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製品開発ストーリー #43:IK Multimedia UNO Synth 〜 100%アナログ音源を積んだ、未来型“モバイル・シンセサイザー”
5月の『SUPERBOOTH 2018』で発表され、大きな話題を呼んだIK Multimediaの大型新製品「UNO Synth(ウノ・シンセ)」の国内販売が、いよいよ明日(2018年7月31日)開始されます(Rock oNの販売ページはこちら。Amazonの販売ページはこちら)。
同じイタリアのモジュラー・メーカー、Soundmachinesとのコラボレーションで開発された「UNO Synth」は、小型・軽量筐体に100%アナログ回路の音源を積んだ、IK Multimedia初のハードウェア・シンセサイザー。三角波〜鋸波〜矩形波〜パルス波を連続可変できる2基のオシレーター、2ポール仕様のマルチモード・フィルター、柔軟なモジュレーション・ソース、IK独自のドライブ/ディレイ回路などを備え、販売価格2万円台(!)という手頃さながら、高価なシンセサイザーに匹敵する多彩な音作りが可能になっています。もちろん、音源部はフル・プログラマブル仕様で、最大80種類の音色を保存することが可能。10種類のモードを切り替えられる強力なアルペジエーターや、パラメーター・オートメーション対応(!)のシーケンサーなども搭載し、単体でも十分に使える(楽しめる)仕様になっているのも大きな特徴です。
IK Multimediaの製品らしく、スタンドアローン(Mac/Windows/iOS)/プラグイン(VST/AU/AAX)両対応のエディター・ソフトウェアも無償提供され、DAWとの高い親和性も魅力の新世代アナログ・シンセサイザー「UNO Synth」。そのコンセプトと機能について、開発チームの中心メンバーであるエリク・ノーランダー(Erik Norlander)とエンリコ・デル・アヴェルサナ(Enrico Dell’Aversana)の両氏に、『SUPERBOOTH 2018』の会場でじっくり話を伺いました。なお、ご存じの方も多いと思いますが、エリク・ノーランダー氏はAlesis Andromeda A6やQSシリーズの開発にも携わったこの世界では有名な人物です。
iRigシリーズやiLoudシリーズと同じく、“場所を選ばずに使える”というのが大きなコンセプト
——— IK Multimediaが本物のアナログ・シンセサイザーを発表するとは思ってもみなかったので、「UNO Synth」のデビューには本当に驚きました。まずは開発のスタート・ポイントと、そのコンセプトからおしえてください。
エリク・ノーランダー(以下、EN) ICONでもインタビューしていただきましたが、我々は昨春、Syntronikという製品をリリースしました。Syntronikは、シンセサイザー/ストリングス・マシンの名機38機種のサンプルを元に開発したソフトウェア・インストゥルメントで、2,100種類以上のサウンドを収録した“究極のヴァーチャル・シンセサイザー”です。我々はサンプル音源にMODO BASSなどで培ったモデリング技術を融合することで、かつてないリアルなサウンドを生み出すことに成功しました。おかげさまでSyntronikは世界中で大ヒットを記録し、今もなお売れ続けています。現在ではIK Multimediaのポートフォリオの中でも、とても重要な位置付けの製品と言っていいでしょう。
このSyntronikの成功を受けて、CEOのエンリオ・イオリ(Enrico Iori)が、“こんなにも多くの人たちがシンセサイザーを欲しているのなら、ハードウェアの開発も急ごう”と言いました。この一言によってスタートしたのが「UNO Synth」の開発プロジェクトなんです。
