WORLD SYNTHESIZER
WORLD SYNTHESIZER #45:Moog Music、噂されていた新世代フラッグシップ・シンセ「Moog One」を正式発表
米Moog Musicは現地時間8日、噂されていた大型新製品「Moog One(モーグ・ワン)」を正式に発表。大きな話題になっています。
「Moog One」は、Moog MusicがMemorymoog以来、実に35年以上ぶりに発売するポリフォニック仕様のアナログ・シンセサイザー。Moog Musicは、“現時点で最も革新的な自社製インストゥルメント”、“無限の可能性を秘めたドリーム・シンセ”と称しています。8ボイス・モデルと16ボイス・モデル、2種類のコンフィギュレーションが発売され、フル・アナログ回路の音源部は、なんと3ティンバー仕様。噂どおりEventide製のデジタル・エフェクトも搭載しています。
「Moog One」の主な特徴は、以下のとおりです。
- ボイスごとに新開発のトライアングル・コアVCOを3基搭載。ハード・シンク/リング・モジュレーション/FM対応
- VCO波形は、三角波/鋸波(選択)と、PWを設定可能な矩形波をブレンドして生成。三角波の上昇/下降時間や矩形波のリセットを設定することも可能
- ボイスごとに2基のアナログ・ノイズ・ジェネレーターを搭載。ノイズ・ジェネレーター専用のEGも装備
- 各VCO、ノイズ・ジェネレーター、リング・モジュレーター、外部オーディオ入力のレベルやフィルター・ルーティングを自由に設定できるフレキシブルなアナログ・ミキサー
- 新開発のマルチモード・ステート・バリアブル・フィルターと、伝統のMoogラダー・フィルター、2タイプのフィルターを搭載。Moogラダー・フィルターはハイパス/ローパスを選択でき、2タイプのフィルターは個別に使用するだけでなく、一緒に使用することも可能(直列/並列)
- あらゆるパラメーターに適用できる4基のワイドレンジLFOを搭載。MIDIシンク/クロック・ディビジョン/スタート・ディレイ/インスタンスごとのリピート数/フェード・タイムなどを設定可能
- あらゆるパラメーターに適用できる3基の6ステージ(DAHDSR)EGを搭載。タイム・スケールや、ステージごとのエンベロープ・カーブも設定可能
- 4基のLFO/3基のEGを使用したモジュレーションは、モジュレーション・ソースごとに用意された“Destination”ボタンを押し、変調させたいパラメーターのアマウント量を設定するだけで簡単に設定可能
- より複雑な音作りを実現するビジュアル・アクセスを備えた内部モジュレーション・マトリクス
- 各ティンバーとマスターにインサートできるマルチ・エフェクトを搭載。エフェクトは、コーラス、ディレイ、フェイザー、ビット・リダクション、ヴォコーダー、Eventide製リバーブ(Blackhole、シマー、プレート、ルーム、ホール)などを選択でき、今後もライブラリーは追加予定。エフェクトは完全にスルーでき、アナログで生成された音をそのまま出力することも可能
- 最大48基のVCOを自由にスプリット、レイヤー、スタックできるユニゾン・モード
- ティンバーごとにフル機能のステップ・シーケンサー、アルペジエーター、マルチ・エフェクトを搭載
- レイヤーを切り替えることで各ティンバーの音色エディットを個別に行うことができる“Panel Focus”
- Fatar製TP-8Sを採用した高品質な61鍵キーボードを搭載(ベロシティ/アフタータッチ対応)。ピッチ/モジュレーション・ホイールや、X/Yパッドも装備
- 右上に備わった“More”ボタンを押すだけで、詳細なパラメーターにアクセス可能
- Moog Oneのすべての設定は数千ものプリセットとして保存でき、カテゴリー分けや再編集することが可能。また、最大64種類のプリセットを“Performance Set”として保存し、パネル上の“Bank/Preset”ボタンで簡単に呼び出すことも可能。USBメモリへのプリセット保存にも対応
- 音色以外のグローバル設定(MIDI設定、ポート/ペダル設定、ノブの設定、LEDの輝度など)も複数設定することができ、演奏者に合わせて切り替えることが可能。USBメモリへの保存にも対応
- その時点での音色は、“Snapshot”ボタンを押すだけで瞬時に保存することが可能
- アサイン可能な2系統のステレオ出力、アサイン可能な4系統のインサート入力、2系統の外部オーディオ入力を装備(XLR/標準フォーン両対応)。また、MIDI入出力(5pin/USB)とアサイン可能な9系統のCV入出力も搭載
- 8ボイス/16ボイスの2コンフィギュレーション(8ボイスから16ボイスへのアップグレード・ユニットは、現時点では用意なし)
Moog Musicが満を待して世に送り出す究極のシンセサイザー、「Moog One」。出荷は間もなく開始される予定で、価格は8ボイスが5,999ドル、16ボイスが7,999ドルとなっています。詳しくは、Moog MusicのWebサイトをご覧ください。