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ゲーム機のようにエフェクトを入れ替えられるストンプ、COOPER FX「ARCADES」…… DSPクロックを変化させることも可能
昔のビデオ・テープのようなローファイ感を醸し出すストンプ、GENERATION LOSSで、一躍その名を世界に知らしめたCOOPER FX。愛犬家のトム・マジェスキ(Tom Majeski)氏が2015年にスタートさせた、アメリカ・ミネアポリスの新興ガレージ・メーカーです。いま、最も注目すべきストンプ・メーカーのひとつであるCOOPER FXが、待望の新製品「ARCADES(アーケード)」を発表しました。
長い開発期間を経て、いよいよ出荷が開始される「ARCADES」は、装着したカートリッジによってその機能(つまりはエフェクト)が決定するマルチエフェクト・プラットホーム。発売と同時に、“Reverb”、“Delay”、“Pitch”、“Lo-Fi”という4種類のカートリッジが提供され、そう遠くない将来、名機GENERATION LOSSのアルゴリズムを移植したカートリッジや、他のストンプ・メーカーとコラボレーションしたカートリッジ(!)など、オプション・カートリッジが続々と発売される予定とのこと。カートリッジでエフェクトを入れ替えられるゲーム機のようなストンプ、それが「ARCADES」なのです。
最初に提供される4種類のカートリッジは、それぞれ8つのアルゴリズムを選択でき、スタンダードなリバーブからアナログ感あふれるエコー、お得意のローファイ・サウンドに至るまで、さまざまなタイプのエフェクトが用意されています。高音質でありながら、どこかノスタルジックな質感を持ったサウンドは、COOPER FXならではのものと言っていいでしょう。白色の4つのノブに割り当てられるパラメーターは、選択したアルゴリズムによって変化し、中央に備わったOLEDディスプレイと合わせて、直感的に操作することが可能。さらに4つのエフェクト・パラメーターとは別に、4つのシステム・パラメーターも用意されており、その中のひとつ『Clock』では、DSPの動作周波数をkHz単位で変化させる(!)ことも可能になっています。『Clock』を高い値に設定すれば、当然サウンドはクリアになり、逆に低い値に設定すれば、高域が落ちてエフェクト音も滲むように。同時にテープ・スピードを落としたかのようなピッチ・シフトも発生し、エフェクト・パラメーターのレンジやランダム要素の動作も変化するとのこと。同じアルゴリズム&同じパラメーター設定でも、『Clock』によって多彩なサウンドを生み出せる点は、「ARCADES」の大きな特徴と言っていいでしょう。
設定はプリセットとしてカートリッジ内に保存することができ、すべてのパラメーターは外部からのMIDIコントロールにも対応。自由にアサインできるエクスプレッション入力も備えているので、ペダルだけでなくモジュラーシンセのCVから任意のパラメーターを操作することも可能になっています。
“Reverb”カートリッジと“Delay”カートリッジが付属する「Ambient Package」と、”Pitch”カートリッジと“Lo-Fi”カートリッジが付属する「Experimental Package」という2種類のパッケージで販売される大注目のストンプ「ARCADES」。それぞれ希望小売価格は38,000円(税別)で、国内では2020年6月初旬に販売開始予定とのこと。極めて生産数が少なく、新しいバッチが販売されるとすぐに完売してしまうCOOPER FXの新作だけに、気になる方は早めの予約が吉かもしれません。さらなる詳細は、アンブレラカンパニーのWebサイトをご覧ください。