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コルグ POLY-800を忠実に再現したソフト・シンセ、Full Bucket Music「FURY-800」の無償配布が開始
Full Bucket Musicが、コルグ POLY-800をイミュレートしたソフト・シンセ、「FURY-800(フューリー800)」をリリース。無償とは思えない、とても完成度の高いソフト・シンセに仕上げられています。
1983年に発売されたコルグ POLY-800は、49鍵の軽量/コンパクト・ボディに、ピッチが安定したDCOと24dB/octのローパス・フィルターを搭載したアナログ・シンセサイザー。8ボイス(ダブル・モード時は4ボイス)・パラフォニック仕様で、最大64種類の音色をプログラムでき、ステレオ・コーラスやコード・メモリー、シーケンサーといった機能も搭載。後年にはキーボードの色が反転したバージョンや、モジュール版のEX-800といったバリエーション・モデルもラインナップされ、MIDI対応のプログラマブル・シンセとして、アマチュアのみならずプロからも人気を集めました(コルグ POLY-800について詳しくは、Vintage Synth Explorerをご覧ください)。
今回リリースされた「FURY-800」は、コルグ POLY-800のサウンドと機能はもちろんのこと、このシンセの大きな特徴であるデジタル・コントロールのUIまでも忠実に再現。その上で、最大同時発音数は64ボイスへと拡張され、オプションでベロシティにも対応するなど、大幅な機能強化が図られています。内部のオーディオ処理は倍精度で、パラメーターはなめらかに変化するように中間値を補完しているとのこと。非常に高機能/高性能な「FURY-800」ですが、コードはすべてC++でネイティブ記述されているため、CPUの消費量が低く抑えられているのもポイントです。
「FURY-800」で強化された機能は、以下のとおりです。
- 最大64ボイスに切り替え可能(『VOICES』スイッチ)
- オプションでベロシティに対応
- パラフォニック動作ではなく、完全なポリフォニック動作にすることが可能(『GOD MODE』スイッチ)
- コード入力時もステップ数をボイスの数だけ消費してしまわない、完全に256ステップ使用できるシーケンサー
- すべてのパラメーターの同時エディット/表示に対応
- ステレオ・コーラスをモノで出力する際、必要に応じてライト・チャンネルの位相を反転することが可能(『”STEREO” CHORUS』スイッチ)
開発者のビョーン・アラト(Björn Arlt)氏によれば、Full Bucket Musicには以前から「どうしてPOLY-800を作り直さないんですか?」というリクエストが寄せられていたとのこと。アラト氏は最初、「なぜPOLY-800なんだろう?」と不思議に思ったそうですが、5ステージのADBSSR(アタック/ディケイ/ブレークポイント/スロープ/サスティン/リリース)エンベロープや、加算合成機能を持つDCOなど、注目に値する機能を備えたシンセサイザーであることが分かり、開発に取り組んだとのことです。
独特のUIによる音色エディットは少々慣れが必要ですが、『MIDI LEARN』機能で外部MIDIコントローラーを使用すれば、ハンズオンの音色エディットにも対応する「FURY-800」。Mac(AU/VST)とWindows(VST)の両方に対応し、Full Bucket MusicのWebサイトから無償でダウンロードできます(ドネートウェアですので、気に入って使い続ける方は任意の金額を寄付することもできます)。