵盤を最適なベロシティ・カーブで正確に打鍵を行うマシンで、これによってバラつきのある人間の打鍵をプログラミングで補正する必要がなくなり、本物のピアノが持つ自然な強弱表現を完璧に再現しています。
IK Multimediaは『サンプリング・ロボット』について、次のように紹介しています。
『サンプリング・ロボット』の設計には、高度なハードウェア技術、独自のソフトウェア技術、そしてその間を結ぶ職人技が必要でした。『サンプリング・ロボット』は、非常に精密で静かなリニア・モーターと、ゴムと3Dプリンター生成パーツの組み合わせによる弾性のあるアクチュエーターで構成されています。アクチュエーターはモーターから切り離されており、機械的な振動が打鍵する『サンプリング・ロボット』に伝わらないよう工夫され、アタックからリリースまで人間の指の繊細なタッチをシミュレートします。そして『サンプリング・ロボット』とマイクからの信号は、コントロール・ルームのコンピューターに接続されます。そこでは、独自のレコーディング・ソフトウェアにより、各ピアノならではの音の核心を捉えるように設定されたベロシティなどの情報と、各サンプルを紐づけした状態で記録されます。
実在するアコースティック・ピアノの音色を正確に再現する「Pianoverse」ですが、もちろん音色を構成する様々な要素を細かく調整することもできます。画面下部に用意されたパフォーマンス・コントロールでは、リリース、ハンマー・ノイズ、ペダル・ノイズ、弦の共鳴、蓋の開閉、音色の明暗といったパラメーターに設定に対応。サンプリング音源でありながら、物理モデリング音源のような音づくりが可能になっています。また、様々なタイプの残響を再現するユニークな機能、『空間ジェネレーター』も搭載。IK Multimedia独自のジェネレーティブ残響エンジンによって実現した『空間ジェネレーター』では、コンサート・ホールやスタジオ、クラブ、教会といったスタンダードな残響から、倉庫、金庫室、氷山、砂漠、火星(!)といった異質な残響まで再現することが可能。既存のリバーブ・プラグインとは一風変わった独特の残響を付加することができます(もちろん、『空間ジェネレーター』以外にも12種類の“クリエイティブ・エフェクト”が搭載されているので、これまでどおりのサウンド・メイクにも対応します)。
「Pianoverse」のラインナップは以下のとおりで、上の4製品は本日から、残りの4製品は後日リリースされるとのことです。
- Concert Grand YF3(ヤマハ CFIIIをサンプリング)
- Royal Upright Y5(ヤマハ U5 Uprightをサンプリング)
- Black Diamond B280(Bösendorfer 280VCをサンプリング)
- NY Grand S274(Steinway & Sons New York D-274をサンプリング)
- Black Pearl B200(Bösendorfer 200をサンプリング)
- Hamburg Grand S274(Steinway & Sons Hamburg D-274をサンプリング)
- Gran Concerto 278(bFazioli F278をサンプリング)
- Liberty Upright(Koch & Korselt Uprightをサンプリング)
「Pianoverse」は、Mac/Windows両対応で、VST2/VST3/AU/AAXの各プラグイン・フォーマットをサポート(スタンドアローン・アプリケーションとしての使用にも対応)。国内での販売価格は各20,140円で、発売記念イントロ価格は各15,490円となっています。また、「Pianoverse」の全製品を使用できるサブスクリプション・プランも用意されており、こちらの料金は14.99ユーロ/月、149.99ユーロ/年(イントロ料金。通常料金は179.99ユーロ/年)。さらなる詳細は、IK MultimediaのWebサイトをご覧ください。