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SUPERBOOTH19: Steinberg のソフト・シンセ Retrologueが遂にハードウェア化、デスクトップ・モデルとして登場
明日木曜日(日本時間9日17:00)にドイツ・ベルリンで始まる世界最大のシンセサイザーの祭典、『SUPERBOOTH19』。その開幕を前に、Steinbergのソフト・シンセ、「Retrologue 2」のハードウェア・バージョンがお披露目されました。

Steinbergのソフト・シンセ、Retrologue 2
今年1月の『The NAMM Show』で注目を集めた、オーディオ・アプリケーションのための新しいプラットホーム、ELK Music Operating System。スウェーデンのMIND Music Labsが開発したELK Music Operating Systemは、Intel製CPUやARMプロセッサ上で動作するLinuxベースの“OS”で、あらゆる処理/入出力のレーテンシーが、かつてないレベルまで抑えられているのが特徴。開発者/メーカーは、このELK Music Operating Systemを使用することで、従来の組み込み型OSでは難しかった、リアルタイム操作/演奏に耐えるオーディオ・デバイスを製作することが可能になります。さらにELK Music Operating Systemは、OSレベルでMIDIをサポートし、VSTやPropellerheadのRack ExtensionといったDAW規格にも対応しているため、“プラグインのハードウェア化”も比較的容易に実現することができるのです。

MIND Music Labs ELK Music Operating System
今回、MIND Music Labsが発表したハードウェア版「Retrologue 2」も、ELK Music Operating Systemで製作されたもの。Moog Mother-32のようなデスクトップ筐体には多くの操作子が備わり、「Retrologue 2」をスタンドアローンで(コンピューター無しで)使用することが可能になっています。その開発には、もちろんSteinbergも関わっており、同社のシニア・マーケティング・マネージャーであるFlorian Hain氏は、以下のようなコメントを発表しています。
我々はELK Music Operating Systemを見て、すぐにその可能性に気づいたため、公式のVST SDKでサポートすることにしたのです。ELK Music Operating Systemによって、VSTがソフトウェアの世界だけでなく、ハードウェアの世界でも標準になるという思いを強くしました。
現時点でハードウェア版「Retrologue 2」は、ELK Music Operating Systemの可能性をアピールするためのコンセプト・モデルのようですが、『SUPERBOOTH19』ではヤマハ・ブースに展示されるとのこと。このことからも分かるとおり、SteinbergはMIND Music Labsをかなり支援しているようで、もしかしたら製品として販売される可能性もあるのかもしれません。
