
MODULAR SYNTH
8ボイスの完全なポリフォニック・シンセ、Knobula「Poly Cinematic」がデビュー…… Supersaw波形、MIDI対応、リバーブも搭載
先月(2021年9月)開催された世界最大のシンセサイザーの祭典、『SUPERBOOTH』。約2年半ぶりの開催とあって多くの新製品がお披露目されましたが、新作Eurorackの中で特に目を惹いたのが「Poly Cinematic(ポリ・シネマティック)」というモジュールです。

Knobula「Poly Cinematic」
イギリス・ロンドンの新興メーカー Knobulaが開発した「Poly Cinematic」は、8ボイスのポリフォニック・オシレーター。ポリフォニック・オシレーター自体、今や珍しいものではありませんが、「Poly Cinematic」はマルチ・モード・フィルター、ADSRエンベロープ、デジタル・リバーブを搭載した“完全なシンセ・ボイス”というのがユニークなところ。MIDI入力にも対応した8ボイス仕様のポリフォニック・シンセサイザー、それが「Poly Cinematic」なのです。
音源となるデジタル・オシレーターは、ボイスあたり7オシレーターの『Supersaw』、ボイスあたり3オシレーターの『Square』、サイン波ベースのオルガン・トーン『Tonewheel』の3種類の波形を搭載。また、それぞれ3種類の発音モードを選択でき、ピッチ/ファイン・チューンのほか、ユニゾン〜5th〜オクターブで連続的にデチューンすることもできます。12dB/Octのフィルターは、ローパス/ノッチ/ハイパスを切り替えられるマルチモード仕様で、ADSRエンベロープでカットオフをモジュレートすることも可能。最上部に搭載されたADSRエンベロープは、アタックとリリースは専用のノブが用意されていますが、ディケイとサスティンは共有のノブで、左側に回してディケイ・タイム、右側に回してサスティン・レベルを設定するというユニークな仕様になっています。そして「Poly Cinematic」の大きな特徴であるコード機能ですが、MIDI端子に入力したコードを最大8種類メモリーすることが可能。メモリーしたコードは『Chord Select』で選択できるため、V/Oct入力と合わせて、CVでコード演奏ができるようになっています(もちろん、MIDI入力を使えばダイレクトにコード演奏ができます)。
横幅12HPのコンパクトなポリフォニック・シンセサイザー、「Poly Cinematic」。価格は320ポンド(約49,000円)で、最初のバッチは即完売してしまったようですが、近々次のバッチが出荷されるもよう。さらなる詳細は、KnobulaのWebサイトをご覧ください。
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