MODULAR SYNTH
Moog Music、1971年に発売した「Model 10」を復刻…… 伝説のモジュラーシンセが再び新品で入手できるように
Moog Musicが、「Model 10(モデル・テン)」の再生産を発表。伝説のモジュラー・シンセサイザーが再び新品で入手できるようになりました。
ボブ・モーグ(Bob Moog)博士が1971年に完成させた「Model 10」は、Model 15の前身となる、Moog Music初のコンパクトな(縦型キャビネットの)モジュラー・シンセサイザーです。Tolexで覆われた堅牢な木製キャビネットには、ウェンディ・カーロス『スイッチト・オン・バッハ』や冨田勲『月の光』で使用された900シリーズ・オシレーターや、有名なサウンド・シェイパー 907 Fixed Filter Bankなど、独立した11基のアナログ・モジュールを搭載。シンプルな構成ながら、柔軟で広範な音作りに対応する電子楽器に仕上げられています。
2019年に期間限定で再生産された「Model 10」ですが、多くの人からのリクエストに応える形で、細部をブラッシュ・アップした2022年モデルとして復活。2022年モデルと言っても基本設計や製造方法はオリジナル「Model 10」と同一であり、アメリカ・ノースカロライナ州アッシュビルのMoog Musicの工場で、1台1台手作業で生産されます。気になるのが2022年モデルの改良点ですが、まず内蔵電源の電圧が選択式になり(100V/120V/220V/240V)、それに合わせてリア・パネルのデザインも変更になっているとのこと(新しいタイプの電源スイッチ、電源ランプ、電源入力端子、アース用ラグ、電圧選択スイッチを搭載)。また、キャリブレーションとチューニングの安定性も向上し、2022年モデルではチューニングがほとんど狂うことなく、出荷時の厳密なキャリブレーションが保持されるとのことです。
再生産「Model 10」の出荷は既に始まっており、北米のショップでの販売価格は11,999ドル(現在の為替レートで約174万円)。2019年に再生産されたときの販売価格は9,999ドルでしたので、昨今の部材価格の高騰を受けて、約17%の値上げになっているようです。さらなる詳細は、Moog MusicのWebサイトをご覧ください。