SYNTH & MACHINE
ローランド、新型シンセサイザー「FANTOM-0」を発表…… 高音質と可搬性を両立した新世代オール・イン・ワン・シンセが登場
ローランドが新製品、「FANTOM-0(ファントム・ゼロ)」を発表。コスト・パフォーマンスに優れた新型オール・イン・ワン・シンセサイザーが間もなく発売になります。
今月25日に販売が開始される「FANTOM-0」は、ローランドのフラッグシップ・シンセサイザー FANTOMの高音質と機能を受け継ぎつつ、高いコスト・パフォーマンスを実現した新製品。61鍵の「FANTOM-06」、76鍵の「FANTOM-07」、88鍵/ピアノ・アクション鍵盤の「FANTOM-08」という3モデルがラインナップされ、FAシリーズの事実上の後継機にあたります。「FANTOM-0」の大きな特徴と言えるのが、プレイヤビリティを犠牲にすることなく優れた可搬性を実現している点で、61鍵の「FANTOM-06」は6.0kg、ピアノ・アクション鍵盤を搭載した「FANTOM-08」でも14.8kgというライト・ウェイトを達成。上位モデル FANTOMの質量は、61鍵モデルで15.3kg、88鍵モデルで27.7kgですから、かなり軽量であることがわかります。ローランドによれば、61鍵モデルと76鍵モデルでは、可搬性と演奏性を両立した最新のアクション鍵盤を採用しているとのこと(88鍵モデルでは、エスケープメント付き/象牙調のPHA-4スタンダード鍵盤を採用)。この優れた可搬性は、外に持ち出すことが多い人はもちろん、制作環境のレイアウトを頻繁に変える人にとっても嬉しい仕様と言えるでしょう。
心臓部となる音源は、おなじみの『ZEN-Core』を中心に、アコースティック音源の『SuperNATURAL Acoustic』、ピアノ音源の『SuperNATURAL Acoustic Piano』(EXSN01/03を含む)、エレクトリック・ピアノ音源の『SuperNATURAL Electric Piano』(EXSN02を含む)、VKシリーズ直系のオルガン音源『VTW(Virtual ToneWheel)Organ』(ZONE2のみ)を搭載。即戦力となる音色も、上位モデルのFANTOMから継承した3,500種類以上のプリセット(ドラム・キットは90種類以上)が収録されています。本体には書き換え可能な音源メモリーが備わっており、Roland Cloudから『Wave Expansion』『Model Expansion』『Sound Pack』などをダウンロードすることで、音源をさらに拡張することも可能。シーンあたり最大128個(!)のLFOが利用できるなど、エディット・パラメーターも充実、音づくりの可能性も大いに秘めた仕上がりになっています。加えて、最大128種類のマルチ・サンプルに対応した“キーボード・サンプラー”と、4×4のパッドでサンプルを扱える“PADサンプラー”、2種類のサンプラー機能も搭載。どちらも外部サンプル(WAV/AIFF)のインポートにも対応し、“キーボード・サンプラー”は1サンプルあたり最長2分44秒(合計約256MB)、“PADサンプラー”は最長60分(約660MB相当)のサンプルをハンドルできます。
楽曲制作用の機能としては、クリップ・ベースのパターン・シーケンサー、リズム・パターン機能、アルペジオ機能、コード・メモリー機能、MIDIファイルを即座に再生できるSMFプレーヤーなど、こちらも充実。パターン・シーケンサーのトラック数は16で、レコーディング方法はリアルタイム/ステップだけでなく、伝統の“TR-REC”にも対応。ピアノロール・エディットやマイクロスコープ・エディットもサポートし、パターンはトラックごとに最大8つ扱うことができます(パターンの長さは最長64小節)。内蔵のマルチ・エフェクトは90種類で、最大32バンドのステレオ・ボコーダー機能も装備。4ch入力/32ch出力のUSBオーディオ/MIDIインターフェース機能も搭載し、Apple Logic Pro/MainStageやAbleton Liveとはよりディープに連携できる(「FANTOM-0」側からさまざまな操作が行える)仕様になっています。
「FANTOM-0」の国内での発売日は2022年3月25日で、価格はオープン・プライス。税別の市場想定価格は、61鍵の「FANTOM-06」が148,000円、76鍵の「FANTOM-07」が179,000円、88鍵/ピアノ・アクション鍵盤の「FANTOM-08」が199,000円となっています。さらなる詳細は、ローランドのWebサイトをご覧ください。