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INTERVIEW

NAMM 2019: コルグ開発チームが語る、モジュラーの魅力が凝縮された新型volca、「volca modular」のすべて

来週木曜日にスタートする世界最大の楽器のトレード・ショー、『The NAMM Show』。その開幕に先駆けてコルグは本日、「minilogue xd」、「volca modular」、「volca drum」という3種類の新製品を発表しました。いずれも強力な新製品という印象ですが、中でも特に注目を集めそうなのが、volcaフォーマットのモジュラー・シンセ、「volca modular」。コンパクト筐体に8種類のモジュールを搭載、付属のピン・ケーブルで自由にパッチが組める本格的なモジュラー・シンセです。基本的な設計はBuchlaに代表されるウェスト・コースト・シンセを元にしており、2基のオシレーターによるFM機能やローパス・ゲート、ファンクション・ジェネレーターなどを装備。マルチプルやアッテネーターなどのユーティリティー系モジュールも備え、モジュラー入門機としても最適な仕上がりになっています。似たようなコンパクト・サイズのモジュラー・シンセは他にもありますが、モーション・シーケンス対応のシーケンサーを搭載しているのが「volca modular」の凄いところ。自由にパッチが組めるだけでなく、本体だけでシーケンスできる(しかもモーション・シーケンスまで!)というのは「volca modular」ならではの特徴です。もちろんvolcaなので、スピーカーも内蔵し、電池駆動にも対応。場所を選ばずに楽しめるモジュラー・シンセ、それが「volca modular」なのです。

そこでICONでは「volca modular」の開発を手がけた、コルグの三浦和弥氏(開発リーダー/電子回路設計担当) 、ノロ・エーベル エティエン氏(コンセプト・デザイン)、山田嘉人氏(開発グループ・マネージャー)の3氏にインタビュー。その開発コンセプトと機能について、じっくりと話を伺いました。

KORG - volca modular

手のひらサイズのモジュラー・シンセ、「volca modular」

——— 昨年、volca mixについてインタビューさせていただいた際、“新型volcaの開発は常に行なっている”とおっしゃっていたので、次はどんな製品が登場するか楽しみにしていたのですが、まさかモジュラーのvolcaが登場するとは思ってもみませんでした。「volca modular」の開発は、いつ頃スタートしたのですか?

エティエン 一昨年くらいですかね。新しいvolcaのアイディア自体は、たくさんあったんです。“こういうvolcaを出してほしい”というユーザーからのリクエストもありますしね。たくさんのアイディアの中から、パネルの試作を10種類くらい用意して検討し、次はモジュラーとドラムでいこうということになりました。特にモジュラーに関しては、世界的に盛り上がってますし、次はこれしかないだろうと自然に決まった感じでしたね。モジュラーに興味を持っている人は多いと思うんですが、それなりの値段がするので、誰もが簡単に手が出せるものではない。なので「volca modular」は、モジュラーに興味のある人に凄く価値のあるものになるのではないかと思ったんです。あとはぼくが個人的にモジュラーが大好きなので、単純に作りたかったというのもあります(笑)。

——— “volcaフォーマットのモジュラー・シンセ”というコンセプトは明快ですが、まとめ方というか方向性はいろいろあったのでは?

エティエン そうですね。「volca modular」を開発するにあたり、真っ先に浮かんだのが“ウェスト・コースト・スタイルのアナログ・シンセ”というアイディアだったんです。人気のEurorackもウェスト・コースト・スタイルのものが多いですし、「volca modular」もその方向性でいこうと決めました。volca keysは典型的な減算アルゴリズムのシンセですし、これまでのvolcaのラインナップには無かったタイプのシンセということで、ウェスト・コースト・スタイルというのは最初に決まりましたね。

もう一つ、大きなコンセプトだったのが、単体で遊べる製品にしようということでした。小型のモジュラー・シンセで人気のあるMake Noiseの0-Coastは、とても良い製品だと思いますが、やっぱりシーケンサーを繋げないとおもしろくない。なので「volca modular」は、これまでのvolcaと同じようにシーケンサーを内蔵して、それだけで十分楽しめる製品にしようと考えたんです。