エンリコ・デル・アヴェルサナ(以下、ED) しかし後発の我々が他社と同じようなシンセサイザーを作っても意味がありません。そこで我々は、“IK Multimediaらしいシンセサイザー”を作ろうと考えたのです。IK Multimediaらしさとは何か。その最たるものが、“モバイル”です。iRigシリーズもiLoudシリーズも、我々の製品はほぼすべて“モバイル”をコンセプトに開発されており、場所を選ばずに使用できる点が大きな特徴となっています。このコンセプトに基づき、シンセサイザーに関してもモバイルで使用できるものを作ろうと考えました。
もう1つのコンセプトが“アナログ”です。我々には既にSyntronikという製品があるわけですから、そのコードをポーティングすればハードウェア・シンセサイザーは容易に作ることができるのですが、それでは意味が無いと思いました。新開発のアナログ音源を積んだ、ハードウェアならではのシンセサイザーを作りたいと考えたのです。アナログ音源を積み、場所を選ばずに使える“モバイル・シンセサイザー”、これが「UNO Synth」のコンセプトです。
EN 要は“Synthesizer for everyone”、すべての人のためのシンセサイザーということですよね。今回、音源部はイタリアのモジュラー・メーカー、Soundmachinesとのコラボレーションで開発を行いましたが、基本的なデザインはIK Multimediaサイドで行いました。CEOのエンリコは、明確なビジョンを持って製品開発を行う人なので、グラウンド・デザインはほぼ彼の手によるものです。それと私のAlesis Andromeda A6やQSシリーズの開発で培った知識、彼(エンリコ・デル・アヴェルサナ氏)のエレクトロニック・ミュージック・プロデューサーとしての経験、CTO(最高技術責任者)のダヴィデ・バルビ(Davide Barbi)の製品開発力、これらが組み合わさって完成したのが「UNO Synth」なのです。
——— Syntronikをリリースした後に開発に本格着手したというのが驚きです。製品開発期間は、わずか1年ということですか?
EN そうです。Soundmachinesとは、ともにイタリアの会社ということもあり、数年前から“何か共同でできたらいいね”という話をしていたのですが、具体的な仕様が固まり始めたのはSyntronikをリリースした直後くらいです。以降、私や彼はこの製品にかかりきりでした。
——— 今回、アナログ音源にこだわった理由について、もう少しおしえてください。ハードウェア版Syntronikも、それはそれでおもしろいと思うのですが……。
EN おっしゃるとおりSyntronikはすばらしいシンセサイザーです。ポリフォニック・シンセサイザーを作るのであれば、PCM音源というのは最良の選択肢の一つであり、そこにモデリングのフィルターを組み合わせるというのは現時点での最適解ではないかと思っています。しかし、せっかく新しい製品を開発するのだから、現在のラインナップを補間するような製品を作りたいと思ったのです。もっと言えば、SyntronikやSampleTankでは出せないサウンドを持っている製品。そう考えると、やはりアナログしかないだろうという結論に至りました。巧くサンプリングされたPCM音源はすばらしい音がしますが、ピッチ変化の滑らかさはどうしてもアナログにはかないません。
ED 単純にアナログ・シンセサイザーの方が、太く、温かみのある音がしますからね。あの音はやっぱり魅力的です。
EN なぜ今回、モノフォニックにしたかと言えば、“Synthesizer for everyone”というコンセプトを優先したからです。ボイス数を増やせば、当然使用するコンポーネントの数も増え、結果的に販売価格が高くなります。我々は今回、誰もが気軽に買えるシンセサイザーを作りたかったのです。それにアルペジエーター/シーケンサー入りのモノフォニック・シンセサイザーというのは、DAWとの相性も良いんです。JUPITER-8のようなポリフォニック・アナログのサウンドが欲しければ、Syntronikを使ってください(笑)。
——— Soundmachinesとコラボレーションしたのはなぜですか?
