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ボス、小型デジタル・ミキサー「Gigcaster」を発表…… USBオーディオIFとしても機能、サンプルをポン出しできる『サウンド・パッド』も搭載
ボスが新製品、「Gigcaster(ギグキャスター)」シリーズを発表。USBオーディオ・インターフェースとしても機能する小型デジタル・ミキサーの登場です。
ボスから注目の新製品が登場しました。“オーディオ・ストリーミング・ミキサー”を謳う「Gigcaster」シリーズは、カラー・タッチ・スクリーンと物理フェーダーを備えたデジタル・ミキサー。アナログ6ch入力の「Gigcaster 8(GCS-8)」、アナログ4ch入力の「Gigcaster 5(GCS-5)」という2モデルがラインナップされ、型番の数字はチャンネル・フェーダーの本数に由来しているようです。内部サンプル・レートは48kHz固定で、AD変換は24bit、DA変換は32bit、内部処理は32bit浮動小数点というスペック。筐体サイズは、「Gigcaster 8」が横幅217×奥行き267×厚み80mm/1.36kg、「Gigcaster 5」が横幅177×奥行き216×厚み78mm/0.96kgと非常にコンパクトで、付属のACアダプターだけでなく、USBバス・パワーでも動作する仕様になっています。
アナログ入力は、「Gigcaster 8」はマイク入力に対応したXLR/フォーン兼用のコンボ端子を4系統、電子楽器やスマートフォンなどを接続できるステレオ・ミニ端子を1系統装備。「Gigcaster 5」はXLR端子のマイク入力を2系統、フォーン端子のライン入力を2系統備え、両モデルともマイク入力はファンタム電源供給にも対応し、前面にはエレクトリック・ギター/ベース接続用のHi-Z入力も装備しています(Hi-Z入力は、チャンネル1に接続)。アナログ出力は、メインのステレオ出力(フォーン端子)に加えて、「Gigcaster 8」は4系統(!)のヘッドフォン出力、「Gigcaster 5」は2系統のヘッドフォン出力を装備。ヘッドフォン出力のうち1系統は、CTIA準拠の4極仕様なので、マイク付きのヘッドセットを接続することもできます。そして「Gigcaster」シリーズは、USBオーディオ・インターフェース機能を搭載しているので、パソコンからの出力や、さらにはBluetooth接続したデバイスからの出力も、フェーダーを使ってミックスすることが可能。USBオーディオ・インターフェース機能は、各チャンネルの入出力とミックス出力が個別に送受信され、「Gigcaster 8」は20ch入力/14ch出力、「Gigcaster 5」は16ch入力/12ch出力という仕様になっています。
「Gigcaster」シリーズの大きな特徴の1つが、高品位なプロセッサー/エフェクトを搭載している点です。入力チャンネルには、4バンドEQ(2バンドはパラメトリック仕様)、ローカット・フィルター、ハイカット・フィルターに加えて、多機能なマルチ・エフェクトを搭載。マルチ・エフェクトは、ギター用の『GUITAR』、ボーカル用の『SING』、会話用の『TALK』、ミックス用の『CONSOLE』という4つのカテゴリーに分類され、これとは別にセンド・リバーブやダイナミクスなども搭載しています。
もう1つの大きな特徴が、サンプルを手動でポン出しできる『サウンド・パッド』機能の搭載。『サウンド・パッド』機能では、最大64種類(8バンク×8パッド)のWAVファイルを、「Gigcaster 8」では筐体下部の物理パッドから、「Gigcaster 5」では専用アプリのパッドから自由に再生することができます。用意されているパラメーターも豊富で、ワン・ショット再生、ループ再生、リバース再生、半音単位でのピッチ・シフト、フェード・イン/アウト、エフェクト・センドなどを設定することが可能。サンプルと同時に、MIDIコントロール・チェンジ情報を出力することもでき、アイディア次第でさまざまな使い方が考えられる機能と言っていいでしょう。
その他、microSDカードへのレコーディング機能(「Gigcaster 8」のみ)や、チューナー機能なども装備した新感覚デジタル・ミキサー、「Gigcaster」シリーズ。主にライブ配信をターゲットに開発されたデジタル・ミキサーのようですが、どことなくteenage engineering TX-6に似た感じもあり、通常の音楽制作でも便利に使えるデバイスという印象です。国内での販売は2023年4月29日から開始され、税込市場想定価格は「Gigcaster 8」が85,800円、「Gigcaster 5」が58,850円となっています。さらなる詳細は、ボスのWebサイトをご覧ください。