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Doepfer A-110-1を元に開発されたソフト・シンセ、SampleScience「Modular Synth VCO」の無償配布がスタート…… 鋸波コアならではの音色がDAWで利用可能に
SampleScienceが新開発のソフトウェア・インストゥルメント、「Modular Synth VCO」の無償配布をスタート(Mac/Windows対応、VST/AUをサポート)。「Modular Synth VCO」は、ユーロラックの古典的なオシレーター、Doepfer A-110-1を元に開発された大変ユニークなソフト・シンセです。
現在、世界的に流行しているユーロラック・フォーマットのモジュラーシンセ。3U(1U)サイズの“モジュール”を自由に組み合わせて、自分だけの音源/サウンド・システムを構築できることから、多くのアーティスト/クリエイターから支持を集めています。ユーロラック・フォーマットは1995年、ドイツのシンセサイザー・メーカー Doepferによって考案され、翌1996年に最初の製品、A-100シリーズが発売になりました。今回リリースされた「Modular Synth VCO」は、A-100シリーズの最初のオシレーター・モジュールであり、最もスタンダードな音源/モジュレーション・ソースと言えるA-110-1を元に開発されたソフト・シンセです(正確には、最初にA-110というモデルがあり、A-110-1はその後継モジュールとなります)。
Dopefer A-110-1は、4つの出力(鋸波/矩形波/三角波/サイン波)を備えたシンプルなオシレーター・モジュールです。5段階でオクターブ・レンジを切り替えることができ、ソフト・シンク/リニアFM/PWMに対応。一番の特徴は、オシレーターのコア(発振器)が三角波ではなく鋸波という点で、これによって三角波コアのオシレーターと比べると少々歪な三角波/サイン波となっています。従って、できるだけきれいな(滑らかな)波形が必要な用途には不向きですが、音色的には三角波コアのオシレーターとは異なる独特のキャラクターがあり、SampleScienceはそこに着目して今回のソフト・シンセを企画したのではないかと思われます。
「Modular Synth VCO」は、機能的にはシンプルで、オシレーター → フィルター → VCA → エフェクトという内部構成になっています。オシレーター波形は、A-110-1同様に鋸波/矩形波/三角波/サイン波の4種類の中から選択でき、フィルターはローパスとハイパスを切り替え可能(レゾナンスはなし)。モジュレーション・ソースは、アンプ専用のADSRエンベロープと5種類の波形を選択できるLFOの2つを搭載し、LFOはピッチ/パン/エクスプレッションのいずれかにアサインできます。エフェクトは、ディストーション/ディレイ/コーラス/リバーブの4種類で、オシレーターの出力レベルを設定できる『PREAMP』コントロールも装備。音量の上限(CEILING)と下限(FLOOR)を設定できる『AMP RANGE』というパラメーターを備えているのもユニークです。
ユーロラックの古典的オシレーター、Dopefer A-110-1の味わい深い音色を元に開発されたユニークなソフト・シンセ、「Modular Synth VCO」。無償でダウンロードできますので、ぜひチェックしてみてください。