#ProTools session cloud collaboration in real time: metadata and media exchanges and distribution. #AvidConnect @avid
— Michael Kammes (@michaelkammes) 2014, 4月 5
MUSIKTECHNIK
Avid、Pro Toolsのクラウド・コラボレーション機能「Pro Tools|Cloud」をプレビュー…… 離れた場所にいる複数ユーザーの共同作業が可能に!
Avidは、世界最大の放送機器展 NAB Show(2014年4月5日〜10日/於・アメリカ・ラスベガス)に合わせて、大規模なイベント“Avid Connect 2014”を開催。その冒頭の基調講演では、CEOであるルイス・ヘルナンデス・ジュニア(Louis Hernandez, Jr)氏が登壇し、同社が掲げる「Avid Everywhere」構想を発表しました。
「Avid Everywhere」は、“コンテンツ・クリエイター”(映像や音楽/音響を制作する団体や個人)および“メディア・オーガナイザー”(テレビ局やレコード会社など)と消費者を、より効率的かつ強力に結びつけるのを手助けする、同社の戦略的ビジョンとのこと。少々わかりにくいのですが、同社の製品群は今後、「Avid Everywhere」という構想のもとで有機的な連携がさらに進み、コンテンツ制作からメディアの管理/保管、そしてそれらの販売(マネタイズ)に至るまで、よりスムースかつ効率的に行えるようになる……というイメージでしょうか。
そして「Avid Everywhere」構想の基盤となるのが、「Avid MediaCentral Platform」です。「Avid MediaCentral Platform」は、コンテンツを制作するためのツール・セットである「Artist Suite」、制作されたコンテンツ/アセットを管理するための「Media Suite」、そしてそれらを効率的に保管するための「Storage Suite」という3つのアプリケーション・スウィートで構成されます。おそらく、「Artist Suite」にはPro ToolsやMedia Composer、「Media Suite」にはInterplay、「Storage Suite」にはISISといった製品が含まれるのでしょう。さらに「Avid MediaCentral Platform」には、コンテンツ/メディアを販売(マネタイズ)するための「Public and Private Marketplaces」というソリューションも用意されるとのことです。
基調講演の中では、「Avid Everywhere」構想を実現するための新しいテクノロジーもいくつかお披露目されました。その中のひとつが、Pro Toolsのクラウド・コラボレーション機能です(一部では、「Pro Tools|Cloud」と呼ばれているようです)。
この新しいクラウド・コラボレーション機能では、以下のようなことが可能になるとのことです。
● Pro Toolsセッションをクラウド・ストレージにアップし、共同作業したいユーザーを招待
● 同一のPro Toolsセッションに複数のユーザーがアクセスし、同時あるいはオフラインで作業することが可能
● 録音/編集/ミックスなど、Pro Toolsセッションに加えた変更は、すべてのユーザーのPro Toolsにプッシュされる
● すべてのユーザーがPro Toolsセッションに加えた変更は、タグ付けされたリッチ・メタデータを含むファイルとして、自動的にセーブされる(つまり、いつでも以前の状態に戻ることが可能)
● スマートフォンなどのモバイル・デバイスを使って、Pro Toolsセッションの出力をストリーム試聴することが可能(つまり、遠隔地でPro Toolsが無い環境でも、ミックスの確認が行えるということ)
● 他のユーザーとは、ビデオ・チャットやテキスト・チャットでコミュニケート可能
要するに、以前紹介したOhm Force Ohm Studioのようなクラウド・サーバーを介したコラボレーション機能が、遂にPro Toolsにも実装されるというわけです。基調講演の中では、実際にどのように機能するかデモンストレーションされたようで、ハリウッドのテクニカル・ディレクター/コンサルタントであるMichael Kammes氏は、いくつかの写真をTwitterにアップしていました。
#ProTools cloud collaboration! Really look at pic #AvidConnect @avid pic.twitter.com/KQO7fVlVqT
— Michael Kammes (@michaelkammes) 2014, 4月 5
All changes auto uploaded, user accepts changes #ProTools #AvidConnect @avid pic.twitter.com/dmuF7CbmIe
— Michael Kammes (@michaelkammes) 2014, 4月 5
#protools iPad collaboration app #AvidConnect @avid pic.twitter.com/hfsErgiNdM
— Michael Kammes (@michaelkammes) 2014, 4月 5
Avidが発表したプレス・リリースによれば、このクラウド・コラボレーション機能の実現にあたって現在、Pro Toolsセッションの変更履歴をメタデータとして保存するためのオーディオ・アーカイブ・サービスと、Pro Toolsセッションや2ミックスなどを保存するためのクラウド・ストレージ・サービスの開発に取り組んでいるとのことです。
このPro Toolsのクラウド・コラボレーション機能に関して、実装形態やリリース時期、価格などは現時点ではまだ明らかにされていません。しかしこれは多くのユーザーが待ち望んでいた機能なのではないでしょうか。実際にリリースされるのがとても楽しみです。
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