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NAMM 2021: IK Multimedia、次世代のアナログ・シンセ「UNO Synth Pro」を発表…… 2種類のフィルターにより高度な音作りを実現
来週18日から22日にかけて開催されるオンラインの楽器ショー、『NAMM BELIEVE IN MUSIC』。その開幕を前に、IK Multimediaが新製品「UNO Synth Pro(ウノ・シンセ・プロ)」を発表しました。
IK Multimediaから大注目の新製品が登場します。イタリアのモジュラー・メーカー、Soundmachinesとのコラボレーションで開発された「UNO Synth Pro」は、人気のUNO Synthをさらに進化させた本格アナログ・シンセサイザー。3音パラフォニックでの使用にも対応した3基のオシレーターと、2種類のステートバリアブル・フィルターを搭載し、IK Multimediaによれば、“考えられるアナログ・シンセサイザーの音色、そのほぼすべてを作り出せる仕様になっている”とのこと。Fatar製の高品質なキーボードを搭載した37鍵フル・キーボード・モデル(製品名は「UNO Synth Pro」)と、コンパクトな32鍵タッチ・キーボード・モデル(製品名は「UNO Synth Pro Desktop」)の2製品がラインナップされるのもポイントです(2モデルの機能はほぼ同一)。
「UNO Synth Pro」の音源となるのは、完全ディスクリート回路の3基のオシレーター(+ホワイト・ノイズ・ジェネレーター)で、高性能ウェーブシェイパーによって波形(鋸波/三角波/矩形波)を連続的にモーフィングできる仕様になっているのが特徴。PWM/シンク/FM/リング・モジュレーションにも対応し、先述のとおり3音パラフォニックで使用することもできます。オシレーター・セクションの後段には、UNO Synthの流れを汲むOTAデザインの2ポール・マルチモード・フィルターに加え、SSIデザインの2/4ポール・ローパス・フィルターを搭載。SSIフィルターは、レゾナンスを上げると自己発振する仕様になっており、OTAフィルターとはまったく違うタイプの性質を持っているとのこと。OTAフィルターとSSIフィルターの接続は、シリアル/パラレル/位相反転など24種類の中から選択でき、この2タイプのフィルターの使いこなしが音作りの肝になると言っていいでしょう。最後段には12種類のプロセッサーをアサインできる3基のデジタル・エフェクターと、音色をサチュレートできるアナログ・ドライブも装備。フィルターとデジタル・エフェクター/アナログ・ドライブは、背面に備わったオーディオ入力によって、外部信号を処理することも可能になっています。
モジュレーション・ソースは、ADSRエンベロープ(ループ対応)と6波形のLFOを2基ずつ搭載。ADSRエンベロープはフィルター・カットオフとVCAにアサインされていますが、16スロットのモジュレーション・マトリクスによって、任意のパラメーターの変調用に使うこともできます。また、64ステップのシーケンサーと10モードのアルペジエーターも内蔵し、シーケンサーは最大40種類(!)のパラメーター・オートメーション、アルペジエーターは『コード・モード』によってパラフォニック発音にも対応。シーケンサー/アルペジエーターともに、外部同期にも対応します。
“Pro”という製品名に相応しく、ステレオ・オーディオ出力はTRSフォーン端子のバランス仕様で、「UNO Synth Pro」には高品質なFatar製キーボードを搭載。MIDI端子やUSB端子に加え、CV/Gate端子を2系統装備しているのもポイントで、人気のモジュラーシンセとの連携も考慮した設計になっています。シーケンサーのパラメーター・オートメーションをCV/Gate端子から出力することもできるようなので、高機能なCVシーケンサー/モジュレーション・ソースとしても活躍してくれそうです。
「UNO Synth Pro」の主な特徴は、以下のとおりです。
- Soundmachinesとのコラボレーションで開発された次世代のアナログ・シンセサイザー
- 37鍵フル・キーボード・モデル(製品名は「UNO Synth Pro」)と、コンパクトな32鍵タッチ・キーボード・モデル(製品名は「UNO Synth Pro Desktop」)の2製品がラインナップ
- 完全ディスクリート回路のオシレーターを3基搭載、3音パラフォニックでの使用にも対応
- PWM/シンク/FM/リング・モジュレーション機能
- OTAデザインの2ポール・マルチモード・フィルターと、SSIデザインの2/4ポール・ローパス・フィルターを搭載。2基のフィルターの組み合わせは、24種類の中から選択可能
- 12種類のプロセッサーをアサインできる3基のデジタル・エフェクターと、音色をサチュレートできるアナログ・ドライブを内蔵
- フィルターとデジタル・エフェクター/アナログ・ドライブは、ステレオ・オーディオ入力によって外部信号の処理にも対応
- 2基のADSRエンベロープと2基のLFOを装備、16スロットのモジュレーション・マトリクスによって縦横無尽に変調することが可能
- 40種類のパラメーター・オートメーションにも対応した最大64ステップのシーケンサーと、10種類のモードを選択できるアルペジエーターを搭載。外部同期にも対応
- 専用ライブラリアン・ソフトウェア(無償提供予定)
- ステレオ・オーディオ出力(TRSフォーン、バランス仕様)、ヘッドフォン出力、オーディオ入力(ミニ)、MIDI入出力、2系統のCV/Gate入出力、USB端子、電源供給用のUSB端子(UNO Synth Pro Desktopのみ)
- 「UNO Synth Pro」は電源アダプターが付属、「UNO Synth Pro Desktop」はUSBバス・パワーで動作
- 横幅55cm×奥行き30cm×高さ7cm/重量5.8kg(UNO Synth Pro)、横幅25cm×奥行き14cm×高さ5cm/重量700g(UNO Synth Pro Desktop)
IK Multimediaが満を持して送り出す新型アナログ・シンセサイザー、「UNO Synth Pro」。発売は2021年第1四半期予定で、価格はオープン・プライス、税別市場想定価格はフル・キーボード・モデルの「UNO Synth Pro」が84,800円前後、タッチ・キーボード・モデルの「UNO Synth Pro Desktop」が51,800円前後となっています。さらなる詳細は、IK MultimediaのWebサイトをご覧ください。