SYNTH & MACHINE
ポップなデザインのマイクロ・シンセサイザー、1010music「nanobox」が発売…… グラニュラー音源とウェーブテーブル音源の2製品がラインナップ
1010musicが新製品、「nanobox(ナノボックス)」を発表しました。イエロー・カラーの“lemondrop”と、レッド・カラーの“fireball”という2つの製品がラインナップされる「nanobox」は、タッチ・スクリーンで直感的に音づくりができるデスクトップ型のシンセサイザーです。
Microsoftの元技術者であるアーロン・ヒギンズ(Aaron Higgins)氏が2016年に設立した1010musicは、アメリカ・ロサンゼルスに工房を構える電子楽器メーカーです。大型のタッチ・スクリーンを備えたEurorackサンプラー Bitboxで注目を集めた同社は、その後も共通のプラットフォームに異なるソフトウェアを搭載した姉妹モジュール(Synthbox/Fxbox/Toolbox/Laserbox)を続々と発表。一昨年からはデスクトップ・マシン市場にも参入し、中でも“タッチ操作のコンパクト・ミキサー”というユニークなコンセプトのBlueboxは、マシンライブ・パフォーマー/モジュラー・プレイヤーの間で人気を集めています。
そんな1010musicが本日お披露目した「nanobox」は、デスクトップ型のポリフォニック・シンセサイザーです。グラニュラー音源を搭載した「nanobox | lemondrop(ナノボックス・レモンドロップ)」と、ウェーブテーブル音源を搭載した「nanobox | fireball(ナノボックス・ファイヤーボール)」という2つの製品がラインナップされ、これまでの同社製品同様、大型(2インチ)のカラー・タッチ・スクリーンを搭載。筐体は横幅9.5cm×奥行き7.6cm×高さ3.8cm/重量約113グラムというコンパクト・サイズで、シンセサイザーらしからぬポップなデザインが目を惹きます。
グラニュラー音源の「nanobox | lemondrop」は、4ボイス仕様のポリフォニック・シンセサイザーで、最大30秒のメモリーを持つ各オシレーターでは、最大16個のグレイン(波形の断片)を扱うことが可能。グレインの元になる波形は、311種類収録されたファクトリー・サンプルだけでなく、microSDカード経由でユーザー・サンプルを読み込むこともでき、タッチ操作で自由にモーフィング/シェイピングできます。2基のフィルター、2基のエンベロープ、2基のLFO、モジュレーション・シーケンサーも備え、最後段には2系統/6種類のマルチ・エフェクト(フランジャー/ディストーション/コーラス/フェイザー/ディレイ/リバーブ)も搭載。即戦力となるファクトリー・プリセットも153種類収録されています。
一方の「nanobox | fireball」は、「nanobox | lemondrop」の倍となる8ボイス・ポリフォニック仕様のウェーブテーブル・シンセ。2基のウェーブテーブル・オシレーターを搭載し、103種類収録されているファクトリー波形だけでなく、microSDカード経由でユーザー・サンプルを読み込むこともできます(ウェーブテーブル波形の長さは、2,048サンプル/サイクル)。オシレーター部以外の機能は、基本的に「nanobox | lemondrop」と同一のようで、2基のフィルター、2基のエンベロープ、2基のLFO、モジュレーション・シーケンサー、2系統/6種類のマルチ・エフェクトを搭載。もちろん、ファクトリー・プリセットも123種類収録されています。
背面には電源供給用のUSB(Type-C端子)、MIDI入出力(3.5mm TRS端子)、クロック入力、オーディオ入出力(3.5mm TRS端子)、microSDカード・スロットを備え、MIDI入力はType AとType Bを自動で検知するインテリジェントな仕様(出力はユーザー・サイドで選択)。内蔵LFOやモジュレーション・シーケンサーを同期できるクロック入力を装備しているのは、モジュラー・ユーザーには嬉しいところです。
「nanobox」の北米での販売価格は各399ドルで、2022年2月4日出荷開始予定とのこと。代理店のRock oN Companyによれば、国内での販売もほぼタイムラグ無しに開始するとのことなので、気になる方はぜひチェックしてみてください。