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ローランド、『Roland Cloud』を日本でも正式にスタート…… 無償でも利用できる強力なソフト音源「ZENOLOGY」も発表
ローランドは本日、『Roland Cloud(ローランド・クラウド)』を日本でも正式にスタートしました。同時にソフトウェア音源の新製品、「ZENOLOGY(ゼノロジー)」も発表。VST/AU/AAXに対応した「ZENOLOGY」は、JUPITER-Xや現行FANTOMと同じサウンド・エンジン『ZEN-Core』を搭載した、強力なソフトウェア音源です(無償で利用できるライト・バージョンも用意されています)。
きっと多くの人が待ち望んでいたであろう『Roland Cloud』が、遂に日本でも正式にスタートしました。ローランドが約2年半前にローンチした『Roland Cloud』は、ソフトウェア音源や高品位なサンプル/サウンドを提供するクラウド・サービス。同種のクラウド・サービスは他にもありますが、『Roland Cloud』の大きな特徴は、何と言っても電子楽器史に残る名機のソフトウェア音源が用意されている点。JUPITER-8、JUNO-106、TR-909、TR-808、TB-303といった名機のソフトウェア音源(しかもすべて実機を開発したローランド製!)が多数用意されており、その種類はどんどん増えていっています。これら名機を再現したソフトウェア音源に加え、大容量サンプルを収録した高品位なPCM音源”Tera”シリーズ(2タイトル)、特定の音楽スタイルを意識した音源“Flavr”シリーズ(9タイトル)、時代を彩ったサウンドを集めた音源“Anthology”シリーズ(7タイトル)など、『Roland Cloud』オリジナルのソフトウェア音源も大きな魅力と言っていいでしょう。
そして今回、ローランドは『Roland Cloud』を日本でも正式にスタートするにあたって、メンバーシップ・プランを刷新。利用できるサービスが異なる“Free”、“Core”、”Pro”、”Ultimate”という4種類のメンバーシップ・プランが用意され、これまでよりも格段に利用しやすくなりました。“Free”は文字どおり月額料金がかからないプラン(!)で、“Core”は月額2.99ドル、“Pro”は月額9.99ドル、“Ultimate”は月額19.99ドルと、使い始めるに際しての敷居がグンと低くなっています(メンバーシップ・プランについて詳しくは、こちらのページをご覧ください)。もちろん、“Ultimate”以外のメンバーシップ・プランでは使用できるソフトウェア音源に制限がありますが、月額9.99ドルの”Pro”では先述の”Tera”シリーズ、“Flavr”シリーズ、“Anthology”シリーズすべてに加えて、TR-808やD-50なども使用可能。また一部の製品に関しては、“Lifetime Key”として永続ライセンスも販売されるようになりました。
『Roland Cloud』が日本で正式にスタートしたというだけでもビッグ・ニュースですが、トピックはこれだけではありません。ローランドは本日、新開発のソフトウェア音源、「ZENOLOGY」を発表しました。『Roland Cloud』でのみ提供される「ZENOLOGY」は、歴代名機を再現したサウンドから高品位なPCMサウンドに至るまで、ありとあらゆる音色が網羅された強力なソフトウェア音源。核となるサウンド・エンジン『ZEN-Core』は、ローランドの40年以上にわたるシンセサイザー研究/開発の集大成となる技術とのことで、かつてない高解像度の音色と高解像度のパラメーターを実現しているとのことです。リリース・バージョンで3,000以上の音色/70以上のドラム・キットを収録し(ZENOLOGY Liteを除く)、JUNO-106の内蔵コーラスやボス CE-1、SDD-320といった名機を再現したエフェクト『MFX』も90種類搭載。『Roland Cloud』のメンバーシップ・プランに応じて、「ZENOLOGY Lite」、「ZENOLOGY」、「ZENOLOGY Pro」という3つのグレードが用意され、「ZENOLOGY Lite」は誰でも無償で利用することができます。
「ZENOLOGY」の大きなフィーチャーと言えるのが、対応ハードウェアとの連携機能(ZEN-Core Synthesis System)。同じ『ZEN-Core』を採用したJUPITER-X、現行FANTOM、RD-88、MC-707/MC-101、AX-Edgeといった対応ハードウェアと音色を共有することができ(一部ハードウェアは今後対応予定)、コンピューター上で「ZENOLOGY」を使って作成した音色をJUPITER-Xで使用するという連携が可能になっています。ローランドに確認したところ、DAコンバーターなどハードウェア面の違いはあるものの、『ZEN-Core』に関しては全製品完全に共通のため、使用する製品が違っても音色は基本的には同じとのこと。鍵盤付きのハードウェアだけでなく、MC-707/MC-101といったグルーヴボックスとも音色を共有できるので、なかなか使いでのある連携機能と言えそうです。
そして「ZENOLOGY」で楽しみなのが、最上位版の“Pro”で利用できる『Model Expansion』と呼ばれる機能。これはJUPITER-Xの『Model Bank』と同じ機能で、JUPITER-8、JUNO-106、JX-3P、SH-101といった名機のサウンドが今後、「ZENOLOGY」上でも利用できるようになります。いずれもローランド独自のモデリング技術、“Analog Behavior Modeling”によって再現されたもので、高解像度のVA音源/高品位なPCM音源と歴代名機のサウンドを並列に扱えるのは、「ZENOLOGY」の大きな特徴と言っていいでしょう。
ようやく日本でも正式にスタートした『Roland Cloud』と、ローランド渾身のソフトウェア音源「ZENOLOGY」。さらなる詳細は、ローランドのWebサイトをご覧ください。