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Steinberg、楽譜作成ソフトウェア「Dorico」を正式発表! 著名な浄書家たちの協力のもと、4年以上の年月をかけて開発された新世代スコアリング・ツール

Steinbergが、以前からアナウンスしていた楽譜作成ソフトウェア、「Dorico(ドリコ)」を正式に発表。ヤマハミュージックジャパンは、2016年11月下旬に国内販売を開始すると告知しています。

Steinberg - Dorico

Dorico」は、Avid Sibelius開発の中心メンバーだったDaniel Spreadbury氏率いるR&Dチームが、2012年頃から開発を進めていた新しい楽譜作成ソフトウェア(そのことが明らかになった際の記事はこちら)。開発の進捗状況は『Making Notes』と名付けられたブログで随時報告されていましたが、このたび遂に発売されることになりました。

Steinbergによると、シンプルで直感的に操作できるユーザー・インターフェースと、独自の自動浄書エンジンによって美しい楽譜を簡単に作成できる点が「Dorico」の大きな特徴とのこと。ユーザー・インターフェースは、ノート型パソコンのようなシングル・ディスプレイでも快適に操作できるように設計され、“設定”、“記譜”、“浄書”、“再生”、“印刷”という5種類のモードを1クリックで切り替え可能。楽譜の両脇と下部にはパネルが表示されますが、それらは1クリック/ショート・カットで非表示にできるため、ディスプレイいっぱいに楽譜を表示させて作業することが可能になっています。

Steinberg - Dorico

楽譜作成ソフトウェアで最も重要なのが、“少ない手間でいかに美しい楽譜を作成できるか”という点ですが、「Dorico」は著名な浄書家と共同開発した自動浄書エンジンを搭載。音符などの記譜要素は、常に美しい間隔/バランスに調整され、もちろん組段間の距離も自動で調整されます。

Dorico」での作業内容は“プロジェクト”として保存され、ファイルの中には“フロー”と呼ばれる独立した楽譜を必要な数だけ含めることが可能。オーケストラなどの大規模な楽譜の作成にも余裕で対応します。また、最初から64bitアプリケーションとして開発されているため、マルチ・コアCPUに最適化されたアーキテクチャーとなっているのも特徴。大規模な楽譜をRetina Displayのような高解像度ディスプレイで作成した場合も、表示や動作が重くなることはなく、快適に作業することができます。

Steinberg - Dorico

さらにはCubaseやNuendoと同一の高性能オーディオ・エンジンを搭載。VST 3フォーマットのソフトウェア・インストゥルメント/プラグイン・エフェクトをサポートしており、作成した楽譜をMIDIデータとして再生、音源を発音させることが可能になっています。“再生”モードでは、ピアノ・ロールやオートメーション・レーンを使ったMIDIデータの編集も可能で、DAWソフトウェアのようなミキサー・ウィンドウも装備。

Steinberg - Dorico

楽譜に記した演奏技法をソフトウェア・インストゥルメントの発音に適用できる“VST Expression 2”や、ノートごとにエクスプレッション・コントロールが行える“VST Note Expression”などにも対応しています。音源としては、HALion Sonic SE 2のサウンドが1,300種類とHALion Symphonic Orchestraのライブラリーが付属し、プラグイン・エフェクトも計25種類収録されています。

作成した楽譜はそのままプリントできるほか、PDF/SVG/TIFFの各フォーマットで書き出すことが可能(印刷所に入稿するためのモノクロPDFの作成にも対応)。また、DAWソフトウェアで作成したMusicXMLファイルやMIDIデータのインポートにも対応しています。

Steinberg - Dorico

Steinbergが満を持して世に送り出す、新世代楽譜作成ソフトウェア「Dorico」。Mac(OS X El CapitanあるいはmacOS Sierra)/Windows(10)に対応し、コピー・プロテクションには他のSteinberg製ソフトウェア同様、eLicenserが採用されています(パッケージにはUSB-eLicenserが同梱)。価格はオープン・プライスで、市場予想価格は通常版が58,000円、Finale/Sibelius/Notionからのクロス・グレード版が30,000円、アカデミック版が35,000円、アカデミック版のクロス・グレードが18,000円となっています(価格はすべて税別)。

Steinberg - Dorico