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SUPERBOOTH19: モーターを高速回転させて音を生成する“電気機械方式”のシンセ、Gamechanger Audio「Motor Synth」が登場
ドイツ・ベルリンで開催された世界最大のシンセサイザーの祭典、『SUPERBOOTH19』。今回が初出展となるGamechanger Audioは、驚異的な新製品「Motor Synth(モーター・シンセ)」をお披露目して、来場者の度肝を抜いていました。
Plus PedalやPlasma Pedalなど、ユニークなストンプ・ボックスを次々に発表し、注目を集めているラトビアの異能集団、Gamechanger Audio。1月の『The NAMM Show』では、Plasma Pedalをラック化した上位モデルのPlasma Rackや、Erica Synthsとのコラボレーションで実現したEurorackバージョン、Plasma Driveを発表して大きな話題になりました。
そんなGamechanger Audioが今回お披露目した「Motor Synth」は、世界で初めて“電気機械方式”を採用したデスクトップ・シンセサイザー。光学式ディスクを小型の直流モーターで高速回転させ、ディスクに印刷された波形を赤外線フォトセンサーで読み取ることで音を生成するという、大変ユニークなシンセサイザーです。光学式ディスクには3種類の波形(三角波/鋸波/矩形波)が印刷され、モーターの回転速度を変えることでピッチを制御。原理的にはウェーブテーブル・オシレーター、構造的にはメロトロンの光学式ディスク・バージョンであるオプティガンに近いと言えるでしょう。モーターと光学式ディスクは8組搭載され、4音ポリ×2ボイス(2レイヤー)のシンセサイザーとして機能する設計になっています。
モーター・オシレーターの後段には、アナログのマルチモード・フィルターとドライブ回路が備わり、ボイスごとにエンベロープやトーンを調整することが可能。モジュレーション用のLFOも備え、シーケンサーやアルペジエーターも搭載しています。入出力は、オーディオ入出力、MIDI入出力、USBに加えて、CV/Gate入出力やクロック入出力も装備。外部機器との連携性能も抜群です。
「まだ開発途中で、音色はファイナルではない」とのことでしたが、独特の歪み感があるサウンドは非常に強烈。何より8基のモーターが高速回転する様は圧巻で、音的にも見た目的にもかなりインパクトのあるシンセサイザーという印象です。「Motor Synth」の最初のバッチは、Indiegogoのクラウドファンディングで販売され、価格は1,200ユーロ前後を予定しているとのこと。クラウドファンディングは、今月28日スタート予定で、Indiegogoのキャンペーン・ページではメール・ニュースの登録も始まっています。