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Ableton、「Live 11」を発表…… 『コンピング』やランダマイズ機能を搭載、さらにクリエイティブなDAWへと進化
AbletonがLiveの次期バージョン、「Live 11」を発表。世界中のクリエイターが愛用するDAWが、間もなく大きな進化を遂げます。
2021年上旬リリース予定の「Live 11」は、多くのユーザーが待ち望んでいたLiveの新しいバージョン。Live 10のリリースから実に約3年ぶりのメジャー・バージョン・アップとなります。Abletonは「Live 11」の発表に合わせて、本日から現行のLive 10を20%OFFで販売するプロモーションを実施(すべてのエディションが対象)。このプロモーションは「Live 11」がリリースされるまで実施され、プロモーション期間中にLive 10を購入した人は、「Live 11」に無料でアップグレードすることができます。
それでは「Live 11」の新機能について、ひとつひとつ見ていくことにしましょう。多くの新機能が盛り込まれた「Live 11」にあって、今回の目玉と言えるのが『コンピング』です。『コンピング』は、複数のテイク(録音)の中から良い部分だけを組み合わせて、理想的なトラックを作ることができる編集機能。他のDAWには既に実装されている機能ですが、ついにLiveでも『コンピング』が利用できるようになりました(ちなみに『コンピング』という呼び方は、コンポジット=“合成”を由来としています)。『コンピング』はボーカルや生楽器の編集時に特に威力を発揮し、もちろんテイクをつなぎ合わせた部分をフェード処理することも可能。Liveの『コンピング』は、オーディオ・トラックだけでなく、MIDIトラックで利用できるというのもポイントです。
そして「Live 11」では、昨今のトレンド・テクノロジーのひとつであるMPE(MIDI Polyphonic Expression)にも正式に対応。これにより、ROLI Seaboardに代表されるMPEデバイスの演奏を、シンプルにレコーディング/編集することが可能になりました。MPEデータの表示/編集を行うための『エクスプレッション・ビュー』という新しいタブも備わり、Wavetable、Sampler、Arpeggiatorの3デバイスもMPEに対応。MPE非対応の音源をコントロールするための『MPE Control』というMax for Liveデバイスも付属します。
決して派手ではないものの、実制作で便利な機能が多数搭載されたのも「Live 11」の大きなフィーチャーです。中でもユーザーから人気を集めそうなのが、フレーズをランダマイズできるプロバビリティ機能。「Live 11」では、ノートの“発音率”やベロシティの“変化率”を設定できるようになり、フレーズを偶発的に変化させることが可能に。ランダマイズの幅(範囲)は、音色/フレーズに合わせて設定できるため、ユーザー・サイドで“ランダマイズをコントロールできる(Controlled Random)”のがポイントです。モジュラーシンセのランダム・モジュールによるモジュレーションのようなこの機能は、ハイハットやスネアなどのドラム・キットにはもちろん、コードやベースに使用してもおもしろそうです。
また、その他の音楽的な機能としては、MIDIエディタにスケールを設定できるようになったのも、多くのユーザーから歓迎されそうです。これによってスケールに含まれるノートと含まれないノートを一目で確認することができ、もちろん該当するノートだけを表示させることも可能。ピアノロール上での変調も容易に行えるようになりました。
もちろん、お楽しみの新デバイスもいくつか追加されています。『Hybrid Reverb』は、畳み込み演算のコンボリューション・リバーブと、古き良きアルゴリズミック・リバーブ、2種類のアルゴリズムを組み合わせた新作のリバーブ。コンボリューションとアルゴリズミックは、処理の順番を変えることもでき、パラレル処理も可能になっています。外部インパルス・データの読み込みにも対応し、残響の質感を変える“Vintage”パラメーターや、ベース・モノといった機能がしっかり備わっているのは、さすがはAbletonと言ったところ。あらゆる残響を再現することができる、現時点での最高峰リバーブ・デバイスと言ってよさそうです。
実用的な機能とAbletonらしいカッティング・エッジな機能が、バランスよく盛り込まれているという印象の「Live 11」。リリースは2021年上旬の予定で、冒頭でも触れたとおり、これからLive 10を購入するユーザーは無料でアップグレードすることができます。「Live 11」のリリース日まで20%OFFプロモーションも実施されているので、Liveの導入を検討していた方は今回のバージョン・アップがいいチャンスかもしれません。さらなる詳細は、AbletonのWebサイトをご覧ください。