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NAMM 2017: DAWソフトTracktionが「Waveform」と名を変え大幅に進化! なんとシングルボード・コンピュータのRaspberry Piにも対応!
日本でも高い人気を誇るDAWソフトウェア、Tracktion。そのそのTracktionがこのたび「Waveform(ウェーブフォーム)」と名を変え、大きく進化。日本時間20日(金)3時に開幕する世界最大規模の楽器の展示会、『The 2017 NAMM Show』でお披露目されます。
「Waveform」は、Tracktionのコンセプト(シングル・ウィンドウ/プルダウン・メニューを極力排した操作体系)を発展させたDAWソフトウェアですが(ご存じない方は、こちらの開発者インタビュー記事をどうぞ)、ユーザーから要望が多かったというミキサー画面を遂に搭載。ようやく一般的なDAWソフトウェアと同様のミキシングが可能になりました(もちろん、これまでどおりミキサーを使わなくてもミキシング可能)。さらにはメロディー生成機能や高機能アルペジエーターといった作曲支援機能も搭載され、サンプラー・インストゥルメントも標準で付属。より強力なDAWソフトウェアとして進化しています。
さらに「Waveform」では、対応プラットホームも拡張されます。Tracktionは、Mac/WindowsのみならずLinuxにも対応したDAWソフトウェアとして知られていますが、「Waveform」では何とシングルボード・コンピュータのRaspberry Piにも対応(!)。同時にRaspberry Pi用のオーディオI/Oカードも発売され、数千円〜1万円台でDAWシステムを構築することが可能になります。
Tracktion CorporationのCEOであるジェームズ・ウッドバーン(James Woodburn)氏によれば、コードに無駄がなく、高効率の「Waveform」だからこそRaspberry Piに移植することができたとのこと。簡易版と思いきや、Raspberry Pi版も「フル機能のDAW」とのことで、開発中のベータ・バージョンではRaspberry Pi 3で20〜30トラックの同時再生が行えているとのことです。Linux版のVSTプラグインにも対応しているとのことで、Biotek(Tracktion Corporationのソフトウェア・シンセサイザー)もしっかり動作。「Waveform」と好みのソフト・シンセを立ち上げたRaspberry Piを使って、オリジナルのハードウェア・シンセサイザーを製作するMakerも現れそうです。
Raspberry Pi用のオーディオI/Oカードは、USBではなくI2Sで接続されるためレーテンシーも最小限に抑えてあるとのこと。ジェームズ氏いわく、これまでもRaspberry Pi用のオーディオI/Oカードは存在したものの、音楽制作に耐える音質/レーテンシーを持ったカードはTracktion Corporationのものが初とのことです。
Mac/Windows/Linux/Raspberry Pi対応の「Waveform」は、2〜3月発売予定で、Mac/Windows/Linux版の価格はこれまでのTracktionと大きく変わらないとのこと。なお、このたびメディア・インテグレーションがTracktion Corporationと輸入代理店契約を締結したとのことで、「Waveform」やRaspberry Pi用のオーディオI/Oカードは同社からも販売されます(日本語マニュアルなども提供されるとのことです)。