DAW & PLUG-IN
Ableton、iOS用音楽制作アプリ「Note」を発表…… アイディアを素早く記録できる、音楽クリエイターのための“スケッチ・アプリ”がデビュー
AbletonがiOS用音楽制作アプリ、「Note(ノート)」を発表。場所を選ばずに曲のアイディアを記録できる、音楽クリエイターのための“スケッチ・アプリ”の登場です。
Abletonから、Live、Pushに続く第3の製品、「Note」がデビューしました。本日(2022年10月18日)App Storeで配信が開始された「Note」は、iPhoneやiPadで気軽に曲づくりが行える音楽制作用アプリ。音楽制作用アプリと言っても、いわゆるDAWのような機能てんこ盛りのアプリではなく、“曲のアイディアを素早く記録する”ことに特化した新しいコンセプトのアプリです。ユーザー・インターフェースはタッチ・スクリーン操作のスマートフォン/タブレットに最適化され、フレーズやパターンはタッチ/ドラッグ操作で直感的に入力することが可能。いちいち録音ボタンをタップしなくても、入力した内容は常に記録されているため、思いがけずできた良いフレーズ/パターンを逃しません。余計な機能は徹底的に省かれている「Note」ですが、実装されている音源は本格的で、261種類のシンセサイザー音源、36種類のメロディック・サンプル音源、56種類のドラム・サンプルを収録。もちろん音色のエディットも可能で、iPhone/iPadの内蔵マイクを使用したサンプリングにも対応しています。そして「Note」に書き留めた曲のアイディアは、無料のクラウド・サービス『Ableton Cloud』を使って、Liveにそのまま受け渡すことが可能。フレーズ/パターンだけでなく、音色やサンプル、エフェクト設定などもすべて維持された状態でLiveに送られるので、アイディアを損なわずに曲づくりを進めることができます。
「Note」で作成した楽曲はLive同様、セット(Noteセット)として扱われます。セットで使用できるトラック数(音源の数)は最大8で、トラックごとに最大8つのクリップ(フレーズ/パターン)を記録することが可能。記録したクリップは、Liveと同じようにセッション・ビューで再生/アレンジすることができます。
各トラックにはドラム・キットあるいはメロディー楽器、いずれかの音源を設定することができます。音源を選択したら、セッション・ビューの“+”ボタンをタップし、下半分のタッチ・パッドを使ってフレーズ/パターンを入力。タッチ・パッドの機能は、音源がドラム・キットの場合は4×4のグリッド、あるいは縦方向でベロシティを入力できる1パッドを切り替えることができます(ハイハットなどを入力する際に便利な、指定した音符の間隔で連打できるリピート機能も搭載)。一方、音源がメロディー楽器の場合は、5×5の音階グリッドと上下2段のキーボードを切り替えることが可能。もちろん、オクターブを切り替えることもでき、ドラム・キット音源同様にリピート機能も備えています。
秀逸なのが、先述のとおりタッチ・パッドの操作が常に記録されているところ。タッチ・パッドを操作すると(音源を演奏すると)、上部には入力したフレーズ/パターンがピアノ・ロールで表示されます。気に入ったフレーズ/パターンができたら、下の“クリップを作成”ボタンをタップするだけで、クリップ化することが可能。新規セットの場合は、最初のクリップのビートを検知して、「Note」が自動でテンポを設定します。
音色はタッチ・パッド上部のタブでエディットすることができ、最大2種類のエフェクトをかけることも可能。また、iPhone/iPad内蔵マイクを使用したサンプリングにも対応しており、発音タイミングなども波形のドラッグ操作で調整できます。トラックごとの音量調整/ミュート/ソロなどが行えるミキサーも用意され、曲が完成したらWAV/M4A形式でエクスポートすることが可能。Liveユーザーなら、新たにローンチされたクラウド・サービス『Ableton Cloud』経由でセットを受け取り、そのままLiveで曲づくりを進めることができます(Live 11.2.5以降が必要です)。
曲のアイディアを素早く記録できる、音楽クリエイターのための“スケッチ・アプリ”、Ableton「Note」。iPhone/iPadに対応、App Storeでの販売価格は1,000円となっています。さらなる詳細は、AbletonのWebサイトをご覧ください。