PROGRAMMING
SuperColliderでTR-808を再現するプログラム「SC-808」…… 808サウンドを自分好みにチューニング可能
プログラマーのYoshinosuke Horiuchiが、SuperColliderでローランド TR-808を再現するプログラム、「SC-808」を公開しました。
Mac/Windows/Linuxに対応したオープンソースの音響プログラミング環境、SuperCollider。音響研究/アルゴリズム作曲用のツールとしてはもちろんのこと、リアルタイム性に非常に優れていることから、ライブ・コーディング用フレームワークとしても多くの人に愛用されています(SuperColliderについて詳しくは、公式Webサイトをご覧ください。無料で利用することができます)。
Yoshinosuke Horiuchiが公開した「SC-808」は、SuperColliderでローランド TR-808を再現するプログラム。すべての音色は、サンプルの再生ではなくリアルタイムに生成され、付属のマニュアルではそのアルゴリズムが詳細に解説されています。もちろんSuperColliderのプログラムですので、ソース・コードに手を加えて、自分好みにカスタマイズすることも可能。Yoshinosuke HoriuchiはWebサイトで、“これまででもっとも柔軟でカスタマイズできる808”とアピールしています。
「SC-808」を使用するには、まずはSuperColliderをインストールします。そしてSuperColliderを立ち上げ、ダウンロードした“SC-808.scd”という名前のファイルを開きます。すると左側のエディターに「SC-808」のソース・コードが表示されますので、頭の4行(“(//booting a server〜〜〜”で始まる4行)を選択し(最初の“(”をクリックすれば、簡単に選択できます)、Command+Enter(Mac)/Ctrl+Enter(Windows)を押してサーバーを起動。次に、“(//launch sc808〜〜〜”で始まるソース・コードをすべて選択して、同じようにCommand+Enter(Mac)/Ctrl+Enter(Windows)を押して「SC-808」を立ち上げます。「SC-808」の起動が成功すれば、自動的にGUIが表示され、下部のボタンをクリックすると音が鳴るはず。もちろん「SC-808」は、外部からのMIDIコントロールに対応しており、同時に立ち上げたDAWから発音させることも可能。ソフトウェア音源として利用することができます。
Yoshinosuke Horiuchiによれば、「SC-808」の開発はロックダウン中に行われ、いまだに困難な状況に直面していることを受け、無料での公開を決めたとのこと。今後はプラグインの開発にフォーカスし、大学で音楽とソフトウェアについて学びたいとのことで、Patreonでサポーターの募集も行なっています(Patreonのサポーターには、8月末に「SC-808 Advanced」を提供予定とのこと)。さらなる詳細は、こちらのページをご覧ください。