——— “ウェスト・コースト・スタイルのアナログ・シンセ”と聞いてもピンとこない人も多いと思うので、どんなアルゴリズムなのか簡単に説明していただけますか。

エティエン シンセのアルゴリズムには、Moogに代表される東海岸=イースト・コースト・スタイルと、Buchlaに代表される西海岸=ウェスト・コースト・スタイルという大きく二つの潮流があるんです。ざっくり紹介すると、イースト・コースト・スタイルは異なる波形のオシレーターをミックスし、レゾナンス付きのローパス・フィルターや4ステージのADSRエンベロープで音色を作るアルゴリズム。鍵盤でオシレーターのピッチとエンベロープをコントロールするのも、イースト・コースト・スタイルの特徴です。一方のウェスト・コースト・スタイルは、2基のオシレーターによるFM変調やウェーブ・フォルダーで倍音を増やし、ローパス・ゲートや2ステージのADエンベロープで音色を作るアルゴリズムですね。ウェスト・コースト・スタイルのシンセは、鍵盤ではなくタッチ・プレートやシーケンサーでコントロールするものが多い。個人的には、ウェスト・コースト・スタイルのシンセは触っているうちに思いがけない方向に進んでしまうことが多く、それが大きな魅力だったりします。

KORG - volca modular

写真右から、コルグのノロ・エーベル エティエン氏(コンセプト・デザイン)、三浦和弥氏(開発リーダー/電子回路設計担当) 、山田嘉人氏(開発グループ・マネージャー)

ウェスト・コースト・シンセの機能をvolca筐体に凝縮

——— それでは「volca modular」とはどのようなシンセなのか、詳しくおしえていただけますか。

エティエン 「volca modular」は、8つのモジュールを搭載したウェスト・コースト・スタイルのシンセで、付属のピン・ケーブルを使ってパッチすることで、とても自由度の高い音作りが可能になっています。モジュールは、2基のオシレーターとウェーブ・フォルダーを備えた『SOURCE』、AHRとADの2基のファンクション・ジェネレーターを備えた『FUNCTIONS』、内蔵シーケンサーの出力にクロック・ディバイダーを追加した『SEQUENCES』、ピンク・ノイズをソースにサンプル・アンド・ホールドでランダムCVを出力する『WOGGLE』、パッシブ・マルチプルの『SPLIT』、2基のローパス・ゲートを備えた『DUAL LPG』、CVの加算/減算/アッテネートが行える『UTILITY』、デジタル・エフェクトの『SPACE OUT』の8つで、各モジュールのパッチ・ポイントは合計で50にも及びます。モジュラー・シンセということで、敷居が高いなと感じる人もいるかもしれませんが、「volca modular」は内部接続されたセミ・モジュラー設計になっているので、自分でパッチしなくても音を出すことができます。パネルをよく見ると分かりますが、内部接続のルーティングが薄い線でプリントされているんです。

三浦 8つのモジュールとは別に、モーション・シーケンスに対応した16ステップのシーケンサーも内蔵しています。もちろん、これまでのvolca同様、スピーカーも搭載していますし、電池駆動にも対応しています。

KORG - volca modular

パネルの左側。サウンド・ソースとなる『SOURCE』、モジュレーション・ソースの『FUNCTIONS』、ランダム・ソースの『WOGGLE』、内蔵シーケンサーの出口となる『SEQUENCES』(『WOGGLE』の左側)という4つのモジュールが配されている。『SOURCE』は2基のトライアングル・オシレーターとウェーブ・フォルダーで構成され、MODつまみによってFM変調が可能。各オシレーターの出力を別々に取り出すこともできる。『FUNCTIONS』には2基のファンクション・ジェネレーターが備わり、左側はAHR(アタック/ホールド/リリース)、右側はAD(アタック/ディケイ)という仕様。インバート出力やステージ終了時にパルスを出すトリガー出力も備え、トリガー出力をトリガー入力にパッチすればLFOとしても機能する。『WOGGLE』は、ピンク・ノイズが入力されたサンプル・アンド・ホールド回路で、ステップド・ランダムとスムーズ・ランダムという2種類のランダムCVを出力。『SEQUENCES』には、クロック・ディバイダーも備わっている

——— サウンド・ソースとなる『SOURCE』は、どのような波形を選択できるのですか?

