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伝説のサンプラー:Fairlight CMI IIxの機能とUIをパソコン上に再現するソフト、「QasarBeach CMI IIz」
QasarBeach/AdamStrangeというデベロッパーが公開した「QasarBeach CMI IIz」は、1980年代に一世を風靡したサンプリング・ワークステーション、Fairlight CMI IIxを忠実に再現したソフトウェア(スタンドアローン・アプリケーション)。Fairlight CMIの強力なサンプル・エディット機能と未来的なユーザー・インターフェースを、Mac/Windows/Linux上で利用することができます。
“Fairlight CMI IIxの完全な再現”をコンセプトとして掲げる「QasarBeach CMI IIz」ですが、実機のソース・コードに一切アクセスすることなく(リバース・エンジニアリングなしに)、開発は完全にゼロから行われたとのこと。しかしながらコアとなる16ステレオ・ボイスのサンプラー機能、音色エディット/リアルタイム・コントロール機能、倍音合成機能、有名なPAGE Rシーケンサーなど、Fairlight CMI IIxの機能がほぼ完璧に再現されています。Fairlight CMI(Series I/II/IIx/III)で保存されたVCファイルも、ループ・ポイントやフィルター設定などを保持したままロードすることができ、さらにはWAV、AIF、OGG、SND、E-mu、コルグ、Kerzweil、Oberheim、PPG、ヤマハ、カシオ、Amiga(!)などなど、さまざまなフォーマットのファイルのロードに対応。これはもちろん、実機には無い機能で、あらゆる種類のサンプルをFairlight CMI IIxで利用することが可能になっています。
ユーザー・インターフェースは、Fairlight CMI IIxの画面表示を完璧に再現した上で、現代のOSに合わせて、ところどころ使いやすく改良されています。実機を使ったことがない人には難しく感じるかもしれませんが、サンプリング画面は『PAGE A』、ボイス・エディット画面は『PAGE 7』といった感じで、機能ごとに画面(PAGE)が分けられており、実際の操作はそれほど複雑ではありません。「QasarBeach CMI IIz」 には、PAGE 1〜9/A・D・E・F・K・M・P・R・S・Tと、合計19の画面が用意され、コンピューターのキーボードで切り替えることができます(キーボードの”1”を押せば、いつでも『PAGE 1』のインデックス画面に戻ることができます)。初めて使う人は、『PAGE 2』のディスク・コントロール画面で付属のサンプルをロードし、いろいろとエディットしてみるといいでしょう。実機ではライト・ペンを使って行うドローイングも、「QasarBeach CMI IIz」ではマウス(タッチ・スクリーンの場合は指)を使って行えるようになっています。
多くの名盤を生み出したヒストリカルな電子楽器、Fairlight CMI IIxをコンピューター上に再現するソフトウェア、「QasarBeach CMI IIz」。購入者が価格を決定するドネートウェアのような形式で公開されているので、購入前にすべてのファイルをダウンロードし、自身の環境でじっくり試用することが可能です。詳細なマニュアルも用意されているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。