
MODULAR SYNTH
Endorphin.es、TR-909インスパイアのドラム音源、「Queen of Pentacles」を発表…… デジアナ・ハイブリッド音源を搭載
Endorphin.esが、Eurorackモジュールの新作「Queen of Pentacles(クイーン・オブ・ペンタクル)」を発表しました。

Endorphin.es「Queen of Pentacles」
9月9日=909dayに合わせて発表された「Queen of Pentacles」は、TR-909インスパイアのアナログ音源と、ユーザー・サンプルの再生にも対応した4基のサンプル音源を併装した、ハイブリッド設計のドラム音源モジュール。Blck_Noirに続くEndorphin.es製ドラム音源モジュール第2弾となる製品であり、よりダンス・ミュージック/クラブ・オリエンテッドなサウンドとなっているのが特徴です。
完全ディスクリート回路で組まれたアナログ音源は、キック、スネア、クラップの3音色で構成され、それぞれに固定帯域幅の“LSRFバイナリー・ノイズ・ジェネレーター”を搭載。このLSRFバイナリー・ノイズ・ジェネレーターは、トリガーごとにスペクトルが変化する設計になっており、発音のたびに微妙に異なるフレーバーのサウンドが得られる点が特徴です。一方のサンプル音源は4音色で、モジュール裏のSDカードから直接サンプルを再生する仕様。サンプル・フォーマットは16/24bitのWAVで、ベルリンのテクノ・プロデューサー Nicolas Bougaïeff(あのLiine Lemurの共同開発者)が制作したファクトリー・サンプルが4バンク/合計32種類収録されています。ファクトリー・サンプルの中には、TR-909/TR-707の音源と同じPaiste製602 15インチ・ハイハットと18インチ・シンバルの新録サンプル(!)も含まれ、もちろんSDカードにデータを保存すればユーザー・サンプルを使用することも可能(最大8バンク)。ハイブリッド音源ということで気になるのがサンプル音源のレーテンシーですが、アナログ音源のキックと比較して10〜20マイクロ秒まで抑えられているとのことです(Endorphin.esは、“ゼロ・レーテンシー”と謳っています)。

SDカード・スロットは、モジュールの背面に装備
中央の大きなノブは、アイソレーター・スタイルのローパス/ハイパス・フィルター(レゾナンス付き)で、一定レベル以上の設定でサチュレーションするマスターVCAも装備。そして最終段にはGrand Terminal/Blck_Noir/Milkywayと同じ2バンク/合計16種類のデジタル・マルチ・エフェクト(Airways/Darkwaves)も備え、出力はステレオ仕様になっています。
横幅30HPながら、3種類のアナログ音源と4種類のサンプル音源、さらにはデジタル・マルチ・エフェクトを備え、スペース・ファクターも非常に良いと言える「Queen of Pentacles」。出荷は本日より開始されており、北米での販売価格は650ドル/ヨーロッパでの販売価格は549ドルとなっています。さらなる詳細は、Endorphin.esのWebサイトをご覧ください。