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パソコン不要、スタンドアロンでAbleton Liveを使用できるPushがデビュー…… 音楽制作に集中できる夢のマシンが遂に登場
多くのクリエイターが夢見たマシンが、遂に現実のものになりました。パソコン不要、スタンドアロンで使えるAbleton Liveの登場です。
何年かに一度、衝撃的なプロダクトが登場する楽器の世界ですが、先ほどAbletonが発表した第三世代のPushもそんな製品と言っていいでしょう。本日(2023年5月23日)、発表と同時に販売が開始された第三世代のPushは、なんとスタンドアロンで(パソコンを接続することなく)Ableton Liveを使用できる、オール・イン・ワンの音楽制作デバイス。余計なソフトウェアが一切立ち上がらない“Ableton Live専用のPC”であり、曲づくりやパフォーマンスだけに集中できる画期的なマシンです。
パッと見、先代と見分けがつかない第三世代のPushですが、独自に開発された『Intel NUC Compute Element(Intelが提唱する小型PC規格に準拠したコンポーネント)』を搭載しているため、電源を入れれば内部で即座にAbleton Liveが立ち上がります。視認性に優れた大型のディスプレイには、アレンジメント・ビューやセッション・ビューが表示され、パソコン版Ableton Liveと同じように録音/編集/ミックスすることが可能。WavetableやOperatorといったインストゥルメント/デバイスも、もちろん使用することができます。背面にはオーディオ入出力、ADATデジタル入出力、MIDI入出力といった端子類を備え、モジュラーシンセ用のCV出力にも対応。バッテリーを内蔵しているので電源が無い場所でも使用することができ、Wi-Fi経由でパソコン版Ableton Liveとプロジェクトをやり取りすることもできます。
“スタンドアロンで使用できるAbleton Live”というだけでも衝撃的ですが、第三世代のPushのフィーチャーはこれだけではありません。8×8=合計64個のパッドは、なんとMPE(MIDI Polyphonic Expression)に対応。X軸とY軸で指の圧力と位置を検知するため、ベロシティ&アフタータッチのみの従来型コントローラーとは比較にならない表現力豊かな演奏/コントロールが可能になっています。たとえばドラム音源などは、本物のドラムと同じように叩く強さ/位置によって音色を変化させることが可能。Ableton Liveが立ち上がるということで、“スタンドアロンDAW”として捉えてしまいがちな第三世代のPushですが、Abletonは“スタンドアロン楽器”、“ハードウェア・インストゥルメント”としてアピールしています。
“中身はPC”ということで、将来性に不安を覚えた人もいるかもしれませんが、そこはさすがAbleton、製品のサスティナビリティも十分に考慮されています。第三世代のPushは、プロセッサー、ストレージ、バッテリーといったコンポーネントをユーザー自身の手で交換することができ、テクノロジーの進歩に合わせてスペックをアップグレードすることが可能。将来にわたって末永く使える仕様になっています。また第三世代のPushには、『Intel NUC Compute Element』を搭載していない(スタンドアロンでは使用できない)純粋なコントローラー・モデル(従来のPushの後継モデル)も販売されますが、Abletonは本年末にアップグレード・キットを提供することをアナウンス。アップグレード・キットを追加すれば、スタンドアロン・モデルとして使用することができます。
遂に登場した音楽制作のためのドリーム・マシン、第三世代のPush。当初の販売はAbletonのオンライン・ストアでのみで行われ、スタンドアロン・モデルの価格は258,000円、『Intel NUC Compute Element』を搭載していないモデルの価格は128,000円となっています(本年末に販売開始予定のアップグレード・キットの価格は138,000円)。なお、Abletonは第三世代Pushの発売を記念して、東京・中目黒のオフィス内にある『テックラウンジ・スペース』を開放するとのこと。『テックラウンジ・スペース』では、第三世代のPushを実際に試すことができるほか、そのまま購入もできるとのことです(『テックラウンジ・スペース』での購入者にはスペシャル・オファーも用意されているとのこと!)。さらなる詳細は、AbletonのWebサイトをご覧ください。