MUSIKTECHNIK

AES 2014: DAWのミキサーで、古いSSLコンソールのオートメーションをコントロールするためのインターフェース、「Tangerine Automation Interface」

カナダのガレージ・メーカー、THD-Labs社がひじょうにおもしろい製品を出品していました。同社が開発した「Tangerine Automation Interface(TAI)」は、SSLのアナログ・コンソール(4000/6000/8000)のミキシング・オートメーションを、DAWミキサーのオートメーション機能で代用するためのインターフェース。つまり「TAI」を使えば、DAWでSSLのオートメーションが可能になるというわけです。

THD-Labs - Tangerine Automation Interface
THD-Labs - Tangerine Automation Interface

金属製筐体の「TAI」には、SSLコンソールと接続するためのコネクターが4基、DAWのホスト・コンピューターと接続するためのUSB端子が1基備わっています。コンソール接続のコネクターは1基あたり8ch扱うことができるので、「TAI」1個で32chのミキシング・オートメーションが可能。USBハブを使って複数個の「TAI」を併用すれば、33ch以上のミキシング・オートメーションにも対応します。

そしてDAWのコントロール・プロトコルは、HUIとMackie Controlをサポート。従ってこれらのプロトコルをサポートしたDAWであれば、「TAI」を使ってコンソールをオートメーションすることができます。HUI/Mackie Controlプロトコルということで、気になるのがオートメーションの分解能ですが、コンソールからDAWにデータを書き込んだ際の分解能は1,024段階(10bit)、DAWからコンソールにデータを読み込んだ際の分解能は4,096段階(12bit)と、十分な分解能となっています。

THD-Labs - Tangerine Automation Interface
THD-Labs - Tangerine Automation Interface

THD-Labs社のDaniel Benoitさんによれば、「TAI」は既に量産に入っており、カナダのスタジオを中心に複数のオーダーが入っているとのこと。「DAWでSSLをオートメーションできるというのは、エンジニアにとってかなり魅力的なことなんじゃないかな。オートメーション・データを、DAWのセッション/プロジェクト・ファイルに保存できるというのも便利だしね」とのことでした。ちなみに「TAI」の名前と筐体色の元になっているタンジェリンに関しては、単に好きだからというだけで特に意味は無いそうです。

今後は2Uサイズのラックマウント・ケース、コンソール組み込み用のLCDタッチ・スクリーン・ユニット、モータライズ・フェーダー・ユニットといったオプションの販売も検討しているという「TAI」。今月22日販売開始予定で、気になる価格は4,295ドルとのことです。

THD-Labs - Tangerine Automation Interface