EN シンセサイザーや回路設計に長けた外部のチームが欲しかったからです。もちろん、社内にも優れたスタッフはたくさんいますが、我々は常に複数のプロジェクトを進行させています。全員が「UNO Synth」にかかりきりになるわけにはいきません。そういったことを踏まえ、同じイタリアのモジュラー・メーカー、Soundmachinesとコラボレーションで開発を行うことにしたのです。彼らは長年、モジュラーの開発を行っていますし、回路設計にも非常に長けている。同じイタリアのメーカーですし、今回コラボレーションするにはベストな相手だと思いました。
——— 先ほど、“基本的なデザインはIK Multimediaサイドで行った”という話がありましたが、Soundmachinesには機能やスペックを伝えて、それを具現化してもらったという感じでしょうか。
EN 90%は我々のデザインで、Soundmachinesのアイディアも一部入っているという感じですね。基本的には我々のアイディアを具現化してもらったのですが、オシレーターやフィルターの設計にはSoundmachinesのアイディアも入っています。例えば「UNO Synth」は、アナログ・オシレーターでありながら、波形を連続可変できるのが特徴の一つなのですが、それなどはSoundmachinesのアイディアが無ければ実現できませんでした。
ED 我々はアナログ・シンセサイザーの開発経験が無いため、夢想家のように“ああしたい、こうしたい”と好き勝手なことを言うわけです(笑)。しかし長年、アナログ・シンセサイザーの開発を手がけてきたSoundmachinesからすれば、“そんな設計は現実的ではない”というのがいくつもあるわけですよ。我々が理想とするシンセサイザーを、Soundmachinesの技術とアイディアで上手く具現化してもらったという感じですね。
Multimoog/Micromoogにインスパイアされた、波形を連続可変できるオシレーター
——— ここからは「UNO Synth」について詳しくおしえてください。音源回路はフル・アナログということで間違いないですか?
EN LFOやエンベロープといったモジュレーション・ソースはデジタルで生成していますが、オーディオ・パスに関しては100%アナログ回路のモノフォニック・シンセサイザーです。2基のオシレーター、ノイズ・ジェネレーター、マルチモード・フィルター、VCA、2基のエンベロープ・ジェネレーター、LFOという構成で、アルゴリズム的には典型的な減算合成のシンセサイザーと言っていいでしょう。ただし各セクションを見ると、とても凝った設計になっていることが分かるはずです。例えば、完全に独立した2基のオシレーターは、三角波〜鋸波〜矩形波〜パルス波と波形を連続可変でき、さらにノブを回すと、パルス・ウィズ・モジュレーションがかけられる仕様になっています。波形を連続可変できる仕様は、MultimoogやMicromoogといった名機にインスパイアされました。
これは余談ですが、私はMoogのシンセサイザーに対しては長年のユーザーでもあり、かなり思い入れがあります。ですので、MultimoogやMicromoogの連続可変できるオシレーターに関しても、雑誌や何かで知っているというだけではなく、かなり詳しく研究しました。実はAndoromeda A6のプロジェクトがスタートしたとき、ボブ・モーグ博士にも開発に関わってもらうという話があったのです。実際、モーグ博士とは何度もファックスをやり取りしたのですが、ちょうど同じタイミングで彼はMinimoog Voyagerの開発に取りかり、Andoromeda A6でのコラボレーションの話は流れてしまいました。モーグ博士が関わっていたら、Andoromeda A6ももっとすごいシンセサイザーになっていたかもしれませんね(笑)。
——— 連続可変できるオシレーターはとても良さそうですが、その中にサイン波を含めなかったのはなぜですか?
EN ご存じのとおり、アナログ・オシレーターのサイン波というのは完璧ではありません。完璧ではないサイン波だったら不要だろうという判断です。サイン波のようなやわらかい音は、三角波をフィルターで丸めれば、簡単に得ることができますからね。
——— フィルターは、どのようなものを積んでいますか?
