関連リンク:
NEWS & INFO
NAMM 2020: 大注目のデジタル/アナログ・ハイブリッド・シンセ、UDO「SUPER 6」が遂に北米デビュー
一昨日開幕した世界最大の楽器のトレード・ショー、『The NAMM Show』。昨年の『SUPERBOOTH』で初披露されたポリフォニック・シンセサイザーの新星、UDO「SUPER 6」が北米デビューを果たしました。
イギリス・ブリストルの新興メーカー、UDOが鋭意開発中の「SUPER 6」は、デジタル/アナログ・ハイブリッド回路の12ボイス・ポリフォニック・シンセサイザー。音源となるのは、『DDS』と名付けられたFPGAベースのデジタル・オシレーターで、ウェーブテーブルの『DDS 1』と、アナログ・モデリングの『DDS 2』という2基のオシレーターを搭載。この2基のオシレーターを、『DDS MODULATOR』と呼ばれる『DDS』専用のモジュレーション・セクションや、モジュレーション・マトリクスによって縦横無尽に変調することで、強力で厚みのあるサウンドを生み出す設計になっています。その後のフィルターやVCAといったシグナル・パスはアナログで、最後段にはステレオ・デジタル・ディレイとコーラスも装備。高機能なアルペジエーターやステップ・シーケンサーなども内蔵しています。
パネル/操作子のデザインや、最後段に2タイプ切り替えのコーラスを装備しているところなど、全体にJUNOシリーズの影響が感じられる「SUPER 6」。肝心のサウンドも、往年のローランド製シンセサイザーが好きな人なら絶対にハマるだろうなという印象で、「これこそJUNO-106の正統進化形、“2020年型JUNO-106”なのではないか」と思ってしまうほど。ちなみに今回話をしたモジュラー・デザイナーの何人かが、今年の『The NAMM Show』のベスト・シンセサイザーとして「SUPER 6」の名前を挙げていました。
UDO代表のジョージ・ハーン氏によれば、開発はイギリスで行なっているものの、ブレグジットの問題があるため、製造はドイツ・ベルリンで行う予定とのことです。
「SUPER 6」の主な特徴は、以下のとおりです。
- デジタル/アナログ・ハイブリッド回路のポリフォニック・シンセサイザー
- 12ボイス・ポリフォニック仕様/5種類のボイス・モード(SOLO/LEGATO/UNISON/POLY 1/POLY 2)
- FPGAベースのデジタル・オシレーター『DDS』を2基搭載(7コア・スーパー・ウェーブテーブル・オシレーター/アナログ・モデリング・オシレーター)。7コア・スーパー・ウェーブテーブル・オシレーターは、ユーザー波形のロードにも対応
- ピッチ/パルス幅/クロス変調が行える『DDS』専用のモジュレーション・セクション
- アナログ回路のフィルター/VCA。ドライブ回路も搭載
- 2基のエンベロープ(HADSRおよびADSR)と2基のLFO。モジュレーション・マトリクスによって縦横無尽に変調可能
- ステレオで音像を動かせるバイノーラル・アナログ・シグナル・パス
- 最後段に24bitステレオ・デジタル・ディレイ/コーラスを装備
- アルペジエーター/ステップ・シーケンサーを内蔵
- 外部オーディオ入力
- Fatar製49鍵キーボードを装備。ベロシティ/アフタータッチに対応
じっくり時間をかけて丁寧に開発が行われている「SUPER 6」ですが、いよいよあと数ヶ月で出荷が開始されるもよう。北米での販売価格は、2,800ドル前後を予定しているとのことです。さらなる詳細は、UDOのWebサイトをご覧ください。