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NAMM 2021: コルグ、歴史的名機“miniKORG”を復刻した「miniKORG 700FS」を発表…… 音色メモリー機能やスプリング・リバーブなども搭載
2021年1月18日から22日にかけて開催されるオンラインの楽器ショー、『NAMM BELIEVE IN MUSIC』。その開幕を前に、コルグが新製品「miniKORG 700FS」を発表しました。

手前が「miniKORG 700FS」、奥がオリジナルのminiKORG 700
今から半世紀近く前、1973年に発売されたコルグ初の量産型シンセサイザー、miniKORG 700。本日発表された「miniKORG 700FS」は、miniKORG 700の改良モデル、miniKORG 700S(1974年発売)を忠実に復刻した製品です。開発は実機の設計者である三枝文夫氏の監修のもとで行われ、miniKORG 700/miniKORG 700Sの特徴的な機能である『トラベラー・コントローラー』も忠実に再現。上部のスライダーでローパスのカットオフ、下部のスライダーでハイパスのカットオフをコントロールする『トラベラー・コントローラー』は、ワウのような独特なフィルター・サウンドを生み出すことができる機能です。「miniKORG 700FS」では、こうしたオリジナルの機能を完璧に再現した上で、筐体サイズなどの制約によって当時搭載できなかったスプリング・リバーブ、ジョイスティック、アフター・タッチといった機能も追加。さらには14種類の音色を保存できるメモリー・プログラム・ボタンや、MIDI入力、USB端子、CV/Gate入力、シンク入出力なども装備しています。

ユニークな音色を生み出せる『トラベラー・コントローラー』も完璧に再現
コルグは2021年の今、miniKORG 700Sを復刻した理由について以下のように述べています。
コルグはprologueやminilogueなど、現代においてもアナログ・シンセサイザーの開発を行っていますが、そのきっかけとなったのはminiKORG 700の存在でした。それはアナログ回路をDSPなどICの計算機によって再現するアナログ・モデリング技術では、miniKORG 700から生み出される音の本当の美しさ、本当の凄さを実現できなかったからです。アナログ回路の設計には机上の知識も大事ですが、加えて実際に回路を組んだらどうなるかを理解するには、多くの経験が必要になります。若い技術者による新世代アナログ製品monotron発表(2010年)から10年。回路図に描かれた設計者の想いを理解するための時間を重ねたことで、今、ようやくここに辿り着くことができました。さらにオリジナルを設計した三枝文夫から直接アドバイスを受けることで、回路図に描かれていない部分まで正しい形で継承されています。このminiKORG 700FSによって、私たちがずっと目標にしてきた本物のアナログ・サウンドの美しさ、凄さを体感して欲しいと願っています。

完全限定生産の「miniKORG 700FS」。専用ハード・ケースも付属
「miniKORG 700FS」の主な特徴は、以下のとおりです。
- 1974年に発売されたminiKORG 700Sを忠実に復刻
- 完全限定生産。限定モデルに相応しい専用ハード・ケースが付属
- スプリング・リバーブ、ベンド/モジュレーション用のジョイスティック、アフター・タッチ、アルペジエーターなど、筐体サイズの制約から当時は難しかった機能を追加
- 14種類の音色を保存できるメモリー・プログラム・ボタン
- ステレオ・オーディオ出力(TRSフォーン)、ヘッドフォン出力(ボリューム・ノブ付き)、オーディオ入力(TSフォーン)、MIDI入力、USB端子、CV/Gate入出力、シンク入出力
- 横幅744mm×奥行き280mm×高さ122mm/重量8.5kg
シンセサイザー史に残る名機の奇跡のレプリカ、「miniKORG 700FS」。発売は2021年6月予定で、販売価格は未定となっています。さらなる詳細は、コルグのWebサイトをご覧ください。