EN 2ポール、12dB/Octのマルチモード・レゾナント・フィルターで、ローパス、ハイパス、バンドパスを切り替えることができます。2ポール・フィルターということで、設計にあたってはローランド JUPITERシリーズ、コルグ MSシリーズ、Oberheim SEMなどを参考にしましたが、完全にオリジナル・デザインのフィルターと言っていいと思います。フィルター・エンベロープも設定可能で、頻繁に操作するであろうカットオフは専用のノブとして表に出しています。
ED フィルターは、あえて自己発振しない仕様にしました。自己発振するフィルターは確かにおもしろいですし、きれいなサイン波を得ることができますが、シンセサイザー初心者は混乱してしまうのではないかと思ったのです。この製品に関しては、サウンド・ソースはオシレーターとノイズ・ジェネレーターだけでいいだろうという判断です。
EN フィルターと同じくらい音作りで有効なのがドライブ回路です。「UNO Synth」はフィルターの後段にドライブ回路を搭載しており、良い感じのサチュレーションから、エッジの効いたディストーションまで得ることができます。また、オシレーターからミキサーへの入力レベルはそれぞれ設定することができるのですが、レベルを突っ込むとそこでも歪みが生じる回路になっています。つまり、フィルターの前段と後段、二段階で歪みが得られる仕様になっているわけです。このドライブ二段構えの設計は、音色バリエーションの広さに大きく貢献しています。
——— モジュレーション・ソースについておしえてください。
EN 2基のエンベロープ・ジェネレーターとLFOを搭載しています。エンベロープ・ジェネレーターは、1基はフィルター、もう1基はVCAにアサインされていますが、後日配布するエディターやMIDI CCを使えば、オシレーター波形やPWM用のモジュレーション・ソースとして使うこともできます。また、本体パネル上ではフィルター・エンベロープがアタック/ディケイ、アンプ・エンベロープがアタック/リリースと、2ステージ・エンベロープのように見えますが、これもエディターやMIDI CCを使うことで、それぞれADSRの4ステージ・エンベロープとして操作可能です。一方、LFOはサイン波/三角波/下降鋸波/上昇鋸波/矩形波/ランダム/ノイズ/S&Hという8種類のソースを選択でき、VCOのピッチや波形、VCFのカットオフ、VCAを変調することができます。
ED 本体パネルは直感的に操作できるようシンプルにデザインされていますが、エディターやMIDI CCを使えば、かなり凝った音作りができるというのも「UNO Synth」の大きな特徴です。
——— エフェクトは何か積んでいますか?
ED ディレイを搭載しています。私はオランダやドイツでエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーとして活動していたことがあるのですが、その経験から言わせてもらうと、こういったシンセサイザーにはディレイ、アルペジエーター、シーケンサーの3つの機能は欠かせません。ディレイは非常にシンプルなエフェクトですが、少しかけるだけでサウンドがオーガニックになります。「UNO Synth」にはマストな機能だと思いました。
EN ディレイはデジタル回路ですが、昔のElectro-Harmonixのストンプのような温かみのある音色にチューニングしてあります。なお、このディレイはインサートではなくセンド&リターンでかけているので、エフェクト音のみがAD/DAされた音ということになります。ですので、「UNO Synth」のアナログ・サウンドに注目されている方も心配不要です(笑)。用意されているパラメーターは、ディレイ・タイムとミックス・バランスのみで、ディレイ・タイムは最大で約500ms設定することができます。
20種類のパラメーターもオートメーションできる強力なシーケンサーを搭載
——— アルペジエーターとシーケンサーは、なかなか強力な仕様になっているようですね。
EN 先ほど彼も言いましたが、こういうシンセサイザーにはアルペジエーターは欠かせません。私が最初に手に入れたシンセサイザーは、ローランド JUNO-60なんですが、アルペジエーターを発見したときは本当に感激しましたよ(笑)。アルペジエーターがあることで、モノフォニックのシンセサイザーでも相当“遊ぶ”ことができます。「UNO Synth」のアルペジエーターは、10種類のモードを切り替えることができ、最大4オクターブにわたってプレイすることが可能です。
ED 一方、シーケンサーは最大16ステップ仕様で、リアルタイムでもステップでも打ち込むことができます。大きな特徴は、ノート情報だけでなく、20種類のパラメーターの変化も記録できるという点で、これによってダイナミックなシーケンスを作成することができます。2拍目と4拍目だけフィルターを開いたり、VCOの波形をモーフィングさせたり、あるいはドラム・マシンのようなパターンを作ったり…… アイディア次第で様々な活用法が考えられる柔軟なシーケンサーです。エディターやMIDI CCを使えば、128段階でスウィング具合を調整することも可能になっています。
EN なお、「UNO Synth」は作成した音色を最大80種類保存することができますが、作成したシーケンスがプリセット内に保存されるというのもポイントです。
——— ステップごとに記録できるパラメーターの解像度はどれくらいですか?
