MUSIKTECHNIK

クリプトン・フューチャー・メディア、音符ごとに声色を変えられる革新的な新機能“E.V.E.C.”を導入した新VOCALOID、「巡音ルカ V3(仮)」のティーザー・ページを公開

クリプトン・フューチャー・メディアが、開発中の新製品「巡音ルカ V3(仮)」のティーザー・ページを公開。その新機能を明らかにしています。

Crypton - Megurine Luka V3

Piapro Studio上で動作する「巡音ルカ V3(仮)」。各ノートの左上には見慣れない青色や赤色のマークが付いているが、これが「E.V.E.C.」の“Voice Color”機能によって設定された声色。声色は“ノートの設定”ウィンドウの新しい“自動音素分割”タブによって設定する

「巡音ルカ V3(仮)」では、クリプトン・フューチャー・メディアが独自に開発した多くの新機能が盛り込まれるとのことですが、本日ティーザー・ページで公開されたのは「E.V.E.C.(Enhanced Voice Expression Control)」という新機能。「E.V.E.C.」によって、従来のVOCALOIDでは難しかった“歌声の細やかな表情付け”や“吐息の抜け”、“子音の補強”といったエディットが可能になるとのことです。

「E.V.E.C.」には、“Voice Color”、“Voice Release”、“子音拡張”という3つの機能が用意されています。中でも注目は、“Voice Color”というノートごとに声色を設定できる機能。「巡音ルカ V3(仮)」に含まれるデータベースは日本語と英語の2種類ですが、“Voice Color”機能を使えば、ノートごとに“Whisper”や“Soft”、“Power”といった声色を設定することができるのです。これまでは同じことをする場合、複数のトラックに声色の異なるライブラリーをアサインして、それらを切り替える必要がありましたが、「巡音ルカ V3(仮)」では1本のトラックで声色を変化させることが可能になるわけです(上の画面キャプチャーを参照のこと)。これは待望の機能と言えるのではないでしょうか。

Crypton - Megurine Luka V3

また“Voice Release”は、歌声のリリース部分、つまりフレーズのお尻の“吐息”をコントロールできる機能。“Breath-Short”や“Breath-Long”といったプリセットを選択することで、歌声のリリース(吐息)をイメージに合うようにコントロールできます。 最後の“子音拡張”は、任意の子音を反復できる機能。これによりベロシティを小さく設定しているノートでも、歌詞を明瞭に聴こえさせたり、様々な表現が可能になります。

なお、これら「E.V.E.C.」のエディットに関しては、Piapro Studioでは“ノートの設定”ウィンドウなどを使って簡単に行うことができますが、VOCALOID Editorでも音符を細かく分割して音素記号を手動入力すれば可能とのことです。

「巡音ルカ V3(仮)」には「E.V.E.C.」以外の新機能も搭載されるとのことで、それに関しては順次ティーザー・ページで公開されるとのこと。次期「巡音ルカ」はかなり凄いVOCALOIDになりそうです。