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NAMM 2021: コルグ、超強力ウェーブテーブル・シンセ「modwave」を発表…… “仮想ボール”で変調できる斬新な機能『Kaoss Physics』を搭載
今日18日から22日にかけて開催されるオンラインの楽器ショー、『NAMM BELIEVE IN MUSIC』。その開幕を前に、コルグが新製品「modwave(モッドウェーブ)」を発表しました。
人気のwavestate/opsixに続く、37鍵シンセ第3弾となる「modwave」は、強力なウェーブテーブル音源を核に据えた新コンセプトのデジタル・シンセサイザー。元になっているのは、1985年に発売されたデジタル黎明期のシンセサイザー DW-8000(ウェーブテーブル音源とアナログ・フィルターを搭載)で、コルグはDWシリーズ開発時に蓄積した膨大な資産を30年以上の時を経て再構築。ウェーブテーブル音源の可能性をあらためて追求した新型シンセサイザー、「modwave」として昇華させました。
「modwave」の音源となるのは、ボイスあたり2基のオシレーターとサブ・オシレーター/ノイズ・ジェネレーターを備えた新開発のシンセ・エンジン。2基のオシレーターは、異なる2種類のウェーブテーブル(A/B)で構成され、それらはリアルタイムにブレンドすることが可能。各ウェーブテーブルは、最大64種類の波形を含む200種類以上のプリセット・テーブルから選択することができ、30種類以上のモディファイアや13種類のモーフ・タイプを使ったエディットにも対応。その結果、ウェーブテーブルのバリエーションは、単純計算で2億3,000万以上(!)にもおよぶとのことです。これだけでも膨大な選択肢があるオシレーターですが、外部ウェーブテーブルのロードにも対応し(Serum/WaveEditフォーマットをサポート)、内蔵の大容量PCMライブラリーのサンプルを使ってウェーブテーブルをレイヤー化することも可能。オシレーター部だけを見ても、相当な音色のバリエーションがあると言っていいでしょう。
2基のオシレーターとサブ・オシレーター/ノイズ・ジェネレーターの出力をステレオでミックスできるというのも「modwave」の特徴で、その後段のフィルターとVCAも、もちろんステレオ仕様。ステレオ・フィルターは、MS-20タイプやPolysixタイプなど12種類のアルゴリズムを選択でき、4基のエンベロープ、5基のLFO、2基のモジュレーション・プロセッサー、2基のキートラック・ジェネレーターといったソースを駆使して、モジュレーション・マトリクスも自由に組むことが可能になっています。
そして「modwave」の大きなフィーチャーと言えるのが、サウンドをダイナミックに変化させる2種類の新機能です。中でも注目の『Kaoss Physics(カオス・フィジックス)』は、“ボールの動き”や“跳ね返り”をモデリングしたという、斬新なモジュレーション機能。筐体左上には“仮想のボール”を操ることができるXYパッドが備わり、ユーザーはその動き(ボールの位置や角度など)をモジュレーション・ソースとして利用することができます。XYパッドの傾きや表面の凸凹、摩擦といったパラメーターを細かく設定することもでき、もちろん指先でボールを操作するのではなく、他のモジュレーション・ソースでトリガーすることも可能。これは「modwave」ならではの、かなりユニークなモジュレーション機能と言っていいでしょう。もう一つの新機能は、任意のパラーメーターを時間軸で変化させることができる『モーション・シーケンシング 2.0』。モーション・シーケンシングの進化版と言える『モーション・シーケンシング 2.0』では、レーンごとにループのスタート・ポイント/エンド・ポイントを設定でき、さらには各ポイントをリアルタイムにモジュレーションすることも可能に。ステップの順番のランダマイズやスキップ・ランダマイズにも対応し、内蔵アルペジエーターとも相互に作用、これまで以上にダイナミックなシーケンスが可能になりました。
「modwave」の主な特徴は、以下のとおりです。
- wavestate/opsixに続く、37鍵デジタル・シンセサイザー第3弾
- コルグR&D in Californiaによる設計
- 新開発の音源システム『modwave』を搭載
- 1985年に発売されたDW-8000をはじめ、DWシリーズ開発時に蓄積された膨大な資産を30年以上の年月を経て再構築
- 最大32ステレオ・ボイス
- ボイスあたり2基のオシレーターとサブ・オシレーター/ノイズ・ジェネレーターを装備。オシレーターごとに異なる2種類のウェーブテーブル波形をブレンド可能
- 最大64種類の波形を含む200種類以上のウェーブテーブルを収録
- ウェーブテーブル波形を自在に変形できる30種類以上のモディファイア/13種類のモーフ・タイプ
- Serum/WaveEditフォーマットの外部ウェーブテーブルのロードにも対応。内蔵大容量PCMライブラリーを使用し、ウェーブテーブルをレイヤー化することも可能
- MS-20タイプやPolysixタイプなど、12種類のアルゴリズムを選択できるステレオ・フィルター
- 4基のエンベロープ/5基のLFO/2基のモジュレーション・プロセッサー/2基のキートラック・ジェネレーターをソースに、任意のパラメーターを縦横無尽に変調できるモジュレーション・マトリクス
- ボールの動きをモデリングした新感覚のモジュレーション機能『Kaoss Physics』
- 複雑なパラーメーター・シーケンスを実現する『モーション・シーケンシング2.0』
- 3基のマルチ・エフェクト(Pre FX/Mod FX/Delay)、マスター・リバーブ、マスター・パラメトリックEQを搭載。『CX-3ビブラート・コーラス』や『Polysixアンサンブル』といったヴィンテージ・エフェクトも多数収録
- パラメーターをインテリジェントにランダマイズできるサイコロ・ボタン
- Airwave、Peter “Ski” Schwartz、Francis Preve、Richard Devineらが作成した即戦力となるファクトリー・サウンドを多数収録
- 目的の音色に即座にアクセスできるセットリスト機能と、音切れなく音色を切り替える『SST(Smooth Sound Transitions)』機能
- Mac/Windows対応の専用エディター/ライブラリアン・ソフトウェア『modwave Editor/Librarian』。最新のM1 Macにも対応
- ベロシティ/リリース・ベロシティ対応の37鍵キーボード
- ステレオ・オーディオ出力(TRSフォーン/バランス仕様)、ヘッドフォン出力、ダンパー入力、MIDI入出力、USB端子
- 横幅565mm×奥行き338mm×高さ93mm/重量2.9kg
コルグ自ら“モンスター・シンセ”と謳う、超強力な新型シンセサイザー「modwave」。発売は2021年6月予定で、販売価格は未定となっています。さらなる詳細は、コルグのWebサイトをご覧ください。