EN MIDI CCでのコントロールと同じ128段階です。ただ、「UNO Synth」のオーディオ・パスは完全にアナログなので、その変化は非常に滑らかです。大胆なパラメーター変化を行なっても、ポップ・ノイズやグリッチ・ノイズは一切発生しません。また、ステップ間のパラメーター変化のカーブもリニアで固定されているわけではなく、パラメーターごとに最適化してあります。言葉で説明するのは難しいですが、ノブを操作したのと同じような感覚でパラメーターが変化すると思ってください。
——— マルチタッチ・キーボードの演奏性は見た目以上に良い感じですが、普通の鍵盤を搭載するというアイディアはありませんでしたか?
EN “モバイル”というコンセプトが最初からあったので、普通の鍵盤を搭載することは考えませんでした。このマルチタッチ・キーボードは、指で押し込まなければならない感圧式ではなく、触れるだけで演奏ができる静電式です。そのため、壊れにくいのも特徴になっています。
UNO Synthは過去のどの製品とも似ていない、2018年型のアナログ・シンセサイザー
——— デザイン面でのコンセプトをおしえてください。
EN デザインに関しては、CEOのエンリコがすべてのイニシアチブを握っているので、彼に訊いてください(笑)。彼は全体的なデザインだけではなく、角丸のアールや差し色の赤の色味など、本当に細部のデザインまでこだわります。ただ、パラメーターのレイアウトに関しては私が、シーケンサーのユーザー・インターフェースに関しては彼(エンリコ・デル・アヴェルサナ氏)が中心になってデザインしましたね。何よりも“使いやすさ”を第一にデザインしました。
ED 素材選びもデザインの一つだったりします。こういうタッチ操作の楽器は、表面がツルツルしていると操作しにくいものです。なので今回、表面のパネルにはマットで指が引っかからずに操作できる素材を採用しました。
——— このサイズの筐体に、アナログ音源を搭載するのは大変だったのではないですか?
EN 最近のコンポーネントはとても品質が高く、なおかつ効率も非常に良くなっています。ですので、アナログ・シンセサイザーを作ると言っても、1970年代とは生産性やコストがまったく違うんですよ。従ってこの筐体に回路を収めるのは、それほど難しいことではありませんでした。昔と違い、回路が発する熱量も低く、本物のアナログ・シンセサイザーでありながら、単三乾電池4本で約10時間も動作します。
ED アナログ・シンセサイザーというと、チューニングが不安定というイメージを持っている人も多いと思いますが、「UNO Synth」はセルフ・チューニング機能を備えており、発音が止まった際に自動的にチューニングを行う仕様になっています。もちろん、マスター・チューニングは自分で設定することができます。
EN セルフ・チューニングと言っても、常に完璧な音程に合わせるのではなく、多少の揺らぎは持たせてあります。その揺らぎもアナログ・シンセサイザーの魅力だったりしますからね。
——— 開発にあたって苦労したことというと?
ED 「UNO Synth」は、いろいろな要素が相反しているシンセサイザーです。小さくても音は本格的、軽くても頑丈、電池駆動だけれども長時間使える、などなど……。それらを実現するのは、我々にとって大きなチャレンジでした。
EN その甲斐あって、とてもユニークなシンセサイザーが出来上がったと思っています。私はこれまで、数え切れないくらいのシンセサイザーを使ってきましたが、「UNO Synth」はそのどれとも似ていません。ヴィンテージのクローンではない、2018年型のアナログ・シンセサイザーと言っていいと思います。
——— “この音色が特に良い”というのはあったりしますか?
ED モノ・シンセなので、ベースやリードにはバッチリだと思いますが、音色のバリエーションが広いので、本当にオールマイティーに使っていただけると思います。2基のオシレーターをデチューンすれば、分厚い音ではありませんが、パッドのようなサウンドも出せますしね。
——— カラー・バリエーションを発売する予定はありませんか?
EN カラー・バリエーションに関しては、昨晩も話題になりました。CEOのエンリコは、“内部の基板が見える透明筐体もおもしろいんじゃないか”と言っていましたね(笑)。「UNO Synth」は、我々の新しい展開の第一歩です。カラー・バリエーションだけでなく、これからいろいろな展開があるかもしれません。ぜひ期待していてください。
- IK Multimedia – UNO Synth:27,000円(税込)
- IK Multimedia – UNO Synth:27,000円(税込)