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SYNTH & MACHINE

西海岸と東海岸の音色合成テクニックを融合した新感覚デスクトップ・シンセ、Majella Audio「IMPLEXUS」

オランダ・ユトレヒトのモジュラー・メーカー Majella Audio(マジェラ・オーディオ)が、同ブランド初となるスタンドアローンのシンセサイザー、「IMPLEXUS(インプレクサス)」を発表。大きな注目を集めています。

Majella Audio - IMPLEXUS

Majella Audio「IMPLEXUS」

ベロシティ用CV入力を備えたユニークなVCA、“VVCA”で一昨年、モジュラーの世界に参入したMajella Audio。これまで4種類のモジュールを発表している同ブランドの新製品は、Eurorackではなくスタンドアローンのシンセサイザーでした。間もなくKickstarterで予約販売が開始される「IMPLEXUS」は、デスクトップ・スタイルのアナログ・シンセサイザー。そのコンセプトは、“ウェストコーストとイーストコースト、2つの伝統的な音色合成テクニックの融合”とのことで、一般的な減算合成のシンセサイザーとは一味違った音づくりが可能になっています。

Majella Audio - IMPLEXUS

「IMPLEXUS」のフロント・パネル。左半分がオシレーター、右半分がフィルター/モジュレーター/ディレイ

Majella Audio - IMPLEXUS

「IMPLEXUS」のリア・パネル。モジュラーシンセと連携できるパッチ端子も装備

IMPLEXUS」のパネルは、左半分がオシレーター、右半分がフィルター/モジュレーターというレイアウトになっており、右上にはディレイも装備。音源となるのは、ウェストコースト・スタイルのコンプレックス・オシレーターで、“BASIC GENERATOR”と“COMPLEX GENERATOR”という2基のオシレーターを搭載。“BASIC GENERATOR”をモジュレーターとするリニアFMは、両オシレーターにオクターブ・スイッチが備わっているので、音づくりもしやすそうです。そして「IMPLEXUS」の肝となるのが、“COMPLEX GENERATOR”に備わった『HARMONICS』と『FOLDER』という2つのノブで、倍音構成を変えるのと同時に波形の折り返し処理が可能。まさしくウェストコーストな(Buchla 259的な)ウェーブ・シェイピング機能であり、リニアFMと合わせて、フィルターに頼らずに複雑な音色を作り出すことが可能になっています。

オシレーターの出力はフィルターに送られますが、特徴的なのがその前段で、2基のオシレーターとサブ・オシレーター(“COMPLEX GENERATOR”のサブ出力)の出力をミックスできる点。このあたりはオシレーター・セクションの構成とは変わって、イーストコーストな(Minimoog的な)デザインと言えそうです。モジュレーターは、5種類の波形を選択できるLFOを2基、これもまたイーストコースト・スタイルのADSRエンベロープ・ジェネレーターを2基(モジュレーション用/アンプ用)備え、モジュレーション用EGはループ・スイッチ、アンプ用EGはドローン・スイッチを装備。“COMPLEX GENERATOR”の各パラメーターやピッチ、フィルター・カットオフを自由にモジュレートすることができます。2基のLFOはクロックに同期させることもでき、下のスイッチでクロックをディバイドすることも可能。クロック・ディバイダーはディレイにも備わっており、スイッチひと押しでサウンド/フレーズに変化を付けられるこの仕様は、音づくりだけでなくライブ・パフォーマンスでも活躍してくれそうです。そして「IMPLEXUS」の大きなフィーチャーと言えるのが、オシレーターの主要パラメーターやLFOのノブに“LEDリング”が備わっている点。LEDリングは、音に合わせてVUメーターのように変化するビジュアライザーで、音色の変化を視覚的に把握できるようになっています。

IMPLEXUS」の主な特徴は、以下のとおりです。

基本“1操作子=1機能”で、直感的に操作できるデザインもアピール・ポイントになりそうな「IMPLEXUS」。さらなる詳細は、Majella AudioのWebサイトをご覧ください。

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