MUSIKTECHNIK
世界の楽器店から 第1回:Noisebug(アメリカ・ポモナ)〜 西海岸のシンセ・フリークの聖地 〜
今週水曜日(2013年5月22日)まで、所用でアメリカ西海岸に行っていたのですが、その際、前々から気になっていた楽器店「Noisebug」におじゃましてきました。「Noisebug」は、ロサンゼルス国際空港から東に約50km(クルマで約1時間)、カリフォルニア州ポモナ(Pomona)という街にある楽器店。販売だけでなく、輸入代理店業務も手がけており(英Analogue Solutions社など)、NAMM Showにもたまに出展していたりします。ちなみにEurorackマニアにはおなじみの「Analogue Heaven」は、「Noisebug」の中心メンバーだった人物が始めたオンライン・ショップです。
ポモナ、もちろん初めて訪れたのですが、想像以上に田舎町という感じでした。地図を見ると電車が走っていたので、ちょっと賑やかな街を想像していたのですが、人通りもまばらな本当に静かな田舎街。ただ、治安はそんなに悪くはなさそうです。
店内のようす。広い店内に余裕をもって商品が展示されています。BGMはかかっておらず、とても静か。
英Analog Solutions社のOberheim SEMインスパイア系シンセサイザー、「Telemark-K」。実機を初めて見ました。ARP Odysseyのようでカッコいいです。
右側のパネルでパッチングも可能。
バック・パネルの「SYNTHESIZER」というプリントがまたカッコいいですね。
同じく英Analog Solutions社のラック・シンセ、「Telemetry」。シンプルな構成ですが、右側のマトリクス・パッチによって縦横無尽なモジュレーションが可能。
輸入代理店だけあって、英Analog Solutions社の製品が充実しています。
おなじみペルーのAtomosynth「Mochika XL」。シーケンサー内蔵のアナログ・シンセサイザーです。音を出してみたら意外と良く、245ドルと安価だったので思わず購入してしまいました…… (^^; ちなみにこれはプロト・タイプとのことで、量産型とは微妙に違うとのこと……。
店頭で適当に触ってみました。
ショップ奥のモジュラー・シンセ・スペース。
Pittsburgh Modularのポスターの下には、同社製のEurorackケースが。対応してくれたNoisebugのアントニオ・ロドリゲス(Antonio Rodriguez)さんによれば、Pittsburgh ModularのEurorackケースが今はいちばんのオススメだそうです。
誰もが憧れるBuchla 200a。このシステムだと、大体300万円くらい?
これはカッコいいBuchla 200aのアート・ポスター。限定品で、価格は100ドル。
なんとDon Buchlaの直筆サイン入り!
デーンと展示されているのは、Moon Modular。Noisebugは、Moon Modularの販売代理店でもあるようです。
Eurorack規格ではないですが、欧米のシンセ・フリークの間で評価の高いMoon Modular。
Moon ModularをClavia NordDrumと組み合わせているのが素敵です。
モジュラー・シンセ・スペース中央には、いろいろなメーカーのEurorackモジュールがマウントされたDoepfer製ラックが。
タマりません。
上段にマウントされているのは、Pittsburgh Modularのモジュール。アントニオさんいわく、モジュラー初心者にもオススメのモジュールとのこと。
Pittsburgh Modularの次に売れ筋なのが、Synthesis Technologyのモジュールとのことです。
アントニオさんに、個人的に気に入っているモジュールはどれ?と訊いたところ、迷わず「Kilapatrick AudioのPattern Generator(K4815)かな」という答えが。「単純なマトリクス・シーケンサーのようで、おもしろいパターンの動きがいろいろと作れるんだ。走らせながら、モーションの種類や長さ、パターンの種類などを簡単に変えることができる。最高におもしろいモジュールだよ」(アントニオさん)
そして、Synthesis Technologyの「Cloud Generator(E340)」も同じくらいお気に入りとのこと。「コイツは複雑な波形を簡単に生成できるのが魅力。それに音もすごく良いんだ」(アントニオさん)
モジュラー・シンセで延々と遊ぶ、店長らしきおじさん。
Buchla 200aの上に飾られているのは、Analogue Solutions社オリジナルのアート・ワークのこと。これも素敵です。
ラフに処分販売されている店頭展示モジュールたち。
新品と中古が入り交じって販売されているギター・ストンプ・コーナー。向こうのシンセサイザー・ショップは、必ずと言っていいほどギター・ストンプも扱ってますね。
コンピューター関連製品は少なめで、Arturia製品とAbleton Liveが売っていたくらいでした。
シンセサイザーTシャツもたくさん販売中。Pittsburgh Modular Tシャツが欲しかった……。
Moogスリップマット。
Moogマグカップ。
入口付近には、ローランド SBX-10、ヤマハ VL-1などの中古が。
ショップ奥には、ストック・ルームを兼ねたリペア・ルームも完備。
アポ無しで突然現れたのにも関わらず、丁寧に対応してくれたNoisebugのアントニオさん。ありがとうございました!
Noisebug