エティエン 両方のオシレーターとも三角波のみです。もちろんアナログ回路で、トライアングル・コアのオシレーターですね。波形を三角波に固定したのは、FM変調を前提としているからです。鋸波でFM変調すると、倍音が立ち過ぎて汚い音になってしまいますからね。モジュレーターとなるオシレーターのピッチは、RATIOつまみで相対的に設定することができ、FM変調の度合いはMODつまみで調整できます。

山田 RATIOつまみの設定は、1対1の上にも下にもいけるので、FMの音作りにはとても便利ですね。ベースとして使ったり、ハーモニーとして使ったり。

三浦 加えてウェーブ・フォルダーも備えています。ウェーブ・フォルダーは3回波形を折り返す設計になっていて、これを使うことで1オクターブ上や2オクターブ上の倍音をきれいに出すことができます。折り返しで混ぜる方の波形は、若干形を歪ませているので、FOLDつまみを上げていくと、きれいな倍音と少しぶつかったような倍音が重なっていくようになっています。FM変調とウェーブフォルダーで倍音を立てていくという感じですね。

——— 2基のオシレーターは独立して使うこともできるのですか?

エティエン 使えます。キャリア・オシレーターの出力はウェーブ・フォルダーに接続されているんですが、モジュレーター・オシレーターは素で出力できるようになっています。ローパス・ゲートも2基備わっているので、デュアル・ボイスのシンセとして使うことができますね。

——— 『DUAL LPG』についてですが、ローパス・ゲートに馴染みのない人も多いと思うので、どのような回路なのかあらためておしえていただけますか。

エティエン ローパス・ゲートは、VCAとVCFの両方の特性を備えた回路で、音量が下がると高い周波数も減衰するというのが特徴です。

三浦 「volca modular」では、カットオフ・フリケンシーをそれぞれ設定できるようになっています。外部CVが最大のときのカットオフ・フリケンシーをCUTOFFつまみで決めるという感じですね。カットオフ・ポイントはレゾナンスさせていません。

KORG - volca modular

パネルの右側。パッシブ・マルチプルの『SPLIT』、2基のローパス・ゲート『DUAL LPG』、ユーティリティー・モジュールの『UTILITY』(『DUAL LPG』の下)、デジタル・エフェクトの『SPACE OUT』という4種類のモジュールが配されている。『SPLIT』はパッシブ回路なので逆方向でも使用でき、『DUAL LPG』ではカットオフ・フリケーシーを設定可能。『UTILITY』ではCVの加算/減算/アッテネートを行うことができ、入力はオーディオ・レートにも対応しているため、2基のオシレーターの出力を接続すればリング・モジュレーターとしても機能。『SPACE OUT』では音に広がり感/メタリック感を付加することができる。Eurorackモジュールなどを接続できるCV入力も2系統装備

——— モジュレーション・ソースは、ファンクション・ジェネレーターだけでなく、2つの出力を備えたランダム・ソースもあって充実していますね。

エティエン ローパス・ゲートは2基とも同じものですが、ファンクション・ジェネレーターは仕様が違っていて、1基はAHR(アタック/ホールド/リリース)、もう1基はAD(アタック/ディケイ)になっています。そしてAHRの方ではアタック・タイムとリリース・タイムを、ADの方ではエンベロープ・カーブと全体のタイムを設定できるようになっているのがポイントですね。どちらも普通の出力に加えて、インバート出力を備えています。

三浦 AHRの方はリリースに入ったときに、ADの方はディケイが終わったときにトリガーを出力するようになっています。これをファンクション・ジェネレーターのトリガー入力にパッチすることで、LFOとして使用することもできます。

