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DSPシンセサイザーを自作できるDIYキット、MakeProAudio「Dino Park」が登場…… 音源ボードはCreamware互換
今月2日からドイツ・フランクフルトで開催されている、ヨーロッパ最大規模の楽器の展示会、『Musikmesse 2019』。毎年恒例となった『SUPERBOOTH』の直前ということもあり、シンセサイザー・メーカーの出展はほとんどありませんが、なかなか興味深い新製品が出品されていたのでご紹介します。
ドイツ・ケルンに拠点を置くMakeProAudioが初披露した「Dino Park」は、DSPベースのハードウェア・シンセサイザーを自作する(!)ためのDIYキット。中心となるのは、Analog DevicesのDSP、SHARCを積んだ音源ボード「Dino Park Board」で、これを他のコンポーネントと組み合わせてオリジナル筐体のキーボードなどに搭載することで、比較的容易にDSPシンセサイザーを自作することが可能になっています。
「Dino Park Board」の他には、液晶ディスプレイと2基のエンコーダーを搭載したコントローラー・ボード、2chのアナログ入出力(TRSフォーン)/S/PDIFデジタル入出力/MIDI入出力を装備したI/Oボード、8基のタッチ・センシティブ対応エンコーダーを搭載したコントローラー「Dino Tweak Tile」、パワー・サプライ、専用ケースといったコンポーネントが用意され、組み合わせが異なる3種類のパッケージで販売(「Dino Park Board」のみでも購入可能)。「Dino Park」とは別ラインとして販売されるDIY用コントローラー、「MPA Blocks」シリーズを組み合わせることもできます。
ここで問題となるのが、音源ボード「Dino Park Board」上で走らせるソフトウェアです。DSPシンセサイザーを構成するハードウェアがすべて用意されていると言っても、肝心のソフトウェアが無ければ意味がありません。その点においても「Dino Park Board」は抜かりがなく、DSPコードを書けないという人のために、音源ボード上で動作する3種類のソフトウェア・シンセサイザーが付属しているのです。実は「Dino Park Board」、その昔人気を集めたCreamwareのプラットホームと互換性があり、付属しているのは何とPulsar用のプラグイン、MINIMAX(Minimoogイミュレーション)、Pro-12(Prophet-5イミュレーション)、PROOYSSEY(ODYSSEYイミュレーション)の3種類。非プログラマーであっても、これらがスタンドアローンで動作するDSPシンセサイザーを自作できるというわけです。これはなかなか凄いのではないでしょうか。
DIYキットということで価格も安く、「Dino Park Board」が199ユーロ、基本的なコンポーネントが含まれる「Dino Park MakeKit」が299ユーロ、「Dino Park MakeKit」にI/Oボードが追加された「Dino Park EX MakeKit」が369ユーロ、コントローラーの「Dino Tweak Tile」が69ユーロとなっています(2019年4月30日から6月までの発売記念価格)。3種類のソフトウェア・シンセサイザーが付属していることを考えると、破格と言っていいでしょう。
今後、4種類目のソフトウェア・シンセサイザーとしてB4000(Hammondイミュレーション)もリリースされる「Dino Park」。ブースでは、筐体にLEGOを使用した製作サンプルや、木箱に仕込んだデスクトップ・モジュール型の製作サンプルが展示され、来場者の注目を集めていました。自作のDSPシンセサイザーに興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。