RETRO PC & GAME
Commodore Amiga用の新しいサンプラー・カートリッジ、「Open Amiga Sampler」がオープンソースで公開
“echolevel”名義で活動を行うイギリスのプログラマー、ブレンダン・ラトリフ(Brendan Ratliff)氏が、自身のGitHubで新プロジェクト「Open Amiga Sampler(オープン・アミーガ・サンプラー)」を公開。「Open Amiga Sampler」は、Commodore Amiga用の新しいサンプラー・カートリッジです。
1980年代から1990年代にかけて、ゲーム・マシン/クリエイティブ・ツールとして人気を集めたパーソナル・コンピューター、Amiga。現在も愛好家は多く、Web/SNS上には数え切れないくらいのコミュニティーが存在し、新しいソフトウェアやハードウェアの開発も活発に行われています。しかしここ数年、チップチューンやビデオ・シンセサイザーの流行によってAmigaに興味を持つ人が増えたからか、本体を含む関連製品が中古市場で高騰し、保守用パーツも入手困難になるという事態が発生。運良くAmigaを手に入れることができたとしても、音楽制作/映像制作で実用にならないという問題が起きていました。
そんな状況を受けてラトリフ氏が立ち上げたのが「Open Amiga Sampler」で、このDIYプロジェクトでは、Amiga用サンプラー・カートリッジの自作に必要な回路図、パーツのリスト、関連書類をオープンソースで公開。自分で工作する必要はあるものの、これによって入手が難しくなっているAmiga用サンプラー・カートリッジを容易に手に入れることが可能になります。「Open Amiga Sampler」は、Amigaのパラレル・ポートに装着して使用するサンプラー・カートリッジで(ラトリフ氏いわく、この類のペリフェラルは“カートリッジ”と呼ばれるものの、実際には“ドングル”という呼称の方が相応しいとのこと)、ProTracker 1.2/2.3D/2.3F、AudioMaster III、MasterSound 1.1、MED 3.22、TrashTracker、MegaloSound 1.39、StereoMaster 1.1など、ローエンド〜ミドル・クラスの8bitサンプラー・カートリッジが動作するソフトウェアにはほぼ対応するとのこと。オーディオ入出力のクオリティーは、8bit/モノ/最高サンプル・レート52kHz/可変入力ゲインという仕様で、これは安価なAmiga用サンプラー・カートリッジの平均的なスペックとのことです。回路構成はシンプルで、使用するパーツは、8bitのADコンバーター・チップ、電圧制御のスイッチング・チップ、2つの抵抗とコンデンサー、25pinのパラレル・ポート・コネクターを含む小さなPCBですべてとのこと。各パーツの価格も安いので、低予算で製作できると紹介されています。
2020年に登場したAmiga用の新しいサンプラー・カートリッジ、「Open Amiga Sampler」。GitHubには、その成り立ちや回路構成を詳細に解説したテキストが掲載されていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。