エティエン 一方の『WOGGLE』は、ピンク・ノイズをソースにサンプル・アンド・ホールドで2種類のランダムCVを出力します。ステップド・ランダムとスムーズ・ランダムの2種類で、デフォルトではサンプル・アンド・ホールドは内蔵シーケンサーのクロックでトリガーするようになっています。

——— 『WOGGLE』というネーミングが良いですね。

エティエン 回路的にはWogglebug(註:グラント・リヒターがデザインしたWiardのランダム・ソース・モジュール。Make Noiseなど複数のメーカーから、Wogglebugを元に開発されたEurorackモジュールが発売されている)のコピーではないんですけど、、ランダム・ソースを『WOGGLE』と呼ぶことで、モジュラーの世界の影響を表現したかったんです。

——— コアとなるモジュールだけでなく、パッシブ・マルチプルやクロック・ディバイダー、さらには『UTILITY』モジュールも備わっているので、かなり自由度の高いパッチができそうです。

三浦 そうですね。マルチプルはパッシブなので逆方向でも使えますし、『UTILITY』はオーディオ・レートにも対応しているので、2基のオシレーターの出力を入れてリング・モジュレーターとして使うこともできます。

——— デジタル・エフェクトの『SPACE OUT』についておしえてください。

エティエン 音に広がり感やメタリック感を付加できるリバーブ的なエフェクトですね。ウェスト・コースト・シンセに内蔵されているスプリング・リバーブのようなエフェクトを意識しています。パラメーターはAMOUNTの1つだけなんですが、これは単なるウェット/ドライの調整ではなく、上げていくと複数のパラメーターがマクロ的に変化するようになっています。このAMOUNTもCVでコントロールすることが可能です。

三浦 「volca modular」は基本アナログ回路ですが、この部分だけはデジタルになっています。

KORG - volca modular

パッケージには20本のピン・ケーブルのほか、各モジュールの機能や基本パッチが分かりやすく紹介されたリファンレンス・カードも同梱される

モーション・シーケンス対応のステップ・シーケンサーも内蔵

——— シーケンサーは、volca keysなどと同じような感じですか?

エティエン 1パート/16ステップ仕様で、機能的には割とシンプルなんですけど、今回新たに『バウンス・シーケンス・モード』と『ストカスティック・シーケンス・モード』という2つの再生モードを追加しました。『バウンス・シーケンス・モード』は、シーケンスを往復再生するモードで、『ストカスティック・シーケンス・モード』はステップごとに、普通に進むか、1つ前に戻るか、そのステップをもう一度再生するか、あるいは1ステップ飛ばすかをランダムに選択するんです。

山田 ランダム・ウォークというか、迷いながらシーケンスが進む感じ。かなりおもしろいモードですね。

エティエン 再生する度に変化するので、毎回違うシーケンスを再生できます。『ストカスティック・シーケンス・モード』は再生をランダムで行う機能ですが、ノートやアクティブ・ステップに関してもランダマイズを設定できるので、思いがけないフレーズを次々に生み出すことができるようになっています。 それと「volca modular」はウェスト・コースト・スタイルのシンセということで、スケールに関しても平均律など14タイプを選択できるようになっています。1ノートごとにピッチを設定できるマイクロ・チューニング機能も搭載していて、これもランダマイズに対応しています(笑)。

——— モジュラー・シンセでありながら、モーション・シーケンスにも対応しているというのが凄いですね。

エティエン そうですね。『UTILITY』のアッテネーターとマスター・ボリューム以外の透明のつまみのパラメーターは、すべてモーション・シーケンスできます。ファンクション・ジェネレーターやローパス・ゲートをモーション・シーケンスできるというのは、「volca modular」ならではの特徴かもしれません。

山田 パッチングとモーション・シーケンスが同居しているというのは、これまでに無かったアプローチだと思います。同じことをEurorackでやろうと思ったら、かなり頭の良いシーケンサーを使って、複雑なパッチを組まないとダメですね。

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“MS-20と変わらない規模の回路”(山田氏)が詰め込まれた基板

——— パッチ用の端子にブレッドボードなどで使われているピン端子を採用したのはなぜですか?

