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SYNTH & MACHINE
コルグ、渾身のFMシンセサイザー「opsix」を発表…… 超強力な“デジタル・モジュラー・シンセ”がデビュー
コルグが新製品、「opsix(オプシックス)」を発表。“ALTERED(改変された)FM SYNTHESIZER”を標榜する「opsix」は、クラシックなFM音源をベースに、その機能を大幅に拡張した新型シンセサイザーです。
今年1月の『The NAMM Show』で参考出品され、大きな注目を集めたコルグ謹製のFMシンセサイザーが満を持して登場します。人気のwavestateに似た外観の「opsix」は、新開発の『オルタードFM音源』を搭載したデジタル・シンセサイザー。『The NAMM Show』に展示された試作機は61鍵のキーボードを搭載していましたが、リリース・モデルは37鍵キーボードに変更になり、コンパクトなデザインになりました。筐体サイズは横幅565mm×奥行き338mm×高さ90mm、重量は2.9kgで、wavestateとほぼ同じ大きさ/重さに仕上げられています。
核となる『オルタードFM音源』は、6基のオペレーターを搭載し、アルゴリズムは40種類のファクトリー・プリセットの中から選択可能。「opsix」の大きな特徴と言えるのが、左上にオペレーター専用の操作子、『OPERATOR MIXER』が備わっている点で、FMでの音づくりの基本となるオペレーターごとのレベル/レシオを、ダイレクトに操作できるようになっています。『OPERATOR MIXER』のノブとスライダーにはLEDが仕込んであり、キャリアとなるオペレーターは赤色、モジュレーターとなるオペレーターは青色で点灯するというのも秀逸。コルグによれば、オルガンのドローバーを操作するような感覚で音づくりが行えるとのことです。
これだけだったら従来のFM音源とさほど変わりませんが、「opsix」では21種類ものオペレーター波形を選択でき、アルゴリズムもユーザー・サイドで自由に組むことが可能。さらにはFM(周波数変調)に縛られずに、リング・モジュレーション、フィルター、フィルターFM、ウェーブ・フォルダーといったモジュレーションも可能になっています。加えて後段には、名機MS-20やPolysixのアルゴリズムを含む強力なマルチモード・フィルターと、30種類のプログラムを選択できる高品位なマルチ・エフェクターを搭載。もちろん、オペレーター部とは独立したモジュレーション・ソースを備えており、3基のエンベロープと3基のLFO、12系統のバーチャル・パッチによって、縦横無尽のモジュレーションが可能になっています。
その他、1ステップ=最大6ノートの16ステップ・ポリフォニック・シーケンサー、最大6レーンのモーション・シーケンサー、7種類のパターンが用意されたアルペジエーター、高解像度のスペクトラム・アナライザー/オシロスコープ、パラメーターのランダマイズ機能など、数多くのフィーチャーを備えた「opsix」。複数のオシレーター(オペレーター)を接続して変調を行うという点では確かに伝統的なFM音源と同じですが、多彩なオペレーター波形、ユーザー定義可能なアルゴリズム、FMに縛られないモジュレーション・モード、後段のマルチモード・フィルターといった機能を踏まえると、FMシンセサイザーというよりも、“強力なデジタル・モジュラー・シンセサイザー”と捉えた方がしっくりくる印象です。
コルグ渾身の新型シンセサイザー、「opsix」。ショップでの販売は2020年11月下旬開始予定で、メーカー希望小売価格は87,000円(税別)となっています。さらなる詳細は、コルグのWebサイトをご覧ください。