AES 2012 San Francisco

AES2012: Pro Tools側からボリューム・オートメーションが可能なサミング・ミキサー、Greiner Engineering Tools「sum.mation」

先日紹介したEndless Analog「CLASP」に引き続き、AESコンベンション・サンフランシスコで見かけた興味深いアイテムをレポートしたいと思います。

Greiner_Engineering_Tools_sum_mation_1

少し前にGearslutzなどで話題になっていた、Greiner Engineering Tools社の「sum.mation」というツールをご存じでしょうか。「sum.mation」は、1Uラック・サイズのシンプルなサミング・ミキサーで、USBでコンピューターと接続することにより、プラグインでボリュームをコントロールできるというユニークな機材なのですが、今回AES会場であるディーラーに見せてもらうことができました。

Greiner_Engineering_Tools_sum_mation_5

一時期、DAWミキサーの飽和感を緩和するアイテムとして、サミング・ミキサーや小型のアナログ・コンソールがもてはやされましたが、その場合サミング・ミキサー側のレベルは固定で、各チャンネルのボリューム・コントロールはDAW側で行うという使い方が普通でした。しかし「sum.mation」では、単純に信号をサミングするだけでなく、ボリューム・コントロールもアナログ段で行うことで、よりアナログ・ミックスの特長を引き出した製品となっています。

Greiner_Engineering_Tools_sum_mation_3

Greiner_Engineering_Tools_sum_mation_4

入力はステレオ16chをD-Sub 25pinで装備し、メインの出力はXLRという仕様。最大で6台併用することができ、その場合ステレオ96ch入力という大規模なサミング・ミキサーを構築することができます。DAWのホスト・コンピューターとはUSBで接続し、現時点でコントロール・プラグインはRTASのみ提供されます(話を伺ったディーラーによれば、AAXにも対応予定とのこと)。このプラグインは、「sum.mation」のボリュームやミュートなどをコントロールするためだけのものなので、もちろんオーディオ信号は処理しません。

Greiner_Engineering_Tools_sum_mation_2

ディーラーによれば、開発しているのはフランス人とのことですが、オフィスはアメリカにあるGreiner Engineering Tools社。「sum.mation」の価格は2,500ドルで、既に販売中とのこと。また、第二弾製品として、ミキシング・コンソール内蔵のオートメーション機能を使ってDAWをコントロールするためのツール、「auto.mate」も準備中とのことです。

Greiner Engineering Tools

http://greinerengineering.com/

AES_Convention_2012_Banner_640