
MUSIKTECHNIK
NAMM 2014: ローランド、INTEGRA-7直系の新型ミュージック・ワークステーション「FA-08/FA-06」を発表
ローランドが特設サイト“Roland CONNECT”で、新製品「FA-08」と「FA-06」を発表しています。

「FA-08/FA-06」は、ワークステーション・タイプの新しいシンセサイザー。INTEGRA-7直系の音源、マルチ・エフェクト、サンプラー、シーケンサーといった機能が統合され、さらにはコンピューターを接続できるオーディオ・インターフェース機能も備えています。「FA-08」と「FA-06」の基本機能は同一で、RD-300NX直系のアイボリー・フィールG鍵盤を搭載した88鍵モデルが「FA-08」、シンセ・タッチ鍵盤を搭載した61鍵モデルは「FA-06」となります。

● INTEGRA-7直系の高機能/高品位な音源を搭載
「FA-08/FA-06」の核となるのは、INTEGRA-7直系の高機能/高品位な音源部。JUPITER-80/50で定評のあるSuperNATURALサウンドに加え、PCM音源として名機XV-5080の全音色を収録。SuperNATURALサウンドは、SuperNATURALアコースティック・トーン(ピアノ、ギター、ストリングスなど)、SuperNATURALシンセ・トーン(アナログ・シンセサイザーの振る舞いを表現した音源)、SuperNATURALドラム・キット・トーンの3種類のトーンを収録し、GM2配列にも対応したPCM音源部は、ドラム音色を強化した内容になっているとのことです。さらにはINTEGRA-7で好評だったウェーブ・エクスパンション・スロット機能も搭載。ウェーブ・エクスパンション・スロット機能は、言ってみれば“バーチャルな”拡張カード・スロットで、ここにはAxial(ローランドが運営するサウンド・ライブラリー・サイト)からダウンロードしたサウンド・ライブラリーを、USBメモリ経由で自由に読み込むことができます。
なお、このメイン音源部は16パート仕様で、最大同時発音数は128音となっています(最大同時発音数は、音源負荷によって変化するとのこと)。

● 16パートで異なるプログラムが使える強力なエフェクト機能
「FA-08/FA-06」は、16系統のマルチ・エフェクト(MFX)、16系統のパートEQ、6系統のドラム・パート用コンプレッサー+EQ、コーラス、リバーブ、マスター・コンプレッサー、マスターEQ、トータル・エフェクト(TFX)、マイク・インプット・リバーブといった強力なエフェクト機能を搭載。特に注目は、マルチ・エフェクトを16系統搭載している点で、これによりメイン音源部の全16パートに異なるエフェクトをかけることが可能になっています。マルチ・エフェクトは、それぞれ68種類のエフェクト・タイプの中から選択可能(Vocoderは、パート1でのみ使用可能)。出力直前に搭載されているトータル・エフェクト(TFX)は、SP-404SX直系の機能とのことで、“DJ FX LOOPER”や“ISOLATOR”といったトリッキーなエフェクト処理が可能になっています。
● SDカードからダイレクト再生が可能なサンプラー
16bit/44.1kHz/8音ポリのサンプラー機能を搭載。このサンプラー機能では、ライン入力(ステレオ・ミニ端子)やギター/マイク入力(フォーン端子)から直接サンプリングしたサウンドや、SDカード(SDHC対応)に保存したWAV/AIFF/MP3フォーマットのオーディオ・ファイルをサンプルとして扱うことができます。注目すべきは、メモリにサンプルを読み込むのではなく、SDカードに直接サンプリング/SDカードから直接再生する仕様になっていること。これによって、ボーカルや楽曲を丸ごとサンプリングすることが可能になっています。鍵盤右上には、4×4=16個のサンプリング・パッドが備わっており、サンプルは16パッド×4バンク=64音スタンバイしておくことが可能。

このサンプラー機能は、メインの音源部とは完全に独立しているようで、サンプル素材をメインの音源部のパラメーターで加工したりといった処理はできないもよう。しかしながらSDカードを使ったサンプリング機能は、ライブ時のオケ出しなどにも活躍してくれそうです。
● ステップ入力やイベント・リスト編集にも対応したシーケンサー
16トラックのMIDIシーケンサー機能を搭載。録音ボタンを押せば直ちにリアルタイム・レコーディングに入ることができ、指定した範囲でのループ・レコーディングにも対応。ステップ入力やイベント・リスト編集にも対応しているとのことです。
● USBオーディオ・インターフェース機能を統合
USBでMac/Windowsに接続することにより、オーディオ・インターフェースとしても機能。ライン入力やギター/マイク入力の音をDAWにレコーディングすることが可能です。また、Logic ProやSONAR、CubaseといったDAWソフトウェアに対応したコントロール・マップを搭載。「FA-08/FA-06」の各操作子を使って、DAWソフトウェアをコントロールすることが可能になっています。

● 16パートの出力をオーディオ・ファイルに一括書き出しが可能
DAWとの連携機能が充実している点は、「FA-06/FA-08」の大きな特徴です。オーディオ・インターフェース機能やコントロール・マップ以上に注目したいのが、シーケンサーで内部の音源+サンプラーを鳴らしたサウンドを、WAVファイルに書き出すことができる“マルチ・トラック・エクスポート機能”を備えているところ。これにより、内蔵シーケンサーで作成した楽曲を、16パート一気にオーディオ・ファイルとして書き出すことができ、作成したオーディオ・ファイルはSDカード経由でDAWにインポートすることができます。
「FA-08」と「FA-06」の価格と発売時期についてはまだアナウンスされておらず、来週開催されるNAMM Showで初めて実機がお披露目されるようです。