エティエン Eurorackと同じ3.5mmのミニ端子だと、volcaのサイズに収まらないという単純な理由です。

山田 volcaのプラットホームでモジュラーを実現するには、この端子がベストだろうと判断しました。

——— グラント・リヒターがFacebookで、「volca modular」のリーク画像をシェアしていたのですが、それを見たトニー・ローランド(註:Make Noiseの創業者)が、“ブレッドボードのピン端子はすぐに壊れてしまうからモジュラー・シンセには不向きだ。だからこの画像はフェイクに違いない”とコメントしていました。実際、その耐久性はどうなのでしょうか。

山田 製品側のピン・ジャックは、注意して耐久性の高いものを選んでいます。専用の耐久試験器を作り、数万回抜き挿しするテストを行いましたが、それでも壊れませんでした。もちろん、強引に挿したりすると壊れてしまうこともあるとは思いますが、普通の使い方であれば問題ないと思います。一方で、ピン・ケーブルはメーカーによって強度にばらつきがあります。力を加えて90度方向に曲げたりしていると断線することもありますが、非常に安価に手に入るので心配ないと判断しました。

——— 電圧はEurorackと互換性があるのですか?

山田 本当はEurorackと互換性のある電圧にしたかったのですが、±5Vや0〜10Vにすると電池がすぐに無くなってしまうんです。volcaは電池で動かなければならないので、±3.3VとEurorackよりも少し低い電圧になっています。

エティエン Eurorackで「volca modular」をコントロールできるCV入力も備わっています。CV入力はステレオ・ミニ端子になっていて、TIP側は±5Vを±3.3Vに降圧して出力し、RING側はピッチ・コントロール用の0〜6Vの電圧を想定しています。

山田 どちらもEurorackの電圧をそのまま入れても壊れはしませんが、少し潰してから入れた方がいいですね。

——— CV出力もあるとおもしろかったかもしれませんね。

三浦 電圧を上げて出力する必要があるので、電池駆動のvolcaでは難しかったんです。

エティエン でも、それは簡単に作れると思うので、きっと誰かが出すんじゃないですかね。Eurorack-Buchlaコンバーターのように。

——— 開発にあたって苦労した点というと?

エティエン volcaフォーマットで、ウェスト・コースト・スタイルのシンセを実現するというのは大きなチャレンジでした。筐体の大きさは決まっているので、表に出せるパラメーターは限られていますからね。どのパラメーターを表に出して、どこにレイアウトするかというのは頭を悩ませた部分です。

山田 これまでに無い製品なので、正解がありませんでしたからね。

三浦 個人的にはアナログ回路の設計は一番苦労しました。今回、オシレーターなども新規で開発しましたし、ウェーブ・フォルダーもこれまで手がけたことがなかったので大変でしたね。音色の根っこになる倍音を作る部分なので、微調整を重ねてこだわって設計しました。

山田 回路の規模的にはMS-20とほとんど変わらないと思うんです。それをこのサイズに収めないといけないわけですから本当に大変でしたね。基板を見てもらえれば分かりますが、つまみの隙間にも回路がギッシリ入っています。

——— 見事なバランスで、とても良い製品に仕上がっている印象です。モジュラー・シンセの入門機として最適ですね。

エティエン それを目指して開発したので、そう言ってもらえると嬉しいです。モジュールの機能やベーシック・パッチをイラストで分かりやすく紹介したカードも付いていますし、モジュラー・シンセに興味のある方はぜひチェックしてほしいですね。

三浦 どんなパッチをしても、この中でやってもらう分には壊れません。なので、各モジュールの機能が分からなくても、適当にパッチしてもらえれば。パッチをすれば何かが変わるので、それはとても楽しいのではないかと思います。

エティエン 何も考えずにとにかく自由に遊んでほしいです。いろいろパッチすれば想像しなかったおもしろい音に出会えますから。

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