MODULAR SYNTH
Noise Engineering、渾身の“デジタル・コントロールド・アナログ・ミキサー、「Xer Mixa」を発表…… ステレオ10ch入力、MIDIも搭載
Noise EngineeringがEurorackモジュールの新作、「Xer Mixa」を発表。大きな話題になっています。
最近はDAW用プラグインの開発にも注力しているアメリカ・ロサンゼルスのモジュラー・メーカー、Noise Engineering。同社のEurorackモジュールは、独自のDSPアルゴリズムによって生み出されるメタリックで攻撃的なサウンドが特徴で、そのユニークな音色は世界中のモジュラー・プレイヤーから支持を集めています。
そんなNoise Engineeringの新作「Xer Mixa」は、ステレオ10系統の入力を備えた32HPのサミング・ミキサー。出力バスはステレオ3系統で、シグナル・パスは完全にアナログながら、制御系にデジタル回路が採用されているのが大きな特徴です。このハイブリッド設計によって、32HPというパネル・サイズでも、チャンネルごとのパン、バス送りのレベル、バス送りのプリ/ポスト・フェーダー選択、さらにはパン・ロウ(!)といった詳細なパラメーター設定を実現。もちろん、パラメーター設定は最大7種類、“シーン”として保存/リコールすることができ、MIDIによるパラメーター制御にも対応しています。
ステレオ10系統の入力は、インプット・フェーダーを備えた1〜8chと、インプット・フェーダーが省かれたA/Bの2タイプがあり、どちらもR端子はL端子にノーマル接続されているので、ステレオ信号だけでなくモノラル信号にも対応。フェーダー上にはセレクト・ボタン、フェーダー下にはクリックレス仕様のミュート・スイッチが備わり、セレクト・ボタンで選択したチャンネルのパラメーターを右側のノブとボタンでエディットする…… という操作体系となっています。
出力はA/B/Mのステレオ3系統で、A/Bはチャンネルごとに送りのレベルとプリ/ポスト・フェーダーを設定することが可能。Mはオン/オフのみの切り替えで、バスBはキュー出力としても使用できる設計になっています。秀逸なのが右側に備わったスクリーンで、通常時は3系統の出力のピーク/RMSメーターとして機能。これによって出力レベルを視覚的に監視することができ、必要に応じてメーターの0dBに対応するppボルテージを設定することも可能になっています。
Eurorackミキサーでありながら、フィジカルおよびMIDIコントロールに特化した設計となっている「Xer Mixa」ですが、4HPの拡張モジュール「Expando Expandi」を装着すれば、8系統のCV入力を追加することもできます。CV入力は、「Xer Mixa」側でボリューム/ミュート/パン/バス送りの各パラメーターにアサインでき、入力ごとにデジタル・アッテヌバーターやデジタル・オフセット機能も搭載。「Xer Mixa」1台につき「Expando Expandi」は2台まで装着できるため、最大で16系統のCV入力を追加することができます。
他のNoise Engineering製モジュール同様、ブラック・パネルとシルバー・パネルの両方が用意される「Xer Mixa」。最初のバッチは2023年9月6日に出荷される予定で、価格は「Xer Mixa」が999ドル、「Expando Expandi」が169ドル、両モジュールのバンドルが1,051ドルとなっています。さらなる詳細は、Noise EngineeringのWebサイトをご覧ください。