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Steinberg Cubase 12のダウンロード販売がスタート…… オーディオ機能が大幅に強化され、USB-eLicenserが遂に不要に

昨年アナウンスされたSteinberg Cubaseの新バージョン、「Cubase 12」のダウンロード販売がスタートしました。「Cubase 12」もこれまで同様、“Pro”、“Artist”、“Elements”の3グレード展開で、新デザインのパッケージ版も間もなく販売が開始されます。

Steinberg - Cubase 12

Steinberg「Cubase 12」

ユーザー待望のCubaseの新バージョンが遂にリリースされました。多くの新機能が盛り込まれた「Cubase 12」ですが、このバージョンの大きなトピックと言えるのが、Mac版のApple Silicon(M1チップ)へのネイティブ対応と、ハードウェア・ドングルの廃止でしょう。「Cubase 12」では、長らく使用されてきたUSB-eLicenserに替えて、Steinberg独自のライセンス管理システム『Steinberg Licensing』が導入され、コンピューターそのものをアクティベーションすることが可能に。実際のアクティベーション作業は、専用ソフトウェア『Steinberg Activation Manager』を使ってSteinberg IDと紐づける形になり、最大で3台(!)のコンピューターをアクティベーションできるシステムになっています。メイン・マシンとサブ・マシンに加えて、もう1台アクティベーションできるというのは、ヘヴィ・ユーザーにとっては大変心強い仕様と言えるでしょう。

Steinberg - Cubase 12

ライセンス管理ソフトウェア『Steinberg Activation Manager』

久々のメジャー・バージョン・アップということもあり、核となるオーディオ機能も大幅に強化されています。オーディオ編集に欠かせないAudioWarpは、タイミング補正ツールの“Free Warp”がプロジェクト・ウィンドウ上で使用することが可能に(Cubase Pro/Cubase Artist)。これによってサンプル・エディターを表示することなく、プロジェクト・ウィンドウ上で直接タイミングを補正できるようになりました。さらには複数のオーディオ・トラックの同時編集にも対応し、同一フォルダ内のオーディオ・ファイルの位相を自動で揃える機能も追加されています(Cubase Pro/Cubase Artist)。これはマルチ・マイクで収録したドラム・ファイルの位相を合わせる際などに大いに役立つ機能でしょう。また、バージョン11でキー・エディターに搭載された便利機能、『スケール・アシスタント』がVari Audioで使えるようになったのも大きなトピック(Cubase Pro/Cubase Artist)。これによって指定したキー/スケールに沿ったオーディオ編集(ボーカルのピッチ補正など)がラクに行えるようになりました。似たような便利機能として、「Cubase 12」ではオーディオ・イベントからコードを検出することも可能になっています。具体的には、コード・トラックに任意のオーディオ・イベントをドラッグ&ドロップすれば、あとはCubaseがコード・イベントを自動で作成。作成時は、Cubaseが最も可能性が高いと判断したコードが表示されますが、コード・エディター上で別のコードを選択することもできます。

Steinberg - Cubase 12

プロジェクト・ウィンドウ上で利用できるようになったAudioWarp

Steinberg - Cubase 12

『スケール・アシスタント』がVari Audioにも対応

Steinberg - Cubase 12

オーディオ・イベントからのコード検出機能も搭載

最近のMIDIキーボードはコントロール機能が非常に充実していますが、「Cubase 12」ではMIDIデバイスとの連携がこれまで以上にシームレスに。エディター下のゾーンに『MIDI Remote』という新しいタブが追加され、設定画面に移ることなく様々な設定が行えるようになりました。「Cubase 12」にスクリプトが用意されているMIDIデバイスの場合は、煩わしい設定なしに使用できるというのも便利です。もちろん、新作のソフトウェア・インストゥルメント/プラグイン・エフェクトも追加されており、フェルトピアノ音源の『Verve』(Cubase Pro/Cubase Artist)、モジュレーター・プラグインの『FX Modulator』(Cubase Pro/Cubase Artist)、リミッター・プラグインの『Raiser』(Cubase Pro)が新たに収録され、メーター・プラグインの『SuperVision』はVUメーターやスペクトラム・アナライザーといった新モジュールが搭載されました(Cubase Pro/Cubase Artist)。またCubase Proには、新しいチャンネル設定とバス設定が追加され、サラウンド/Dolby Atmosコンテンツの制作にも対応しています。

Steinberg - Cubase 12

MIDIデバイスの設定がシームレスに行える『MIDI Remote』

Steinberg - Cubase 12

新収録のフェルトピアノ音源『Verve』

Steinberg - Cubase 12

新作のモジュレーター・プラグイン『FX Modulator』

Cubase 12」は、Mac版はMonterey/Big Sur、Windows版は64bit版のWindows 11/Windows 10に対応。冒頭お伝えしたとおり、Mac版はApple Silicon(M1チップ)にネイティブ対応したので、現行のMacBook Proなどで使用すれば高いパフォーマンスが期待できます。さらなる詳細は、SteinbergのWebサイトをご覧ください。

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